たちばなまこと=Tachimako/Mika

◆たちばなまこと 詩人を名乗っています ◆Tachimako/Mika ✴︎パタンナー …

たちばなまこと=Tachimako/Mika

◆たちばなまこと 詩人を名乗っています ◆Tachimako/Mika ✴︎パタンナー ✴︎水彩→Photoshopで柄製作→プリント生地→グッズデザイン製作→Creemaで販売 ◆各所リンクです https://lit.link/tachimakomika

マガジン

  • たちまこポエジー

    詩とポエジー。

  • 永遠の色恋バカ

    色恋の遍歴のような価値観をさらすような赤裸々とも言えなくも無いエッセイ

  • たちまこエッセイ

    エッセイとか、日記とか、雑観とか?

  • 毒親サバイバーの身内になったはなし

    彼は毒親サバイバー。 期せずして彼を猛毒の沼(生まれ育った家庭)から掬い上げることになった私と、付随して次々と起こった色々な意味での奇跡たち。のちに伝説になるかもしれないし、ならないかもしれない。

最近の記事

お日様の詩(2021)

お日様が死んだ 実感など無いのだ 友の声が電波にのって 週末の夜を埋めてゆくが 私も友も笑っているのだ 友の穏やかさに眼球が震えるが 泣けずにいる お日様の佇まいの 沸いた歓声ばかり 細めた目ばかり 笑い皺ばかり 思い出すのだ 隣町のデパートで喪服を新調した お似合いです 綺麗に着れています 透けないですし 衿元も明きすぎなくて 夏は涼しく 冬はあたたかい下着を入れて これから寒くなりますから そんな日はコートを羽織って 販売員は母親と同年代だろうと お日様と同年代だろう

    • あなんすぃえいしょん

      ベランダの窓を小さなこぶしで こんにちは 男の子がふたり 手を繋いで 兄弟みたいに きみたちのことはよく知っているよ 逢いにきてくれたのでしょう 舞い踊る金箔に虹が乱反射するひとすじの光の中 ただ歯を見せて嬉しそうに 向かいの窓から下界を覗くと 石がごろごろと残る土の上に 新しい家々が新しい町として生まれてゆくのが見渡せた 顔を上げれば水平線に 多角形のオパールが幾つものレイヤーを揺らして 歩き出せば 世界は拓けて 拡がっていることを語りかけていた 大きい方の男の子とクリ

      • 永遠の色恋バカ その2〈エッセイ〉

        バービー人形よりもひとつ年上になった高3の春。 同級生の友達、他校のR君からの伝言を受け取ったんだっけな。R君の友達で私と同じ中学だったK君が逢いたがっているから一緒に逢ってくれないか、と。R君の家は溜り場らしく、そこで逢うことになった。K君は中学のときの地味な印象とは違って50%増しくらい垢抜けていた。R君はK君の橋渡し的な役割みたいで、もじもじしているK君の背中を押すようにしていた。告白とかなーんにも無かったのだが 「今度遊びに行こうよ。また電話するよ。な、K」 と

        • 永遠の色恋バカ その1〈エッセイ〉

          幼い頃好きだったお人形はリカちゃんよりもバービーだった。 バービーの方が大人だったから。 リカちゃん11歳、バービー17歳。 バービーのアメリカンなメリハリボディはおませな幼児の憧れだった。6歳の私は悪役を仕立てる。いたいけな17歳をさらう悪い男の人。アジトに拐われたバービーはベッドに縛り付けられて着物を脱がされる。脱がされることだけで卑猥だと認識していた6歳。それ以上知らなくて良かったんだけど。 あの頃は午後2時くらいにTVドラマの再放送なんかをやっていて平気で男女

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        • たちまこポエジー
          9本
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          2本
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        • 毒親サバイバーの身内になったはなし
          4本

