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データ分析を導入したいチームへ

 内容に入る前に、立命館大学で取り上げて頂いた記事をご紹介します。
 実は、空手をしていたこともバレてしまいました。笑
 記事の最後には「バーチャル高校野球」で斎藤佑樹さんとお話しさせて頂いたときの動画もあります。URLからご覧ください!

 さて、最近、「データ分析班を作ろうと思います」と考えているチームが散見されました。中高生の野球でできることを考えながら、記事にしたいと思います。
 いつもの如く、私の主観でほとんどが構成されていますので、ご了承の上、ご覧くださいね。

「データ分析」

 データ分析について、私が考えられるなりのことを書きたいと思います。私自身が感じてきたことも含めながら、紹介します。
 個人的に、データ分析を始める上で、頭の片隅に入れておくといいかなと思ったものです。項目は、こちらです。

① データ分析は魔法ではない 
② 実行する
③ 根気強く取り組む
④ チームに必要なことを考える
⑤ 多角的な視点を持つ

 どんな印象を持ったでしょうか。
  " データ分析を始める場合 " に、必要そうな順に並べてみました。
 この後に、1つずつ説明します。それぞれ、どんなことなのか予想しながら、読んでもらえたらと思います。

①データ分析は魔法ではない

 私が、最も重要だと思うのはこれです。
 データ分析で、物事を科学的に把握することができます。ただし、それだけです。これが、「データ分析は魔法ではない」という言葉の真意です。
 もちろん、たくさんの機材がある環境であれば、細かく動作を解析することもできます。その場合は、先で述べたことは間違いになりますが。
 私は、様々なところでお話しさせて頂いていますが、データ分析は3つに分けることができると思っています。選手育成、自チームの試合対策、相手チームの試合対策です。とりわけ、中高生では、自チームに関することがメインになると思います。試合する相手は、固定されていませんから。
 いずれにしても、何かデータを取るわけですよね。
 例えば、Rapsodoで投手の投球についてデータを取るとしましょう。球速、回転数、回転軸の傾き、球の変位…非常にたくさんの項目が出ます。試合の分析でもいいでしょう。場面ごとの打率(得点圏別、球種別、対右左別…)と算出できます。打率一つでいくらでも数字を出すことはできるというわけです。(念のため、書いておきますが、Rapsodoはすごく使いやすい良い機械です!)
 何を言いたいかというと、「このようにして手元に数字が出てくるのがデータです」ということです。
 じゃあ意味ないのかと思いましたか?
 このようにとれたデータをどうやって分析し、解釈するかというのが「データ分析」です。後にも述べますが、あくまで提案に過ぎないのです。
 データを解釈して、選手に意図したまま伝わったとします。それを、選手がうまく表現できるかというのはまた別問題だというのがその意図です。

② 実行する

 何事も、新しいことを始める時は実行することが大事かなと思います。ただ、そんな誰でもいえるような当たり前のことは書きません!!
 自己分析したら、私の強みはここにあると思っています。
 ここで述べる「実行」は以下のように定義しておきます。

実行 = 計画 + 行動 + 継続 + 修正

 「実行」を広義に捉えてもらえるといいかなと思います。まず、理想とするビジョンとその過程を明らかにすることを「計画」としました。将来的に○○○○(できるよう)になりたいという、チームや個人の目標が大事かなと思います。そして、行動にうつし、継続することです。さらに最後に修正です。これも非常に大事で、取り組んでみて上方修正することも下方修正することもあると思います。現状と目標を照らして、適当だと考えられるように常に調整することが重要ですよね。これを、黄金のサイクルとしておきます。
 それぞれの具体性やスピードは置いておいて、まずはこの4要素をすべて欠かすことなく取り組む。そこに意味があると思っています。

③ 根気強く取り組む

 データ分析が専門のくせに精神論か、と思うかもしれませんね。すみません!でも、本当なんです。なぜなら、失敗は必ずするからです。
 うまくいった人のまねをすれば、必ずうまくいくという保証はありません。私だけかもしれませんが。笑
 問題は、失敗しないことではなく、そこから修正することです。ここから、データ分析らしいことになりますが、自分の取り組みも分析する。なぜ、どこで、どうしたことで失敗してしまったのか。これが明らかになって、直すことができたら、必ず修正してうまくいく可能性は前より高くなります。だから、根気強く、失敗してももう一回取り組む。また失敗しても、もう一回。まさに七転び八起きです。その過程の中で、辛抱強く継続するか、諦めるかです。
 私は、こうした中で継続すれば、必ず良い方向に行くと信じています。

