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父と母、わたし。見えない→矢印。(987文字)



ピンクの艶ほっぺ、
ちょんちょんに短い前髪。
オニヤンマ君やKONBUCHA。
タンクトップに甘酒、野菜。

母はいつも何かに夢中で楽しそう。


母として、会社員として、
長年の社会的役割をおえ、

ただのさっちゃんになってから
子供のように飛び回る。
(バナナは半分どころかもりもり食べる)


その母に
40年以上夢中な父。



私は長女として、
若い二人の間に生まれた。
男性にとって
はじめての娘誕生といえば大抵
可愛くてかわいくて仕方ないだろう。


我が家の場合、
父の愛情・関心ベクトルの向く先は
いつだって「さっちゃん」


ただいまの二言目には、
「あれお母さんはいないの?」


私のこともみて!
話きいて。
興味もって。



負けっぱなし。


私に魅力がないんだ。
可愛いっていって。
愛情示して。


永遠に勝てない相手。
その母はよく気がつき、愛情深い。
父に求めたその全て
頼まずとも代わりにやっていた。



送り迎えも、(おもに徒歩)
彼を連れてくるとムッとするのも、
帰りが遅いと寝ずに待つのも、
結婚式で大泣きするのも
すべて母。


違う。
なんか違う。


それでも
愛情を一身にうけ、
だれより母の魅力を知っている私は
永遠の連敗にも解していた。



いつだって
父の喜怒哀楽を揺さぶるのは母だけ。

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ちなみに私はファザコンじゃない。
他人として父に出会っても惹かれない。
男性としてはむしろ苦手。

「娘」として「父」からの愛情を求めた。


好かれたい
興味を持たれたい


ところが満たされない。
未消化の思いは、


・深く人を考察することや愛想の良さ
・自分磨きへの熱意

「父」「母」でないカップル
喧嘩しながらも愛し合う彼らの中に育ったことは、

・男性と本質的なつながりをもつこと
・よい関係を築こうとする努力

につながった。


この経験は
今夫と仲良く夫婦でいられること、
人との関係づくりに手腕発揮。



いいことしかない。



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母は私が発信するnoteやインスタを欠かさず見る。
父は言うまでもない。

見てほしい、愛情を示して!
興味を示して!

とは心底思っていない。


むしろそうなられても
ちょっと暑苦しい。
気持ちが悪い。
ごめん。


それは
私のベクトルが変わったから。
「ずっと愛されていた」と知ったから。
満たされまくっているから。


父 ⇒ 母
このカップルの矢印は
一生変わらない。


母といると、
必ず父からメールや電話が鳴る。

母は寂しく待つ父を想い
お土産の551をぶんぶん振って走って帰る。
どうか母が一日でも父より長生きしてくれることを祈るのみ。

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いただいたご厚意は、今後の執筆の原動力にさせていただきます。 これからも楽しんでいただける記事を執筆できるよう 精進していきます。 今後とも応援宜しくお願い申し上げます。