詩人・竹中ゆうすけ

1993年生まれ;愛知県出身;夢は、文学を始めとする芸術を以て、人類の恒久平和を実現す…

詩人・竹中ゆうすけ

1993年生まれ;愛知県出身;夢は、文学を始めとする芸術を以て、人類の恒久平和を実現すること;全作全文無料公開中;随筆も書いていますが今は未だ秘密;[連絡先]qlgcuh27509アットマークme.com

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詩144 きみの才能

時代は求めている きみの才能を 風に吹かれ 丘の上の景色を眺め ぼくは 移り変わってゆく 時代の流れを見ていた 時には雨に打たれ 雷にも打たれかかった だけど やっと今 きみのその才能が 輝くのを目撃した 夢がある きみとぼくには 夢がある それを与えてやれるのは ぼくを介した きみしかいない いや いつか きみ一人で 次の時代を生み出せる きみの才能で 時代は変えられる

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    • 詩143 ちぎれたシャツ

      サイズのわからないシャツを 手当たり次第に漁って取り捲る 雄叫びをあげる熊が 血眼になって目撃している 放置気味でささくれた爪に引っ掛かって 少しずつちぎれていくシャツに 冷たい雨が降り出す 傘も持たずに飛び出した〈俺〉は 迫り来る危険を察知していた せみが鳴いている 小鳥がさえずった 扉が開くのを 今か今かと待ちわびて 皮膚にしみる冷雨が まるでその危険 用心棒も役に立たない危険を前に 〈俺〉とちぎれたシャツは 熊の胃の中へ 生まれ落ちてゆく

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      • 詩142 圧迫

        何でこんなに何かに追われなきゃならんのか 人の心に圧迫され 人の行いにも圧迫され 心の裂け目はブラックホール 行いの源は不夜城の基礎 夜はいつも雨 雷は鳴るは暴風は吹くはで 結局 天候にも私は追撃されている 瞳が乾き この手に触れる世界も この手でつかめる視野も どんどん狭まっていくばかり フランスで嗅いだ 香水の匂いは種類が多すぎて とても私の手に負えない。 匂いが転んでいる。 だから 匂いが軽すぎたり重すぎたりするのだろう これも 一種の 圧迫だ!

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        • 詩141 窮地に関する想像

          窮地に追い込まれて そこから脱するまでの間 何が起きるかを エルトン・ジョンをかけつつ 想像する 光に当たりながら 知らぬ間に育ってゆく 観葉植物の葉っぱ よく見ると ほこりをかぶっている きれいな花を添えれば 君の顔はもっと美しくなる そんなにかわいい服があるなら 今度 着ておいでよ きれいな花を挿して あったかい料理も作って ぼくは待っているから 机の向こうで 窓を突き破るように 朝日が昇ってくるような

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        詩144 きみの才能

          詩140 ひよこの合掌

          水たまりの中で あひるが喚くように鳴いている あひるの口の中では ひよこが寝ている ひよこは白黒の世界で 食べ物を請う 請うときの 赤い手が 合掌の形に見える 掃除機のファンが逆回転したときのように 食べ物が吹き込まれてくる 当然ながらひよこはすべてを受け止め切れないで 食べ物に匂いと共に埋もれてゆく 秘めていた力を ここで発揮しては ひよこのすごさが伝わらない 止めどなく流れ来る食べ物の中に 水たまりの中へ溶けていった あひるが混じっている

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          詩140 ひよこの合掌

          詩139 生活リズム

          ま〜たこんな時間まで起きているね。 明日というか今日には ──── 日付は約5時間前に新しくなった。 この異常な生活リズムを 正常に戻さなくてはならない。 だから 22時ごろにはきっと床に就こう おっと! そこの自分は「今」 考えているかい? おっと! そこの君は「今」 何かを感じているかい? 考えていれば仕事は尽きず 何かを感じていれば生きているということ 考え感じるグルーヴで 生きることがやがて循環の形に転じる ──── 終わりを決して迎えない そのために ぼく

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          詩139 生活リズム

          詩138 追いやられる愛

          いつかこの星も 穴でいっぱいの 廃れる一途をたどるのか 人が減って 友が減って 愛が減って 言葉が減って 君が「悲しい」と叫ぶ……… その「悲しい」という言葉さえも いつかは失われてしまうのだろうか 誰の口づけも 冷たくなって 誰の口づけにも 温もりはなくなる ずっと一緒にいた 血のつながった愛は どこへ追いやられて しまうのだろう

