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詩343 曇り空に阻まれる

人に笑われるのには 一向に慣れない

癒されることのないまま
日に日に疲れてきたなら
生きることを中断する潮時。
それを迎えた証拠

恋の切なさに負けて 今日の山を下りるとき
ぼくの叶える夢は また一つ減る

あなたに忠告しているのは
どうしてもあなたのことを手放せない自身の不実に
見切りをつけるため

今朝は頭痛がして
あなたの胸を削る濁浪だくろうのような感覚について
まともに 考えられなかった

暇になる度
あなたのことを考える

好きになってしまった以上
簡単には
忘れられないだろう

谷風に浮かぶ山鳥やまどり
いつまで日光の欠乏に耐えられるの?

海が留守している地球では
死を臨む渚に
立つことはできない

差す潮が
なければ
引く潮も
ない

過ちに気付かない ぼく

無秩序な社会の闇に疲弊した あなた

規律など
あってないようなもの
だから
言行をためらいなく鼻で笑う人とは
ぼくの切なさと 少しも釣り合わない

このまま
次第に
あなたのことが
考えられなくなって
少しずつ
短い
想い出が
頭のなかから
消えてゆくだろう

「生きている意味なんて………ないよね」

生き急ぐ理由は
今朝から止まない頭痛の所為だろうか、
それとも、
好きになったあなたが先月から会ってくれなくなった所為だろうか

あなたが囁いた いつかのセリフが
今も頭に残って無限ループ

振り払う度胸もなく
日光を 曇り空に乞いながら 咀嚼することしか………

本来
あなたは純情で
限りなく素直だということを
その澄んだ瞳が証明している

ぼくとあなたとは 永遠に結ばれない………

誰にも気付かれず ぼくの過ちを闇に葬れるのは
あなただけ。
絶対に あなただけ なのに ────
泡沫うたかたの恋に 溺れて………

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