詩337 詩人として 芸術家として
一篇いっぺんの詩を
上手に作ろうとする………
それで好いのか
一篇いっぺんの詩を
精魂込めて作る………
それは本当に良いことなのか
私はただ
私自身を
感ずる
私自身を
窮め
高め
練り上げることを
最も重んじようとする
働くとは 何だろう………
生きるとは何だろう………
愛するとは何だろう………
演ずるとは何だろう………
それらはすべて
一つのことに集約される
それらはすべて
自分の心の枢軸に立ち帰る
朝 目覚めて
昼 太陽の光に照らされ
夜 涼しい風に吹かれても
何ら変わらないものが
私の深奥にはある
その私自身の
アイデンティティとも呼ぶべき
極めて重要な何かを
すべての瞬間で意識し
大切にしていることが
人生において
何より大事なこと
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この手で紡ぐ
一篇いっぺんの詩が優れていることを目指していて
本当に好いのか
自分の心がどこにあるのかを
自分が一番
知らなければいけない
どれだけ自分に、熱くなれているか
どれだけ自分に、厳しく問えているか
どのような環境にあっても
どれだけ自分を、保持できるのか
この手で
世の尽きるまで
かたく まもりたいもの
変わらぬものを抱き締め、握り締め
一篇いっぺんを紡ぐ
その先に私自身の願いや望みがある
力を入れずに紡ぐことを
掛けて忘れない
いつも自分が何者か、ということを意識できてさえいれば
そのままで
ありのままで 好い
迷わない
焦らない
慌てない
惑わない
怒り も
喜び も
悲しみ も
虚しさ も
すべて
起きてくる、ありのままに見詰め
受け止める
人は その営みに 応えるだろう
自分の中心さえ明るく頑丈であれば
どんな作品も
ひとりでに
立ってゆくのだ
堂々と生きられる自分を
あらゆる出来事を信じられる自分を
私は 守りたい
私は 叶えたい
私は 貫きたい
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