Sutra_Studies

仏教経典から得られた気付きをまとめます。 教行信証を読みたいが、恥ずかしながらとても眠…

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仏教経典から得られた気付きをまとめます。 教行信証を読みたいが、恥ずかしながらとても眠くなる、それは引用されている経典の理解がまったくないからだろう・・・というのがこの試みのスタート地点です。 浄土三部経、大乗経典、南伝経典と、特にこだわらず読んでいきます。

記事一覧

固定された記事

情熱の仏、阿弥陀仏②:決意

前回の続きです。阿弥陀仏はどのような想いを持った仏だったのか、仏説無量寿経の偈文を元に探っていきます。今回紹介する偈文は「歎仏偈」あるいは「讃仏偈」と呼ばれるも…

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ぐっと来た言葉たち①源信

非難を受けるというのもまた仏縁であるということを知るべきです。 私が仏への道を得たならば、(非難してきた)相手を導きたいと願う。 相手が仏への道を得たならば、私を…

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1年前
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気になっていること(今後の課題)

今後確認していきたいことをまとめるページにします。適宜更新します。 讃阿弥陀仏偈と和讃:なぜ親鸞聖人は「稽首」を「帰命」に変えたのか 華厳経入法界品 仏性とは何…

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1年前

情熱の仏、阿弥陀仏④:微笑み

前回は「三誓偈」を通じて阿弥陀仏の誓いを見ていきました。今回はこのシリーズ最後となります「東方偈」です。梵文無量寿経では2つの別々の部分に登場する偈文なのですが…

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1年前

情熱の仏、阿弥陀仏③:誓い

前回は「歎仏偈」を通して菩薩だった頃の阿弥陀仏の決意を確認しました。今回は「三誓偈(重誓偈)」を通して誓いに込められた想いを確認していきます。前回とは異なり、「…

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1年前
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情熱の仏、阿弥陀仏①:南無阿弥陀仏とは?

南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)という言葉(念仏)は聞いたことがある方が多いと思います。浄土系?の宗派ですと大抵口に出すのではないでしょうか。ドラマ、アニメ、漫画…

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1年前
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(メモ)ブッダ否定菩薩、二河白道の原形?

今日はメモ代わりに書きますので内容にまとまりはありません。 師子吼(ししく)菩薩まず、師子吼菩薩は素晴らしい行いをしてきた者であり、周囲の人々に対し、彼を敬い、…

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1年前

お肉は食べていいのかい、ダメなのかい、d

南伝の仏典(部派仏教経典・パーリ経典など、とてもざっくりした言い方をすればタイなど東南アジアの僧侶が読んでいる仏典)から入った私にとって長らく謎だったのは、なぜ…

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1年前

毛穴からお経が入ってくる???

いつの日だったか、正信偈をお勤めするのも面白さがあるが、内容もさまざまな学びにつながって面白い、みたいな話をしていたとき、ある方に次のようなことを聞かれました。…

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悟りとはどのようなものか(大般涅槃経)

大般涅槃経(四十巻、曇無讖訳)を読み、気付きを得た部分について書いていきたいと思います。今回は悟りと仏性(仏になる、悟りに至る可能性)に関する二か所です。 是道…

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1年前

韋提希(いだいけ)の願い

前回、以下の記事で仏教経典ではお釈迦様以外の人物の言動と結果をまとめてメッセージとしていることがあるという話をしました。今回は観無量寿経のうち、前回の続きの部分…

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1年前

是旃陀羅(ぜせんだら)の真意

問題点この「是旃陀羅(これ、せんだらなり) 」という言葉は観無量寿経に登場し、たびたび差別的だとして問題視される部分です。旃陀羅とは、チャンダーラ(https://en.wi

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1年前
情熱の仏、阿弥陀仏②:決意

情熱の仏、阿弥陀仏②:決意

前回の続きです。阿弥陀仏はどのような想いを持った仏だったのか、仏説無量寿経の偈文を元に探っていきます。今回紹介する偈文は「歎仏偈」あるいは「讃仏偈」と呼ばれるものです。仏を称える詩ということですが、どのような経緯で詠うことになったのかをまず見ていきます。

経緯については漢文と対応箇所の梵文和訳(中村元氏)を併記し、歎仏偈については梵文無量寿経(藤田宏達氏校定)を私が和訳したものを掲載します。

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ぐっと来た言葉たち①源信

ぐっと来た言葉たち①源信

非難を受けるというのもまた仏縁であるということを知るべきです。
私が仏への道を得たならば、(非難してきた)相手を導きたいと願う。
相手が仏への道を得たならば、私を導いていただきたいと願う。

これを初めて読んだときは思わず声が出たかもしれません。何度も何度も噛み締めたと思います。これこそが仏教徒のあるべき態度であると。どこまでも純粋に仏を目指すものはこのような考え・行動に至るのでしょう。恵心僧都が

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気になっていること(今後の課題)

今後確認していきたいことをまとめるページにします。適宜更新します。

讃阿弥陀仏偈と和讃:なぜ親鸞聖人は「稽首」を「帰命」に変えたのか

華厳経入法界品

仏性とは何か

仏性と阿弥陀仏

アジャセの救済(大般涅槃経)

