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外国語教育_at my desk

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2021年9月の記事一覧

松岡亮二(編著)『教育論の新常識 格差・学力・政策・未来』

松岡亮二(編著)『教育論の新常識 格差・学力・政策・未来』

学校教育における「格差」「学力」「政策」そして「未来」に関わる計20もの章があり,どの章が「必読」であるかは人によるところはあるでしょうが,私の雑な感想を一言で言えば,学校教育の話をする可能性のある人全員に読んでもらいたい本です。

GIGAスクール構想であれ,コロナ対応のオンライン授業であれ,大学入試であれ,21世紀型スキルの教育であれ,何を話題にするにしても本書の内容(またはそれに近いもの)を

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『民主主義の育てかた』読書会 #4

『民主主義の育てかた』読書会 #4

毎週火曜夜に行うこちらの本の読書会。

今回も小学校教員・中高一貫校教員・大学院生(修士課程・博士課程・教職大学院)と多様なメンバーで。

今週は第3章 三谷高史「「地域と教育」論—コミュニティ・スクールは誰のために」

(本記事の引用元を表す頁数は,特にことわりのない場合,本章からの引用である。)

コミュニティ・スクールとは私立中高一貫校で働く私はコミュニティ・スクールという概念についてすらよ

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『民主主義の育てかた』読書会#3

『民主主義の育てかた』読書会#3

こちらの本の読書会。「はじめに」から毎週火曜日の夜に1章ずつ進めて今週は第2章,大日方真史「「私事の組織化」論—教師の仕事にとって保護者とは」

前回の第1章に比べると幾分か読みやすい文章で正直助かった。

とは言え,議論は毎度の如く深まり,特に保護者との関わりを日々意識する小中高の現職教員陣はその関わり方について(少なくとも私としては)普段意識しないレベルまで言語化する機会を得た。

また,今週

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『民主主義の育てかた』読書会 #2

『民主主義の育てかた』読書会 #2

神代健彦(編著)『民主主義の育てかた』の読書会

今回は第1章。

「はじめに」を読んだ前回についてはこちら▼

「国民教育権」論の限界改正前教育基本法(昭和22年)の第十条を参照すると,

教育は,不当な支配に服することなく,国民全体に対し直接に責任を負つて行われるべきものである。

とある。

戦後直後(1947年)に制定されたこの法律に基づけば,教育は国民全体の意思に従って行われなければなら

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『民主主義の育てかた』読書会#1

『民主主義の育てかた』読書会#1

神代健彦(2021)『民主主義の育て方 現代の理論としての戦後教育学』をゆっくり読み進める読書会を始めた。

noteとして公開しながらも,読書会の記録としての機能も兼ね一つの記事の中で考えがコロコロ変わることもあり得る。

また,対話の中で生まれた言葉・アイデアも,個人のセリフではないような形で導入する部分がある。

そんなわけで,実際に行われた読書会を基にしたフィクションとも言える。

また,

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『ナラティブでひらく言語教育—理論と実践』 雑感

『ナラティブでひらく言語教育—理論と実践』 雑感

北出・嶋津・三代(編)『ナラティブでひらく言語教育—理論と実践』を読みました。

高校生の言語学習・言語教育実践から,言語教育研究・言語教師養成まで幅広く言語教育に関わる諸分野におけるナラティブ・アプローチの実践が紹介されています。また,前半は理論編ですので「ナラティブ(・アプローチ)って何?」という人もこの本から入門することも可能かと思います。

どうでもいいけど,表紙めっちゃかわいい。どうでも

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