④チームに必要なことを考える

 これもすごく大事なことなのですが、①~③を前提として、少し段階を上げたものだと考えてもらえるといいかもしれません。データ分析を始める時の心得みたいなものをここまで書いてきましたが、頭に入れて一生懸命やればできます、おそらく。
 さて、チームに必要なことを考えるというのは、やや難しいです。
 監督やコーチ、選手とすべての現場にいる人とコミュニケーションを取らなければ、決してわかりません。また、データを見ながら、チームに不足している部分を必要だと提案することも同じような意味があるかもしれません。先に述べた「3つの分析分野(選手育成、自 / 相手チームの試合対策)」について、様々なデータを分析することができるというのは、必要不可欠です。しかし、得られたデータをすべて伝えたらだめですよね。そこで、チームに必要なことを考えなければいけないわけです。場合によっては、持っているデータの100%を伝えることも10%だけを伝えることもあると思います。データ分析を担当する人とチームで一緒に成長していけるといいですね。
 ここでのアナリストの腕の見せ所は、必要性をいかに訴えることができるかです。チームの監督さんがこの記事をご覧いただいていたら、その必要はありません。しかし、多くの場合、データ関係の内容は、「アナリスト→チーム」というベクトルだと思います。私自身もそうでした。
 監督さんが悪いというのではないですよ。念押ししておきます。アナリストがデータ関連の知識をチーム内で最も豊富に持っているはずですので、監督さんに同等の理解を始めから求めてはいけないと思っています。そこで、そのデータはなぜ必要なのか、それに対して自分はどんなアプローチができるのかもしくはできたのか。そして、データによる成功体験を増やすことです。いずれもやや時間のかかることです。スッと理解してくれる時もあれば、それはどうなんだと難色を示すこともあるでしょう。そこで根気よく、丁寧に説明です。
 実際に、私はこうして監督やコーチと何度も話し合いました。データについての文化が全くなかったチームでしたが、「今度こうしようと思うんや」ってデータ関係の話をしてくれるようになりました。そうなるとすごくうれしく感じると思います。

⑤ 多角的な視点を持つ

 これは、私もまだまだまだです。一緒に頑張っていきましょうということですが、書いていきますね。ちょっと、その話のかけら(①の中にあった打率についての話)があったのですが、打率一つとっても色々出せますよね、ということです。
 野球とかデータ分析でなくても、普段の勉強でも同じです。ここであえて書くまでもないと思いますので、割愛します。

何事も挑戦

 今回は、新しくデータ分析を始めるというチームやこれから力を入れていきたいというチームの関係者に向けて書いてきました。ですので、これを実行しようと考えている方は、全て「挑戦」です。私の座右の銘も、今のところは、「何事も挑戦」です。
 実際にやってみようとすると、勇気がいります。失敗が怖いかもしれません。残念ながら、私は、失敗の可能性を全く考えずに取り組むことができました。ですので、あまりその辺は、参考にならないかもしれません。しかし、新しいことに挑戦するというのは、恐怖と隣り合わせとなるものではないと思います。勇気を振り絞って、というのも少し違うかなという感覚です。
 楽しんでみてはどうですか?と思います。「好きこそものの上手なれ」ということわざがありますが、本当にそうだと思います。そのスポーツが好きで、一生懸命に取り組めるというのは貴重な経験です。かけがえのない財産になると強く思います。
 挑戦することも、楽しい!と思っていることで、成長が早まるかもしれません。

さいごに

 ここまで、いろいろと書いてきてしまいました。私は、自分のこういう活動を通して、幅広い年代・レベルでデータ分析が導入されていくことを願っていますし、そうなるように活動していきたいと思います(大学院に通っている間は、ですが)。
 「やってみたい!」と思った方は、ぜひぜひご連絡ください。チーム単位でも何か手助けできたらと思っています。ご連絡ください!データ分析班を創設した経験を生かして、自分にしかできないことをお届けできると思います。
 この記事を最後までご覧いただきありがとうございました。次回は、卒論を経て、研究分野のことを記事にできたらと思っています。お楽しみに!

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