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すんざんの読書感想文

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感想と解説『スカイ・クロラ』著:森博嗣

感想と解説『スカイ・クロラ』著:森博嗣

 年末年始の時間を利用して本を読もうということで、用意した数冊から一冊目はスカイ・クロラ。事前知識、全く無し。
 即座に二周読んでしまったほど素晴らしい本だった。そのまま本の内容と感想を整理したくなったので、割と詳細に本の内容を自分なりに整理して書いた。ネタバレを多分に含む感想になったので、未読の方は読まないでね。

以下ネタバレあり

世界観

 主人公の一人称視点で物語が進む。主人公はどこかの

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感想『盤上の向日葵』著:柚月裕子

感想『盤上の向日葵』著:柚月裕子

 年末年始に読書をしよう!企画第二弾はこちら『盤上の向日葵』。
 著者の柚月裕子さんは、私の知っている作品だと『孤狼の血』を書いている。
 また、『臨床真理』という作品でこのミス大賞も受賞しているようで、ミステリ好きとしてはこちらもいつか読みたいところ。
 さて、先日、私の好きな漫画家さんの雨がっぱ少女群先生(一般向け名義は雨群先生)が、この『盤上の向日葵』のコミカライズを手掛けていることを知り、

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感想『此の世の果ての殺人』著作:荒木あかね

感想『此の世の果ての殺人』著作:荒木あかね

 本作品は、第68回江戸川乱歩賞(江戸川乱歩の寄付を基金として、日本推理作家協会により、探偵小説を奨励するために制定された文学賞)受賞作であるが、驚くべきは受賞者の年齢で、乱歩賞史上最年少の23歳の著者による本格的なミステリである。

あらすじ

 小惑星「テロス」が日本に衝突することが発表され、世界は大混乱に陥った。そんなパニックをよそに、小春は淡々とひとり太宰府で自動車の教習を受け続けている。

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感想『卍』著:谷崎潤一郎

感想『卍』著:谷崎潤一郎

※ネタバレ注意

あらすじ

 孝太郎という旦那がいながらも、光子という女性に恋してしまった女性、園子。
 処女ながら妖艶な魅力を持つ光子に身も心も嵌っていく。
 しかし、光子には綿貫という交際相手がいた。綿貫は、光子を自分のものにしたいがために、あらゆる工作をして園子との仲を裂こうとし、園子だけでなく、光子も孝太郎も巻き込まれてしまう。
 光子の魅力に狂った人々の末路は。

感想

 昭和3年か

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