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たちまこポエジー

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詩とポエジー。
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記事一覧

お日様の詩(2021)

お日様が死んだ 実感など無いのだ 友の声が電波にのって 週末の夜を埋めてゆくが 私も友も笑っ…

あなんすぃえいしょん

ベランダの窓を小さなこぶしで こんにちは 男の子がふたり 手を繋いで 兄弟みたいに きみたち…

ミルク

目を閉じて後ろから 役目を終えてやわらかくなったふくらみ ミルクは血液からつくられるって …

未遂

透明にされた子どもが 夜の手招きで ラムネを口いっぱい頬張って 闇に漂う星屑になれたら 美し…

命日に寄せて2020

まずは去年の2月に書いた詩をご紹介。 ————- 『自転車を磨く二月』 熱を持つ塊としてあ…

ひとりそら

小さな旅の夜に ひとりそらへ昇る 声を飲み込みながら 薄明かりに融ける 想像上でしかない 失…

下弦の月が見える刻、 それについて張り巡らせた糸を数える

夜ごはんの後に 息子たちと MVを観ながら歌った しあわせ 忘れるのが怖い 左胸がさざなみ立ったまま 夜の糸を数えている それが 歌になって 世のひとたちに広く愛されていること 少し怖くて それらは まだずっと怖くて あの人がいない夜には 眠れない 命を終えたひとの 痩せてゆくからだが木漏れ日に揺れる姿も 赤ん坊を抱けなくなった手の温もりも 生きはじめたひとの それに向かおうとして痛くてやめた話も 両腕の不規則なひび割れも 刺さったまま螺旋状に行ったり来たり 忙しくしている

ケサランパサラン

ケサランパサランを抱いた蝉が息絶えている歩道橋 私たちの空がこらえきれず激しく泣き始める…

未遂

透明にされた子どもが 夜の手招きで ラムネを口いっぱい頬張って 闇に漂う星屑になれたら 美し…