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フェイクニュースに騙されない方法

ご機嫌いかがですか?思考の整理家の鈴木です。

普段、僕は著者としての活動や講演、研修、コンサルなど「思考の整理」をテーマにした仕事をしています。

だからといって、世の中の情報やニュースをうまく整理して「絶対的な正解」を見つけることができるのか?といえば、さすがにそれは難しいです。

なぜなら、整理するだけでは正しい情報(ファクト)が得られるとは限らないからです。

まぁ、この本には一応目を通して置いた方が良いかと思います。「ファクトフルネス」ね。

恐ろしいことに、コロナ禍という歴史的な災難にある状況でもフェイクニュースやデマの類がスマホの画面をのぞき込めばゴロゴロと出てきます。

何が正しい情報で、何が偽情報や価値がない情報なのか・・・。すべての情報にエビデンスをとりファクトチェックするまではできないですしね。

総務省のデータでも以下のような調査結果があるほどです。

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※出典:『ウィズコロナにおけるデジタル活用の実態と利用者意識の変化に関する調査研究(総務省2021)』元データは以下のリンクよりPDF参照(タイトル未設定)

ただし、思考の整理家を名乗っている以上、ここは避けて通れません。

そこで、これを知っておくだけでもフェイクニュースやデマに頭を混乱させられることを少しは予防できるなぁという思考法をご紹介します。

今さらながらと言わないでくださいね。

それは「相関関係と因果関係」なのかをチェックする!ということです。

※今回の投稿ではデータ解析の話ではなく、タイトルの主旨にそって、話を分かりやすくするために単純化してお伝えしますね。

「相関関係」
 : 2つの事柄に何らかの関係性がある
「因果関係」
 : 片方が原因となり、もう片方が結果となる

まずはシンプルにこの意味を理解しておきましょう。

例えば、「景気が良くなると高級商品が売れる」というデータがあったとしましょう。これは相関関係と因果関係はどちらなのでしょうね?

(A)相関関係

冷静に考えると、もしかしたら「景気が良い時に、たまたま同時期に高級商品が(他の理由で)売れた(時期が重なった)」だけもしれません。データ上は相関していますが。

(B)因果関係

もしくは、本当に「景気が良くなったから(原因)、高級商品がよく売れた(結果)」のかもしれません。ただし、これは実証しなければ、正しいとまでは言い切れないのです。因果関係があるっ”ぽい”だけで。

つまり、これは単なる相関関係なのか因果関係なのかを考えた時に、因果関係とまでは言えないものを正しい情報かのように紐づけられると、バイアスに変わってしまって頭が混乱するよね?、勝手な思い込みと決めつけで「バイアス」がかかってしまうよね?という話です。

この辺に関しては、分かりやすく学びが多い以下の本もご参照ください。

ところで、以下のことはどう思いますか?

・健診を受けていれば長生きできる
・テレビを見せると子供の学力は低下する
・体力がある子は、学力も高い
・認可保育所の数が増えれば母親の就業率は上がる
・女性の取締役を増やせば、業績が上がる
・広告を増やせば、売上が上がる?

これらの話は、信ぴょう性がある情報として広がってはいるけど、必ずしも正しくないと思うのです。

もちろん、一部には「相関関係」が出ているものもありますよ。だけど、「因果関係」があるとまでは言い切れないわけです。

広告を増やせば売り上げがあがったのは、相関関係で実績が出てきただけで、実は同じ時期にライバル店が複数倒産していて、一時的に自社が残存者利益を得ただけかもしれないじゃないですか。(単なる偶然:広告の効果とまでは言い切れる確証がない)

このように相関関係だけの情報の表面だけを切り取って勝手解釈することは、情報発信者に仮に悪意がなくても受け手側はバイアスがかかって、混乱してしまいます。

だから、データで示されているからとか、グラフが権威のあるところから発表されているからというだけでファクトとして捉えないこと。その方が安全かなぁという基本的なことでした。

ちなみに、データでも出ている以下の事例は、相関関係だけ?それとも因果関係あり?それともいずれでもない?どれでしょうか?先ほどお話したおすすめの書籍には実に興味深いデータが紹介されていました。

● 地球の温暖化が進むほど、海賊の数が減る
●ニコラス・ケイジの年間映画出演数が増えた年は、プールの溺死者数が増える
●スタジオジブリの映画が日本のTVで放映される日は、アメリカの株価が下がる(通称:ジブリの呪い)
●チョコレート消費量が多い国ほど、ノーベル賞受賞者が多い
●女性医師より男性医師が担当した方が死亡率が高い
●高学歴の母親に育てられた子供は、健康状態が良い
●高齢者の医療自己負担費を下げても上げても、死亡率は変わらない

すべてデータがあるため、データで示されると信じ込みやすい。。。

一見すると、因果関係を持つデータのようなものでも、「単なる偶然では?」「なぜ因果関係があると言い切れる?」「他にもデータに影響する変動要因があったのでは?」と常に「疑いの”問い”」を思考にインストールしておくことが大切です。

とはいえ、「因果関係」を実証することにも限界があります。「実証のためのコストの限界」、「対象者が集めきれない限界」などです。

じゃぁ、どうするの?という感じですよね。

思考を整理した結果、個人的には2つの結論になります。

1.信頼できる情報ソースや人を見極める
2.情報に接しない時間をつくる

1.の見極めは簡単ではありません。信頼できるメディアでも記者やニュースによって信ぴょう性は変わりますから。

人も企業も過去の言動と今の言動が一致しているか(根拠ある修正はOK)、感情ではなく論理で話しているか?、エビデンスに基づこうとしてるか?、変な利害関係からポジショントークしていないか?情報の切り取りをしていないか?

このあたりが僕自身は気をつけてウォッチしている点です。

2.の「情報に接しない時間をつくる」は、裏を返せば「自分の頭で整理し、自分の頭で考える」時間を持つという意味です。

忙しい日々を送っていると、情報を頭に入れるだけに終わってしまいます。その際に、メディア(ネット含む)からは編集(あるいはキュレーション)された情報が流されてきますので、つい鵜呑みするリスクがあるのです。

そこで、じっくりと「情報を自分なりに咀嚼する時間」を持ちましょう!という話です。情報に接する時間の一部でもいいので。

この点に関しても、おすすめの書籍がありますので、ぜひお目通しくださいね。↓

というわけで、相関関係と因果関係に関しての「疑いの”問い”」を思考にインストールこと、信頼できる情報源を持つこと、最後に時には「情報断ち」して自分の頭で考える時間を持つこと。

この3点を試してみてくださいね。

たぶんニュースやワイドショーのコメンテーターの一部をぶっ飛ばしたくなると思いますよ。(^^ゞ

というわけで、今回は「フェイクニュースに騙されない方法」というお話でした。

いかがだったでしょうか?

音声で聴きたい場合は以下をクリックしてお聴きください。

それでは、またお会いしましょう!(^^)/

著者・思考の整理家® 鈴木 進介

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