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理学療法学生が将来の職業に期待すること

📖 文献情報 と 抄録和訳

理学療法学科1年生と最終学年の学生が将来の職業に期待すること

📕Nygren-Bonnier, Malin, et al. "First and final year physiotherapy students’ expectations of their future profession." Physiotherapy Theory and Practice 39.11 (2023): 2366-2376. https://doi.org/10.1080/09593985.2022.2075295
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[背景・目的] 学生の将来の職業に対する期待は、専門職としての成長に影響を与える可能性がある。本研究の目的は、理学療法学科の1年生と最終学年の学生が将来の職業に対して抱く期待を明らかにすることである。

[方法] 2006年1年生45名、2014年最終学年生51名の計96名が参加した。それぞれの学期ごとに、個々の振り返り文について、質的顕在帰納的内容分析を用いて分析した。

[結果] 分析の結果、各セメスターから6つのカテゴリーが得られた。
■ 1年生が将来の職業に期待すること
1) 専門的で人を中心に考える
2) 全人的な方法で健康を促進する
3) 能力が患者やセラピストに自信を持たせる
4) 教育と行動変容に重点を置く
5) ロールモデルとして確認する
6) 以前の経験と未知の状況による影響

■ 最終学年生が将来の職業に期待すること
1) 交流と学習
2) 能力による自信
3) 職場環境と知識交換の価値
4) 個人的目標と戦略
5) スペシャリストまたはジェネラリストとしての仕事
6) グローバルな世界における公衆衛生との仕事

[結論] 1年生は、学生は異なる仕事への取り組み方について述べていたが、最終学年生では、どのように取り組むべきかについて述べていた。さらに、1年生は過去の経験をより多く参照していたが、最終学年生は専門的な目標を達成するための戦略を立てていた。これらの知見は、学生の経験と期待に基づく継続的な専門的能力開発の指導に貢献する可能性がある。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

期待というのは、とても大切だと思う。
何を期待するかによって、何に興味を持つかが変わり、
何に興味を持つかによって、どのような情報がインプットされてくるかが変わる。
すなわち、何を期待するかによって、将来の自分が変わってくると信じている。

今回の論文は、1年生と最終学年生において、職業に期待することを調査した興味深いものだった。
主なテーマを見て感じたことは、『最初は漠然とした理想、それが徐々に具体的戦略に変わっていく』だ。
1年生のテーマを見ると、理学療法士として、誰もが抱くような漠然とした理想、が述べられているように感じた。
一方で、最終学年生のテーマは、より個別性をもった、生々しいものに感じられた。
特に、「スペシャリストかジェネラリストか」や「個人的目標と戦略」などは、理学療法士になって10年以上経ついまだって、日々考えていることだったりする。

このような内心の違いがある1年生と最終学年生。
例えば実習生が来た時、1年生と最終学年生だったら、対応を変えた方が良いだろう。
1年生には、全般的な夢や理想像を与えるような内容を、最終学年生にはより具体的な戦略や考え方を伝えるような接し方を。
そして気になるのは、職業人(実際働いている理学療法士)の職業に期待すること、だ。
学生とは違った回答が得られるに違いない。

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