いただいた信心とはどういうことか

動物(人以外)の成仏

教行信証を読む

報恩とは何か

中論

無量寿経優婆提舎願生偈

浄土論註

安楽集

観無量寿経疏

往生要集再読

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情熱の仏、阿弥陀仏④:微笑み

情熱の仏、阿弥陀仏④:微笑み

前回は「三誓偈」を通じて阿弥陀仏の誓いを見ていきました。今回はこのシリーズ最後となります「東方偈」です。梵文無量寿経では2つの別々の部分に登場する偈文なのですが、仏説無量寿経(康僧鎧)ではこの2つが組み合わされています。
前回、前々回の偈文は阿弥陀仏(法蔵菩薩)が詠っていたのに対し、「東方偈」を詠っているのはお釈迦様です。特に前半部分は説明的ということもあり、阿弥陀仏がクローズアップされた部分を抜

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情熱の仏、阿弥陀仏③:誓い

情熱の仏、阿弥陀仏③:誓い

前回は「歎仏偈」を通して菩薩だった頃の阿弥陀仏の決意を確認しました。今回は「三誓偈(重誓偈)」を通して誓いに込められた想いを確認していきます。前回とは異なり、「正信偈」を「梵文無量寿経」で補足しながら「三誓偈」までの経緯を記していきます。
その後三誓偈を紹介しますが、前回同様私がサンスクリット語から翻訳したものです。

法蔵菩薩の願い「法蔵菩薩因位時 在世自在王仏所」の部分は前回の歎仏偈に対応する

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情熱の仏、阿弥陀仏①:南無阿弥陀仏とは?

情熱の仏、阿弥陀仏①:南無阿弥陀仏とは?

南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)という言葉(念仏)は聞いたことがある方が多いと思います。浄土系?の宗派ですと大抵口に出すのではないでしょうか。ドラマ、アニメ、漫画などでもよく出てきます。比較的最近の漫画でいえば鬼滅の刃でしょうか。有名なアニメですと、となりのトトロとか。

では、そもそも「南無阿弥陀仏」というのはどういう意味なんでしょう。「南」や「無」という漢字が使われていますが、これらの漢字に意味

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(メモ)ブッダ否定菩薩、二河白道の原形?

(メモ)ブッダ否定菩薩、二河白道の原形?

今日はメモ代わりに書きますので内容にまとまりはありません。

師子吼(ししく)菩薩まず、師子吼菩薩は素晴らしい行いをしてきた者であり、周囲の人々に対し、彼を敬い、敬意を持つようにお釈迦様は語りました。そして、次のように告げました。

《そのとき、お釈迦様は師子吼菩薩に告げた
「師子吼菩薩よ、好きに質問してよろしい」》

二人の間でさまざまな問答があるのですが、思わず笑ってしまったのがお釈迦様の回答

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お肉は食べていいのかい、ダメなのかい、d

お肉は食べていいのかい、ダメなのかい、d

南伝の仏典(部派仏教経典・パーリ経典など、とてもざっくりした言い方をすればタイなど東南アジアの僧侶が読んでいる仏典)から入った私にとって長らく謎だったのは、なぜ「肉を食べてはいけない」的な風習が日本に根強いのか、という点でした。

まずはパーリ仏典(ヴィナヤ・ピタカ、律蔵)で肉食について語られる部分を見ましょう。提婆達多(だいばだった)という人物が、仏教教団を分裂させようと、以下5つの事柄(五事)

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毛穴からお経が入ってくる???

毛穴からお経が入ってくる???

いつの日だったか、正信偈をお勤めするのも面白さがあるが、内容もさまざまな学びにつながって面白い、みたいな話をしていたとき、ある方に次のようなことを聞かれました。

「お経は意味がわからないとダメなんでしょうか。聞くだけではだめなのでしょうか。お坊さんから『わからなくても大丈夫、毛穴から入ってくる』と言われたことがあります」

正直「毛穴・・・?」と困惑しましたが、「意味がわからなくてもダメというこ

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悟りとはどのようなものか(大般涅槃経)

悟りとはどのようなものか(大般涅槃経)

大般涅槃経(四十巻、曇無讖訳)を読み、気付きを得た部分について書いていきたいと思います。今回は悟りと仏性(仏になる、悟りに至る可能性)に関する二か所です。

是道一體。如來昔日爲衆生故種種分別。

こちらは巻第十三の言葉です。お釈迦様が悟りを得るための道について語る部分に出てきます。概要としては、以下のようになります。

私は仏道として一つの道を説くことがある、二つの道を、三つの道を、・・・八つの

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韋提希(いだいけ)の願い

韋提希(いだいけ)の願い

前回、以下の記事で仏教経典ではお釈迦様以外の人物の言動と結果をまとめてメッセージとしていることがあるという話をしました。今回は観無量寿経のうち、前回の続きの部分を上記のメッセージの形式を念頭に置いて見ていきたいと思います。幽閉された韋提希(いだいけ)はどうなってしまうのでしょうか。あらすじを見ていきましょう。

幽閉された韋提希命の危機は免れたものの、息子である阿闍世(あじゃせ)王子に幽閉されてし

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是旃陀羅(ぜせんだら)の真意

是旃陀羅(ぜせんだら)の真意

問題点この「是旃陀羅(これ、せんだらなり) 」という言葉は観無量寿経に登場し、たびたび差別的だとして問題視される部分です。旃陀羅とは、チャンダーラ(https://en.wikipedia.org/wiki/Chandala)という通常の古代インドのカーストの外に位置づけられ、不可触民とされる階級です。
前の部分を付け加えて説明すると「汚刹利種。臣不忍聞。是栴陀羅」で、意味としては「(そのような行

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