        記事

          ミルク

          目を閉じて後ろから 役目を終えてやわらかくなったふくらみ ミルクは血液からつくられるって 知ってた? 静寂に囁くように 窓の隙間 木犀も 姿なんて見たくはないけれど どんな虫かな いくつもいるね そう となりの梅に雉鳩がね たまごを抱いているよ あの子 すごいものを見つけたよって かわいいね 鳩もあの子も 鳩はおなかのミルクで年中繁殖出来るんだってね 私たちなんて年中繁殖行動はするのに お金のこととか考えちゃって大して産まないし 授かれないひとなんかもいてさ かなしいね 烏に

          いとこも、また。

          フィクションである。と、書き記しておく。 彼が毒親育ちなのは何度も書き連ねていて先述のnoteにも3つ記事があるので読んでみたい方はどうぞ。 彼の父親のきょうだいのこども、つまり従兄弟も毒親育ちらしい。私は会ったことは無い。彼が親を諦めて少ししたとき、連絡を取ってきた従兄弟B。親同士があれであるが親戚付き合いを諦めたくないと。 彼はBに誘われては会食をしていた。Bは自分が歳上だからといつも会計を持ってくれたという。年に3.4回会っていただろうか。私も挨拶したいと彼に相談

          毒親サバイバーの身内 03 「親の事を悪く言うのは駄目だ」という気持ちもわかる

          フィクションってことになっています。 ————— すっかり間が空いてしまったが02のつづき。 ネットで見かけた言葉『毒親』、検索を続ける内に『毒になる親』の書籍に出会った。もともと心理学、精神、思想、哲学に興味があったので抵抗なく読めた。もしかしたら、毒親を持つ本人ではなかったからこそとっつきやすかったのかもしれない。 実はその前に『愛着障害』岡田尊司 著 を読んでいた。なんとそれは、彼の父親が家庭で開いていた『勉強会』のテキストとして家庭内に配られたものだった。何故

          毒親サバイバーの身内 03 「親の事を悪く言うのは駄目だ」という気持ちもわかる

          未遂

          透明にされた子どもが 夜の手招きで ラムネを口いっぱい頬張って 闇に漂う星屑になれたら 美しくなれたら くるしくないの 泣かないでいいの 溶けて流れる甘ったるい微粒子に酔いながら 目を閉じた 透明にされたお母さん 透明にされたお兄ちゃん きみもぼくの弟になりなよ 透明なものがたりを教えてあげる 優しい眠りにつけるまで 赤い光線があの人にも届いて 名前を哀しく響かせて 走る靴音に重ねるように白い天使が叫んでいた 洗われた内臓でソーダ水になりながらはじけている途方もないリズム

          命日に寄せて2020

          まずは去年の2月に書いた詩をご紹介。 ————- 『自転車を磨く二月』 熱を持つ塊としてあなたが 私から放たれたとき 無影灯が光を踊るように はじまりを祝し 終わりの予感を打ち消すゲリラの雨が ふたりの輪郭をつよくした 私たちは 神に触れてしまった父親の 行く末を祈って 雨上がりの陽の熱を 真夏に描いて いのちを与え合いながら かたく繋がっていた 生まれる前の自転車を磨いて 父親が好きだった真珠色を知るときも あなたは大人になる 私はあなたを抱きしめたいのだが 手足を

          ひとりそら

          小さな旅の夜に ひとりそらへ昇る 声を飲み込みながら 薄明かりに融ける 想像上でしかない 失いそうな事がらに 哀しくなって なくんだ ひととき舐めあげる 恍惚が蜜のようにからまって もういちど 文学的なまじわり しなやかな身体つきと 珈琲に酔いながら 真昼も忘れて ひかりの乱反射を信じていた 日や くるおしい再会の 静かな部屋に こだまする透明な囁き 伝えたくて何度も 奥のほうが震えた 日も 命の匂いを求めただけ 道を辿る指さきの戸惑いをうち消して 呼びよせる煌めき 記憶を

