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英語科教育法の歩み

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かわむらが勤務校で担当する英語科教育法の取り組みについて、授業者としての振り返りや実践のログを残すことを目的として記事を書いていきます。理想的には毎回の授業について書いていきたい…
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#授業

2023年度英語科教育法の振り返り

2023年度英語科教育法の振り返り

北陸大学での2年目の英語科教育法。1年目のように毎時間の振り返りを書くのは流石に諦めた。少しは仕事が増えてきた証拠ということで、ありがたい限り。
ただ、英語科教育法どんなことしてる?ということを話すこともたまにあるので、一応まとめておきたい。4月も中旬になったところで今更昨年度を振り返る。

英語科教育法I,II (2年生)2年生の英語科教育法I及びIIは「言語活動」に焦点を当てた。英語教師の視点

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文法指導を考え続けた英語科教育法Ⅱ

文法指導を考え続けた英語科教育法Ⅱ

2年後期、英語科教育法Ⅱが先週金曜日で無事ゴールイン。大雪や震災の影響で本来の予定と色々変わったところもあったが、みんなよくやり切った。

今年の英語科教育法Ⅱは(文法に苦手意識のあるこの代の学生たちに合わせて)文法指導に焦点を当てた。単に文法の勉強をするわけでも、文法を説明する練習でもなく、「文法の3側面(形式・意味・機能)」と「意味順英文法」を軸にした文法説明と、文法演習のための「言語活動」を

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授業の事後協議会、同じ絵を描けるか

授業の事後協議会、同じ絵を描けるか

今期の英語科教育法IVは単元を構成して、3名の履修者がリレー形式で模擬授業の授業者役を担当する。第9週からは単元のリレーが始まる。それに先立って、第7週は自分の担当回の中から15分程度の活動や説明を用意してきて、実際にやってみる。その後、授業者・生徒役みんなで検討会を行う。(この日は2コマ連続授業でたっぷり3時間あった。)
検討会には私は最初は参加せず、途中で「視点を足したい」「新たな議論のポイン

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英語が出来る生徒へのアプローチ

英語が出来る生徒へのアプローチ

英語科教育法Iの第13回の振り返り。
スピーキングの模擬授業回。先生チームが3人。生徒役は(私も含めて)6人。

今回の模擬授業のメイン活動は、与えられたトピックについて、2分間1人で話し、その後他の生徒が質問し、話し手はそれに答えるというもの。

トピックは、"A person you want to get married to"といった結構攻めたもので、「favorite foodとかfav

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そのゲーム,何が楽しい?

そのゲーム,何が楽しい?

信じられないぐらい書けていなかった英語科教育法Iの振り返り。
リーディングの模擬授業回について,2ヶ月近く前の授業後メモと学生の省察レポートをもとに書いてみる。

今回の模擬授業は「一文を読み,理解できる」ことに焦点を当てて,クロスワードの活動を行なった。縦のカギ・横のカギの単語の説明が英語で書かれており,それらを読んで何の単語のことか当て,クロスワードを完成させていく。

今期の英語科教育法Iで

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生徒の英作文、語彙・文法の添削以外にすべきこと

生徒の英作文、語彙・文法の添削以外にすべきこと

英語科教育法のライティング指導に関する講義回(第7,8回)の振り返り。

文字指導から始めてパラグラフライティングの基本的な考え方までを整理した上で,最後は思考ツールを複数紹介した。思考ツールについては,ライティング(やスピーキング)に限らず,リスニング・リーディングでも上手く使えると良いなと思いつつも,なかなか英語科教育法の中で深く扱えていないことは今後への課題である。

昨年度同様,「高校1年

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教師に干渉されること—机間指導のココロ

教師に干渉されること—机間指導のココロ

英語科教育法I(2年生)の文法指導を軸にした模擬授業回。
担当の学生ペアは「タスク」に興味を持ち,文法の堅苦しい授業・勉強のイメージを払拭することを目指した。
そこでの授業者の振り返りと,英語科教育法III(こちらは3年生)のライティングの模擬授業での授業者の振り返りに重なり合う部分があった。

英語科教育法Iの模擬授業とその振り返り2年生の英語科教育法Iの方では,授業アイデアを出す段階でヒントを

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活動を通した文法指導

活動を通した文法指導

英語科教育法第3回の振り返り。
テーマは「活動を通した文法指導」で,第3回(活動体験回)は私が教師役になって学生に活動を体験してもらった上で,改善案を検討してもらう。

文法指導のイメージ第3回の冒頭,学生に「文法の授業ってどんなイメージ?」と聞くと,高校時代の記憶をもとに「つまんない」「勉強って感じ」と答える者もいれば「高校で文法を勉強したことない」という学生もいた。また,大学での「Gramma

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モデル音声がある時代の教師の音読

モデル音声がある時代の教師の音読

英語科教育法IIIの第6回。
リスニングを中心に据えた模擬授業の回の振り返り。

今回は模擬授業の中で現れたある一場面に注目して、学生らの振り返りの言葉や私なりの考えを記事にまとめておきたいと思う。

モデル音声のリピート教科書の音声をもとにリスニングの問題に取り組んだ後、そのスクリプトをモデル音声に続いてリピートする場面があった。先生がモデル音声を適宜停止しながらリピートを促す。生徒のレベルを考

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模擬授業はとにかく挑戦しよう

模擬授業はとにかく挑戦しよう

英語科教育法I,語彙指導の模擬授業回。
前の週は私が用意した語彙学習の活動を3つ体験してもらい,それに対して「より学びを深める」「より楽しくする」の2つの観点から改善案を出してもらった。それを踏まえて,どれか一つの活動を取り出し,模擬授業を実施する。今回は2人の学生のペアでの実施となった。

Odd One Outの改良版前回の授業でOdd One Outへの改善案が色々と出された中で,二人は「も

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活動を通した語彙指導

活動を通した語彙指導

英語科教育法Iの振り返り。
第1週目はガイダンスで終わったので、第2週目から本格スタート。

授業の基本設計今年の英語科教育法Iは、偶数回に「活動を通して英語を学ぶこと」を体験し、奇数回に体験した活動を改善した形の模擬授業を実施するサイクル。
語彙、文法と5領域の計7セットで14回。

教科書はこちら。

タイトルの通り20年の経験を持つ先生がこれまでの授業実践で重視してきたことを理論としてまとめ

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良い授業の思い込み

良い授業の思い込み

英語科教育法Ⅲの第3回は、リーディングの模擬授業回。
第1回でリーディング指導についての基本を抑え、第2回では教材分析を進めた。
それを経ての第3回、講義で学んだことや教材分析の過程で見つけた色々な発見のうち、どこを削り、どこを残してくるかが個人的な注目ポイントの一つだった。

模擬授業担当の学生は、読解に入るまえの「内容スキーマの活性化」及び「語彙の確認」に焦点を当てた。
教科書の題材は、捨て犬

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