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          詩138 追いやられる愛

          詩137 もらい水

          寒さでかじかんだ手が 窓の雨音と重なって 君に預けた言葉が 今も忘れられない 素っ気ないものだと思って タンスの奥にしまっておいたのだけれど こんなに湿って重たくなっていたとは 考えもしなかったよ 新しく引っ越してきた街は 住みやすい好い街だ そこに君を呼びたいと思う 隣のおばさんも良い人で この間 親切にも「もらい水」 っていう言葉を教えてくれた 今ここに君がいることを 想像してみる ──── 新しい家庭ができて 家族ができる この雨も 直に止むだろう そしたらい

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          詩136 いつか天まで

          レンガを積み上げてゆけば いつか天まで届くかな 手を伸ばし続けていれば いつか天まで届くかな 友をあらん限りの声で呼んでいれば いつか天まで届くかな 風が通り抜けるだけで 私の躰を挟むもの阻むものは なにもない 一度沈んだ気持を取り戻せないなら 氷の張った湖が お似合いなの この手で触れてみたかった 愛する人の声に 愛する人の心に 愛する人の躰に 逝ってしまった愛する人よ 私の声は届いていますか。

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          詩136 いつか天まで

          詩135 知らぬ間に

          知らぬ間に ぼくは置いてけぼりになる ぼくがぼーっとしてる間に 男は女をつくり 女は男をつくる どの言葉も 今のぼくには 空しすぎる 胃が痛い 肩が重い 空が広い ぼくにはどうにもできない。 ただ一緒にいるだけだった者を ぼくは 知らぬ間に こんなに好きになっていた あの子はスーパーで 奴と夕飯を買っていたんだもの。

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          詩135 知らぬ間に

          詩134 特異なこの時

          細かいことは気にしない 海外への憧れ もっと社会の事象を ありのままに受け止めたい 将来の道筋が明らかなことが 私にはうらやましい そうやって道の先が照らされている人生を 手に取って分析するのが個人的流行 高原の海原で 冷たい風に吹かれてみる 寒いだろうと思って着て来たジャンパーが くしゃくしゃと音を立てる 腕組みをしたとき もうそんなときは フルーツジュースを飲んでいる自分など 想像ができない 今の私は 友の行動ばかりに気をとられているから 特異なこの時

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          詩134 特異なこの時

          詩133 私のアイデンティティ

          アイデンティティが とんとん?かんかん! 構築されていく 対象はただ 私のアイデンティティ に限って この狭い世界の中で 刻一刻と私のアイデンティティは築かれていく 昼間の鉄橋の真下で 日向ぼっこをしている 太陽は今やっと真上まで昇った 優先的に日光は私の下へ降り注ぐ 屈折した末に 私の下へ降り注ぐ その屈折具合が 正に私のアイデンティティ 真上にある鉄橋が私の親で その上は大自然たる太陽である 時たま走る列車を 「こちらへどうぞ」と 客間へ通してやろう 愛されること

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          詩133 私のアイデンティティ

          詩132 選んで下さい ~ 小田さんへの呼びかけ

          「私をつかまえて」 「私をつかまえてごらん」 「私をつかまえてごらんなさい」 好きなのを選んで下さい。 大好きな 敬愛する 実際に会えないメンターである 小田さんへ 敬具

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          詩132 選んで下さい ~ 小田さんへの呼びかけ

          詩131 すみれ

          道端はすみれでおおわれているという バーベルを持ち上げた巨漢の足下で すみれが咲いているという 風にさやぎながら なぜか微かに笑うように 遥か前から道端で咲き続けているという 明るい街灯の鉄の芯にも いつかすみれが巻きついていくだろう 誰にも惜しまれることなく 誰にも呼びかけられることなく すみれにとりつかれ 街灯の芯は 我々の前から姿を消していく哀れ 美しい人は男の相手をするので精一杯だ 周りの女にねたまれながらも 男に求められようとして 女の理想を追求する 美しい人

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          詩130 イチジク

          通勤途中に実ったイチジクをかじると とろけてはじける味とともに 躰の肉としての塊が現れた それを無理やり抱きしめたのち 髪の一切を燃やした 現実から離れて ──── 現実から離れて ──── ! イチジクをかじるなら フォークで、が良かった 私はついさっき 生の指を使った 生まれるのなら この世が良かった あの世があるなら その世もあるだろう その世は君の住む世界     君の住む世界

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          詩129 放牧の頃

          冬の外で裸で踊れば 時代は私について来るだろうか コンビニの前で草をむしれば 放牧の頃の私が現れる いつかはまるで牛のように いつかはまるで馬のように いつかはまるで羊のように 時にはまるで放牧犬のように 人様に扱われた それはヨーロッパの一地方で 〈廃された時宜の内に醸し出される郷土の或る処〉 それはヨーロッパの一地方で

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