哲学_思想書

哲学と思想の違い?


哲学思想、いっけん同じような言葉だが、その違いは何か。

とりあえずネットの「コトバンク」で、「哲学」を調べてみた。

「哲学」の原語はギリシア語のphilosophia-知を愛すると言う意味から来ているらしく、哲学という訳語は西周(にし あまね)という江戸時代の哲学者、啓蒙学者が行った。
愛知としての哲学は諸々の学問の中の1つではなく、本来は人間の知識欲に根ざす根源的活動の1つであった。しかし中世になり神学、そして現代では科学との関係が問題となっている。
それまで形而上学的なもの以外にも自然学を含んでいたが、19世紀から自然科学の急速な発展によって自然学は哲学から独立し、哲学を主に認識論、倫理学、美学の三者で構成する立場が生まれたとのことである。

一方「思想」はどうかというと、一般には感情や意志に対して思考的現象を言うとある。

哲学の思想も、定義をすると何やら難しい言葉が並び、なかなか理解できないが、大雑把に言ってしまうと哲学と言うのは、物事の本質や原理を探求していく、いわば1つの科学的な範疇に属するものであり、思想はまさしくその人の内部における思索活動そのものを言ってるように思われる。

その意味で、哲学は客観的であり、思想は主観的であると夜のかもしれない。

話は変わるが、ほんの少し前「君たちはどう生きるか」言う本が爆発的にヒットした。

この「君たちはどう生きるか」は、吉野源三郎と言う評論家・児童文学者が戦後間もない1948年に書いた書籍を、アニメ版としてリメイクしたものである。

本のタイトルから、読者にそんなに受け入れられるとは製作者側も思っていなかったようであるが、蓋を開けてみれば200万部の大ヒットとなり、現在も売り上げを伸ばしているようである。

この本を哲学書として捉えている人もかなりいるのではないかと思うが、しかし先に書いた哲学と思想の定義からすれば、この本は哲学書ではなく思想書と表現した方が正確だと思う。

私の1人勝手に思っている哲学と思想との違いのイメージは、哲学が1つのテーゼを細分化し、あるいは出来る限り深く掘り下げていく客観的な作業である一方、思想はその人の価値観など主観的な核心が中心にあり、そこから放射線状に様々なものが付帯し、広がっていくといったものである。

自分なりの別の括り方で言うと、哲学はサイエンスであり、一方思想は強いて言えはアートと表現できるかもしれない。

サイエンスてある以上、哲学はある程度多くの人が共有できる普遍性が求められるが、しかし思想はアートでありその人の主観によって成り立つため、普遍性よりもむしろ特殊性が優っていると思われる。

先程の「君たちはどう生きるか」で言えば、100人いれば100通りの生き方があり、答えがある。

つまり人間一人一人は考え方も違えば価値観も違う、個別特殊的な存在である以上、生き方も人それぞれであり「君たちはどう生きるか」は、「まさに唯一無二の存在であるあなたがどう生きるかは、あなた自身にしか決めることができない、だからどう生きるの」と迫る思想の書ではないかと思う。

そしてこの「君たちはどう生きるか」が200万部もの大ヒットになったと言う事は、いまの日本人の多くが自分自身に明確な思想を持っておらず、揺れながら生きているということの反照なのかもしれない。

続く。


※ 表題の写真はYahoo画像より転載させていただきました。



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