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歴史小説『はみだし小刀術 一振』第8話 話し合い
宇喜多直家は西大寺、備前福岡を手中に治める形で現在の岡山市東域邑久郡の辺りを吉井川沿いに海まで広く支配下においた。話を少し戻し、乙子城にあって直家が海賊退治を担った時、直家の方法論の一旦となる資料が残されている。資料には宇喜多直家は海賊を平定する為、海賊となった。と少し驚く事が書かれていた。直家の兵が他の兵に比べて異質だったひとつには初期戦力の乙子城において直家が兵を集めていた時その3割ほどは平定
もっとみる歴史小説『はみだし小刀術 一振』第7話 足払い
砥石山城攻略後、宇喜多直家から、備中勢と内通したと指摘された沼亀山城主・中山信正(中山備前守)は、娘を実質的な人質として宇喜多直家の正室として嫁がせ、謀反の疑いを晴らそうとしたが、1559年、宇喜多直家は、備中勢と内通したとする沼亀山城主・中山信正(中山備前守)と、謀反の容疑をかけた砥石山城の西隣にあった高取山城の祖父の仇の島村盛実を同時に落城攻略し誅殺、復讐を果たした。どちらも不意打ちであったと
もっとみる歴史小説『はみだし小刀流 一振』第6話 傾奇者
宇喜多直家はその後、戦国の梟雄と呼ばれることになっていく。たった一人から始まった彼の復讐劇に仲間が多く倒れたのだろう。商人気質の合理性で考えればどんな手を使っても、集団戦に持ち込まない方が犠牲者は少ない。例えば海賊の親玉を屠ってしまえば集団は瓦解する。そんなことを直家は考えたのでは無いだろうか?!経験したのではあるまいか?!筆者は彼の足跡を辿ってみるとそんなふうに思ってみたりする。贔屓目なのかもし
もっとみる歴史小説『はみだし小刀流 一振』第5話 待ち伏せ
乙子城で海賊退治をしながら宇喜多家再興を知った元家臣などの参集・戦力の増強に努めていた宇喜多直家。功績を挙げた初陣の兵力は小者も入れて30人足らずだったという。主君浦上宗景の命により備中勢(三村家、毛利家)と内通した疑いのあった、時の砥石山城主・浮田山和と対立する事となった。念願の砥石山城を奪還するのに実に4年の月日を費やしたと伝わっている。
居てもたってもいられず小文太は夜通し歩き燃え落ちたと
歴史小説『はみだし小刀術 一振』第4話 夜襲
宇喜多直家の祖父能家の城が襲われたのは主君浦上氏の跡目問題による家臣の対立だったと考えられている。一方の有力家臣だった宇喜多能家は夜襲を受け砥石山城落城の際、興家と直家を逃がし散った。宇喜多直家6歳の頃のことであったと伝えられている。
『破門されたのか?!』
父と祖父は笑った。
『一応報告をと思いまして帰りました。』
『わざわざ御苦労な事だな。大工には元々関係ない話だ。』
祖父が貯えた口髭を触り