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永遠の色恋バカ その2〈エッセイ〉

バービー人形よりもひとつ年上になった高3の春。

同級生の友達、他校のR君からの伝言を受け取ったんだっけな。R君の友達で私と同じ中学だったK君が逢いたがっているから一緒に逢ってくれないか、と。R君の家は溜り場らしく、そこで逢うことになった。K君は中学のときの地味な印象とは違って50%増しくらい垢抜けていた。R君はK君の橋渡し的な役割みたいで、もじもじしているK君の背中を押すようにしていた。告白とかなーんにも無かったのだが

「今度遊びに行こうよ。また電話するよ。な、K」

とR君。

後日R君から“K君のこと教えてあげたいから家に遊びに来てよ”な電話が来る。

あれだ。よく少女漫画で見るやつだ。わかっていても好奇心からお家にお邪魔する18歳。前回も今回もR君の家にはお母さんがご在宅で特に不安も無く。お父さん経営者で裕福そうなお宅だったし。謙遜もせずに書くけれど、モテたのよ、あの頃は。初見では。

R君はバンドマン。ドラムをやっていた。ギターも少しやるみたいで弾いてみせてくれたり。

「やってみなよ」

「こうやってコードを押さえるんだ」

身長は憧れのバービーにはほど遠く149cmの女子の後ろから手をフレットに当てがうという口実で手を触りに触る積極的な男子。そんなに漫画のようなことするー?ってむしろ面白くなってしまって、恋特有の胸がトクンとする感じは無かったものの、自転車で海を見に行った先で告白されたので付き合ってみることにした。

今だから言える。R君は定型すぎて面白かった。・友だちの想い人に横恋慕 ・理由をつけて手に触れる ・少しヤンキー ・車のエンプレムに詳しい ・バンド仲間にお披露目 ・3秒しか持たない

もはや“三秒君(さんびょうのきみ)”と、ジャパネスクっぽく密やかに呼んでいる。書いちゃったからもう公に呼んでいる。

先に書いておくとR君は燃えるような恋の相手では無い。風邪をひいたから会えないと言われこちらは大人しく自宅で趣味に耽っていたのだが、バイト先のちょい年上の女性(日頃からR君に想いを寄せていたとかいないとか)がお見舞いに来てくれたらしく「何でお見舞いに来てくれないの?」と責められ、その女性と付き合うことになったからと振られた。呆気ない終わり。


後日それを聞きつけたK君から連絡が来る。


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