          下弦の月が見える刻、 それについて張り巡らせた糸を数える

          夜ごはんの後に 息子たちと MVを観ながら歌った しあわせ 忘れるのが怖い 左胸がさざなみ立ったまま 夜の糸を数えている それが 歌になって 世のひとたちに広く愛されていること 少し怖くて それらは まだずっと怖くて あの人がいない夜には 眠れない 命を終えたひとの 痩せてゆくからだが木漏れ日に揺れる姿も 赤ん坊を抱けなくなった手の温もりも 生きはじめたひとの それに向かおうとして痛くてやめた話も 両腕の不規則なひび割れも 刺さったまま螺旋状に行ったり来たり 忙しくしている

          下弦の月が見える刻、 それについて張り巡らせた糸を数える

          ケサランパサラン

          ケサランパサランを抱いた蝉が息絶えている歩道橋 私たちの空がこらえきれず激しく泣き始める夕刻 いつか手渡された時計草が似合うような 液体と気体との臨界を泳いで渡る 東京の、ある夏の日 ケサランパサラン 時計草を投影して 回る あの人が逢いにきてくれた こどもたちに一輪ずつ ぽっちゃりとした指先で手渡された あの日の あの街には時計草があちらこちらに咲き乱れていて 時を止めてくれているような気がしていた 時を止めてくれているような気がしていた 家路を急ぐ歩道橋で息苦しさに再

          未遂

          透明にされた子どもが 夜の手招きで ラムネを口いっぱい頬張って 闇に漂う星屑になれたら 美しくなれたら くるしくないの 泣かないでいいの 溶けて流れる甘ったるい微粒子に酔いながら 目を閉じた 透明にされたお母さん 透明にされたお兄ちゃん きみもぼくの弟になりなよ 透明なものがたりを教えてあげる 優しい眠りにつけるまで 赤い光線があの人にも届いて 名前を哀しく響かせて 走る靴音に重ねるように白い天使が叫んでいた 洗われた内臓でソーダ水になりながらはじけている途方もないリズム

          毒親サバイバーの身内 02 『泣きながら打ったメールに他人から返信が来る』

          01のつづき。 引き続きフィクションということでお願いします。(諸事情が過ぎてすみません) - - - - - 産後に彼の実家(みたいなところ)で過ごす提案は、丁重にお断りした。彼の具合が悪くなるし、長男は無意識に拒否反応を起こしていたから。私も気を遣うから。ならば、出産前後、遠方から実母が来るまでの繋ぎと、実母が帰った後の二週間、母親を向かわせるよと彼の父親からメールが来た。好意は受け取る性分なので、彼とも相談した結果、来てもらうことにした。 私的には不愉快ではない

          毒親サバイバーの身内 02 『泣きながら打ったメールに他人から返信が来る』

          毒親サバイバーの身内 01 「君の家、おかしくない?」

          はじめに、この一連の出来事は諸事情により、フィクションであると書いておく。 諸事情、諸事情。 - - - - - 日本ではまだまだ『子どもを自分の思い通りにしようとしてくる親』程度に知られてきたかしらという『毒親』。 毒親とは、この記事を拾って読んでくださっている人はもう周知だろうが、スーザンフォワードの著書『毒になる親』から付いた名詞だ。 私はここでは(諸事情で)敢えて「彼」と書く、毒親サバイバーであるその人の身内だ。毒親の猛毒攻撃真っ只中にある彼を沼から引き上げ

          毒親サバイバーの身内 01 「君の家、おかしくない?」

          1番目の記事!

          生活も仕事も趣味も楽しくて、散文の優先順位が下がっていたのだが、また書きたくなった。 最近はInstagramかTwitterという比較的読んだり見たりするのに時間を掛けない場所で、日々のポエジーを発していた。 物を書く理由は、一、暇が苦手だから。二、オリジナルを表現することが好きだから。 今は皮膚科に寄った後のショッピングセンターの開店待ちでカフェにいる。そうそう、カフェでアナログで詩を書いたり散文を書いたりしていた。ある意味強制的に、他にやれること無いじゃん?な場所