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お題10個の短編小説を1時間で書いてみた!【後編】

 こちらは後編となっております。
 良ければ前編を見てから、先に進んでくださると大変嬉しいです。

 それではどうぞ。


 晩御飯の時、おばあちゃんから「ポチとの散歩はどうだった?」と訊かれた。
「別に、何も。……あっ、なんかポチが空き家をずっと見てて動かない時があったよ」
「空き家? もしかしたら、おじいちゃんのお兄さんの家かしらねぇ」
「お兄さん?」
 僕がそう聞き返した時、おじいちゃんがピクリと反応した気がする。でも気のせいなのかもしれない。
「そうよ。ポチは元々お兄さんのわんちゃんだったからねぇ。お兄さんは亡くなる前、ポチをよろしく頼むっておじいちゃんに言ったのよ」
「だからおじいちゃん家にポチがいるの?」
「そうよ。おじいちゃんは優しいからねぇ」
 そうは見えないけど。
 僕がおじいちゃんを見ると、おじいちゃんはプイっとそっぽを向く。
「あら、照れ屋さんね。いつも自分の足に無理させてまでポチと散歩に行くのに」
「うるさいぞばあさん」
 おじいちゃんがやっと口を開いた。
 僕はこのタイミングしかないと思って、おじいちゃんに訊いた。
「本当におじいちゃんがポチを預かったの? おじいちゃんって動物が嫌いなんじゃなかった?」
「……動物嫌いなワシに頼むなんて、アイツは頭がおかしいわい」
「断らなかったの?」
「断っても、空き家の前でウロウロされて目障りだ。それなら家の犬小屋にいてくれた方が、視界に入る事が少なくてマシだ」
 おじいちゃんはご飯を食べ始めて、それっきり黙ってしまった。

 晩御飯が終わった後、おじいちゃんが何かを持ってきて僕に話しかけてくる。
「犬が嫌いなワシの代わりに、ポチと遊んでやってくれないか。ワシはアイツの相手するのが嫌で嫌で仕方ないからの」
 そう言っておじいちゃんは駄菓子と犬のお菓子をくれて、さっさと去ろうとする。
 僕はおじいちゃんの背中に向かって呼び止める。
「ねぇ、おじいちゃんも一緒に遊ばない?」
 おじいちゃんが振り返ると……笑っていた。
 僕はおじいちゃんの笑顔を、生まれて初めて見たんだ。

(了)



〇感想

 いやぁ~疲れた!(笑)
 久しぶりにワンライをしたので、脳も手もかなり疲れましたね。
 ですが完成させたという喜びが味わえて、やってよかったと感じます。

 でも書き直したいなぁ……アハハ。
 一度ちゃんと書き直して、どこかに投稿しようかな……。

 ちなみにそれぞれかかった時間はこんな感じです。

・プロット……15分38秒73
・本文…………40分43秒37
・校閲……………3分30秒12

 合計59分52秒22
 ギリギリだぁ!

 詳しい後書きは、また明日投稿しようかと思います。
 たった1時間でしたが、話したい事が沢山あるので♪

 それでは皆様、ここまで読んでくださり
 本当にありがとうございました。

 以上、竹春雪華でした~♪

【追記】
 後書きはコチラです。


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