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胸椎骨折の分類。The Four Column theory


📖 文献情報 と 抄録和訳

胸椎骨折の分類:4 Column 理論

📕Aldakheel, Dakheel A. "Classification of thoracic spine fractures: the four-column theory." International Orthopaedics 47.12 (2023): 2907-2915. https://doi.org/10.1007/s00264-023-05778-x
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[背景・目的] 本研究の目的は、解剖学的および生体力学的特徴に基づく胸椎骨折の分類を提示することである。

[レビュー概要]

✅ Four Column Theoryとは?
・Bergが提唱した胸骨-肋骨複合体を胸椎の第4の柱 (Column)とみなした(📕Berg, 1993 >>> doi.)
・さらに、後柱は、後胸椎としての特徴に合わせて、後骨複合体と再定義した。
・前柱と中柱は、Denisが提唱したように定義されている(📕Denis, 1984 >>> doi.)。

■ 2つの胸椎骨折の例;安定 or 不安定

■ 骨折の分類、骨折の特徴、不安定性の段階の定義

この分類は、脊柱に作用する運動と共通する力との関係に基づいている。力学的概念が分類に組み込まれており、動作と力の印加の両方を考慮することで、病態形態学的特徴が導き出される。階層的なランク付けにより胸椎内の骨折の重症度が決定され、各カテゴリーにおいて治療の推奨が提示される。脊椎の第4列は、直接的および間接的なメカニズムを通じて分類に組み込まれている。

[結論] 提案した分類は、簡便性や実用性など、日常診療に役立ついくつかの利点を備えている。動作と力の動的な関係から、骨折のメカニズムをより深く理解することができる。最後に、第4列を組み込むことで、外科的管理の適応が強化される。私たちの知る限り、この分類は胸椎骨折のために独自に開発された初めての分類であり、文献上の重大なギャップを解決するのに役立つであろう。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

椎体骨折の画像解析は、運動器疾患の中でも最も頻繁に行われるものだろう。
そして、その画像解析は、今回の論文を読んだ後においては、ずいぶん『近視眼』的に行われていた。
すなわち、骨折したその部分や、広くてもその椎体に集中して画像を分析していた。

だが、今回の抄読文献を読んで、少なくとも胸椎においては、それでは不十分であったことを思ないわけにはいかなかった。
少し引きでみてみればすぐに思い出すことなのだが、胸椎には『肋骨』が付いている。
そして、肋骨は胸椎をしっかりと固定しているかのようにも見える。
この固定性が存在しているのだ。
ただ骨折部だけの問題ではなかったのだ。

今回の分類を知って、胸骨骨折の画像の見え方が、自分の中では一変することだろう。
その矢状断をみている僕の頭の中には、3次元的な肋骨と胸椎のイメージが渾々と沸いている。
胸骨骨折の画像分析が、1ランクレベルアップした、これは嬉しいことだ‼️

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