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英語科教育法の歩み

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かわむらが勤務校で担当する英語科教育法の取り組みについて、授業者としての振り返りや実践のログを残すことを目的として記事を書いていきます。理想的には毎回の授業について書いていきたい…
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#コミュニケーション

コミュニケーション能力をどう伸ばすか

コミュニケーション能力をどう伸ばすか

英語科教育法IIの第4回。
今回の問いは「どのようなコミュニケーション活動なら力が付くか」
相変わらず大きな問いだ。

実践的なコミュニケーションの力まずある学生は「道案内などの具体的経験をしておくことで、実際の場面で使える」とし、つまり教室外で起こり得るコミュニケーション場面を想定し、それを経験することで実践的なコミュニケーションの力をつけることができると考えた。
より抽象的な視点として別の学生

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「ありきたり」な活動

「ありきたり」な活動

英語科教育法I,第15回(最終回)の振り返り。
第2週から14回に渡ってやってきた模擬授業もこの日で最後。

模擬授業の概要There構文をターゲット文法に指定し,福笑いのゲームを通してThere構文を楽しく使うことを目指した。

5人ずつのグループに分かれ,1人が目隠しをする。
それ以外の4人が英語で指示を出し,目隠しをしている生徒が紙に顔の絵を描いていく。

その過程で「〜に〇〇がある」という

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「発表」って何をどう指導するの?

「発表」って何をどう指導するの?

英語科教育法IIIの授業ログ。
今回は「話すこと(発表)」についての講義回。

発表の目標高等学校学習指導要領の英語コミュニケーションIでは「発表」について以下のような目標が掲げられている。

「日常的な話題」でも「社会的な話題」でも、「論理性」が重視されるのが特徴の一つだ。
尚、英語コミュニケーションIIでは、支援の量が「一定」とされ、「詳しく話して伝える」となる。
英語コミュニケーションIII

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正しさを求めて…

正しさを求めて…

英語科教育法Iの振り返り。第13回。
履修者4名が毎回一人が模擬授業をする。今回で全員が3回の模擬授業をしたことになる。

模擬授業の概要今回の模擬授業は中学1年生を想定し,ジェスチャーゲームを通して英語を使わせる授業。

8人の生徒役が4人ずつの2チームに分かれて,ジェスチャーをする順番をチーム内で決め,ジェスチャーを見て何をしているところかを英語で言い当てる。言い当てる側は自由に相談可能だが,

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二人で話せば「やり取り」か

二人で話せば「やり取り」か

英語科教育法IIIの授業ログ。
今回は「話すこと(やり取り)」の模擬授業回。

前回の講義回では「コミュニケーション活動」と「言語活動」の違いを、学生に実際に両者を体験してもらいながら整理した。

その中では「言語活動よりコミュニケーション活動の方が、学習者として好きだ」という意見も見られ、どちらが良い/悪いという話ではないというところに一応着地はしたのだが、でもやはりこれから英語の先生になる学生

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「コミュニケーション活動」と「言語活動」

「コミュニケーション活動」と「言語活動」

英語科教育法IIIの授業ログ。
話すこと(やり取り)の講義回。

自分が学習者として教室で日本語話者同士で英語を話すのが嫌いだったこともあって、話すこと(やり取り)の活動は授業者としても苦手分野だ。
授業準備の段階から2-3週間かけていつも以上に勉強したのだが、90分の授業でどこを話してどこを削ぎ落とすかの判断が難しかった。

最終的には、中部地区英語教育学会でも話題になった「コミュニケーション活

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「非母語でのコミュニケーションに耐えられる人」を育てる

「非母語でのコミュニケーションに耐えられる人」を育てる

英語科教育法IIIの第8回。
リスニング指導の講義回のログ。

洋楽を使ったリスニングの利点と課題今回はリスニング指導ということで、私が英語技能科目で毎時間行っている洋楽リスニングを英語科教育法のメンバーにもまずは体験してもらう。

使った曲はCarley Rae JepsenのCall Me Maybe.

韻の踏み方や、語彙・フレーズのレベル、(PVも含めた)曲のストーリー性などから割と使いや

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