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お茶の威力。フレイルを予防、改善


📖 文献情報 と 抄録和訳

地域在住高齢者における習慣的なお茶摂取とフレイル移行との関連:前向きコホート研究

📕Huang, Lanhui, Huihe Chen, and Min Liang. "The Association Between Habitual Tea Consumption and Frailty Transition in Community-Dwelling Older Adults: A Prospective Cohort Study." Journal of the American Medical Directors Association 25.2 (2024): 259-265. https://doi.org/10.1016/j.jamda.2023.06.006
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[背景・目的] 中国の高齢者において、習慣的なお茶の摂取とフレイル状態の遷移との関連を調査すること。

[方法] 研究計画中国縦断的健康長寿研究に基づく前向きコホート研究。設定および参加者フレイル状態および茶の摂取に関する完全なデータを有する65歳以上の高齢者23,720人を対象とした。お茶の摂取レベルを評価するために、お茶の摂取頻度と一貫性を導入した。フレイル状態を定義するためにフレイル指数を用いた(フレイルと非フレイル)。フレイルの推移は、非フレイル残存群、改善群、悪化群、フレイル残存群に分類した。ロジスティック回帰モデルを適用した。

[結果] ベースライン時の全フレイル有病率は19.1%であり、毎日お茶を飲む人(12.5%)では低く、飲まない人(21.9%)では高かった。ロジスティック回帰分析によると、すべての交絡因子を調整した後、毎日お茶を飲む人のフレイルリスクは有意に減少した[オッズ比(OR)、0.81;95%CI、0.67-0.98]。

3年間の追跡期間中、フレイル状態の改善は、毎日お茶を飲む継続的飲用者(50.9%)で非飲用者(40.9%)よりも多く、この傾向は、フレイル状態が悪化した参加者(毎日お茶を飲む継続的飲用者:12.2%対非飲用者:19.2%)では逆であった: 19.2%). さらに解析を進めると、お茶を毎日欠かさず飲む人は、フレイル状態の改善(OR, 3.24; 95%CI,1.02-10.31)および非フレイル状態の維持(OR, 1.35; 95%CI,1.00-1.83)と有意に関連していた。

さらに、日常的なお茶の摂取は、男性では非フレイル状態の維持と正の相関を示し、女性ではフレイル状態の悪化と逆の相関を示した。

[結論] 毎日お茶を飲む高齢者は、将来フレイル状態が改善する傾向がある。毎日お茶を飲む男性は、フレイル状態が悪化する可能性が低かった。お茶を飲むという伝統的なライフスタイルを提唱することは、高齢者のヘルシーエイジングを促進する有望な方法である可能性がある。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

習慣とは一面、恐ろしいものだ。
人間を捉え、拘束するような威力を持つことがある。
とある患者さんを担当した時のこと。
その方は、数十年、1日もお茶(緑茶)を飲むことを欠かしたことのない方だった。
しかし、入院中でもあり、緑茶を入手することが困難となり、お茶が飲めないかもしれないとなった時。
あの方の絶望の度合いを、僕は忘れることはないだろうと思う。
結局、その時はお茶を入手することができて、ことなきを得たのだった。

そのお茶にフレイルの予防、フレイルの改善効果があるかもしれない。
今回の抄読研究の結果によれば、毎日お茶を欠かさずに飲むことは以上の効果を有するとのこと。
その他にもお茶は死亡リスクの低減とも関連することを以前の抄読で学んだ(参考note)。
是非とも、お茶を飲むことを習慣にしていきたい。

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