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珺
2020年11月15日 23:59
満月の日に待ち合わせは錦糸町。スカイツリーがよく見えるこの街は、改札から出てすぐに喫煙所がある。そこが決まってわたし達の待ち合わせ場所だ。「ごめん、待たせちゃったかな」「全然平気だよ。さっき来たところ」「今日は何が食べたい?」「んー、じゃあ、鳥貴族がいい」「おっけー」わたしは上京して、地元にはない鳥貴族をこよなく愛していた。店に着くと、検温とアルコールを
2020年11月14日 21:11
人は、関係性に名前をつけたがる。1恋愛にしろ、友情にしろ、とにかくだ。しかし、過去を振り返った時、わたしは、自分の記憶の〝曖昧フォルダ〟にある思い出ほど、よりノスタルジックな気持ちにさせられる。わたしが彼と出会ったのは、新卒で入った会社の先輩の、人数合わせとして呼ばれた会だった。仕事上、遅れて参加したわたしの席はもう決められており、必然的に隣の男性と話す機会が多くな
2020年11月12日 02:02
わたしたちは、夜が暗いことを知っている。わたしたちは、夜が深いことを知っている。わたしたちは、夜に孤独を感じやすいことを知っている。夜の孤独はまぁ、まだいい。慣れている。大勢が、見て見ぬフリをしながら生きている。しかし、朝の孤独はどうだろう。夜の孤独に対して、朝の孤独は、心をえぐる勢いが比べ物にならない。〝それ〟をわたしは知っている。その時のわたしと言ったら、全