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脚を曲げるときに考えること(股関節屈曲について)

【はじめに】 
 一年目の時、屈筋は悪者かのように伸ばしていた記憶があります。
しかし、空手や柔術などでは股関節屈筋である腸腰筋は、かなり重要な筋として扱われます。
 良く武術などでは重心を安定させると言われます。スポーツの現場では早く走るためには非常に重要視される筋のひとつでもあります。
【足を挙げる(股関節屈曲)ための構成要素】

開始姿勢:座位
・矢状面
 骨盤の前・後傾、脊柱の湾曲、胸郭の変形
 骨盤・胸郭・頭部の位置がまっすぐになっているかを確認します。
 座位では、正常はやや骨盤後傾しています。

・前額面 
 ここでは、各パーツの左右差を確認します。よく言われるのは、肩甲骨の左右差といわれますが、そもそも骨盤から崩れているのか、胸郭・脊柱からなのかを見るのが大切だと思います。
 矢状面と同様に骨盤・胸郭・頭部の位置がまっすぐになっているかを確認します。
・水平面
 主に回旋を評価します。左右の足の位置が前・後位置、骨盤に対して胸郭はどちらに回旋しているのか、胸郭に対して頭部はどちらに回旋しているのかを評価します。

【股関節屈曲(腿上げ)の構成要素】

 図のように右足を持ち上げることを考えてください。
 右脚挙上するためには、持ち上げる力に対して重力が床方向に下げようとする力がかかります。それを打ち消すために、土台の活動が大事になってきます。
 体幹の垂直性の保持と左下肢の伸展活動が必要になります。体幹は右下肢挙上と左下肢の押しつけを効率化するために活動が必要です。
 土台が安定すると、股関節の屈筋は安定した活動で股関節を屈曲することができます。この時、腸腰筋や大腿直筋の協調作用で股関節が安定した状態で下肢を挙上することが可能になります。

【クライアントの陥りやすい戦略】
クライアントは屈曲時に反対側の伸展活動少なくするために、重心を挙上側(非麻痺側or麻痺側)に乗せていることがあります。また、挙げる瞬間に挙上側に崩れることもあるます。
 また、体幹の正中を保持できないので、非挙上側の殿筋の筋力低下などの理由で骨盤を後傾したり、骨盤そのものを挙上しようとすることもあります。そのほかにも、側屈や回旋の要素が含まれていないかを考慮する必要があります。

【基本動作と股関節屈曲筋】
歩行では立脚の後半相で股関節の屈筋が遠心的に股関節の伸展をサポートしています。そこからさらに股関節が伸展すると大腿直筋が活動を強くしてきます。

起立動作では、離殿の準備で骨盤を起こすために求心的な活動をします。

【評価・介入】
まず、、、、
姿勢を評価して、予測するところから開始です!
情報を拾って未来を予測するのです!

次に動作を見ます。
代償戦略のところを見直してみてください。

3つ目は、仮説を立てて検証する作業です。
右下肢を挙上するときに下肢が過剰に外旋をしてくる?

腸腰筋の活動が低下していて、縫工筋で代償?

なぜ腸腰筋が働かない?土台となる下肢と体幹は?

体幹の伸展を助けると代償が軽減した!
体幹が原因で腸腰筋が働かないのかも?MMTで具体的に評価してみよう。

といった流れで原因(犯人)を見つけていきます。

【まとめ】
腸腰筋は重心の安定に非常に大事とされ、日本武術では平安時代より使い方を研究してきました。あらゆる動作や分野において必須の筋肉だと思っています。
漫然と脚上げをしていた私のようにならないでほしいと考えてこの記事を作りました。
興味上がれば、参考にしてみてください。


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