見出し画像

詩333 四角くなりたい

ソフトにハードに蹴られて
あちこち
行く

目が回って
ドギマギする

次の瞬間どこにいるのか
分からない

不意を突くように
額の上でポンポンされて
空中を飛び交い
最後はいつも重力に従う

四角い敷地のなかで
90分間
ずっと転がりつづける

ネットに掛かったら一安心………
ちょっと休憩できるでしょ

でも
いっぱい蹴られて転がされたのに
祝福の輪には
毎回入れてもらえない

覆い被さられると
どうして良いか
分からなくなる
もみくちゃの下でくるくるしてしまって
れるの………
ユニフォームと、芝生と

随分と人のお腹は柔らかくて
シューズで蹴られるよりも
お腹の上で転がされる方がイイな

踏んだり蹴られたり乗られたり
文字通り「踏んだり蹴ったり」でも
不思議と怒る気はしない
何でだろう

白線を渡ると
手で持ってもらえるの

でも
また投げられて
蹴られて
転がされて
目が回る


ねぇ
時おり
思うのさ

丸いのはもう止めて
いっそのこと
四角くなりたい
って、ね

ここから先は

0字

¥ 130

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?