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筋トレ最小量戦略。5つの戦略とその効果

📖 文献情報 と 抄録和訳

一般集団における筋力増強のためのレジスタンス運動最小量戦略:概要

📕Nuzzo, James L., et al. "Resistance exercise minimal dose strategies for increasing muscle strength in the general population: an overview." Sports Medicine 54.5 (2024): 1139-1162. https://doi.org/10.1007/s40279-024-02009-0
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🔑 Key points
🔹多くの人は筋力トレーニング(筋トレ)を行っておらず、一般的には時間がないことが参加への障壁として挙げられている。
🔹最小量の筋トレは、一般的に推奨されるガイドラインを満たさず、最小限の時間しか投資しない筋トレであり、今後の健康増進の取り組みにおいて考慮する価値がある。
🔹我々は、5つの最小量戦略について定義し、エビデンスを概説する: 「週末戦士」、「シングルセットの筋トレ」、筋トレの「運動スナック」、「筋力テストの練習」、および「最小限の遠心性筋力トレーニング」である。
🔹最小量戦略は、一般的に筋力と他のいくつかのフィットネスアウトカムを改善するので、筋トレを行っていない個人に推奨できる。

[背景・目的] 多くの人が筋トレに参加していないが、その主な障壁となっているのは、時間がないという認識である。最小量戦略とは、一般的に週あたりの運動量を推奨ガイドライン以下に減らすもので、最小限の時間投資で筋力を向上させることができるかもしれない。しかし、最小量戦略とその筋力への効果はまだ明らかではない。ここでは、最小量のレジスタンス運動戦略を定義し、その特徴を明らかにし、現在筋トレを行っていない個人の筋力に対する効果を要約することを目的とする。

[レビュー概要] 概説した最小量戦略は以下の通りである:「週末戦士」、「シングルセットの筋トレ」、筋トレの「運動スナック」、「筋力テストの練習」、および「最小限の遠心性筋力トレーニング」。

図は5つの筋トレ最小量戦略を視覚的に示したものである。
それぞれの戦略には「週末戦士」「シングルセット」「運動スナック」
「筋力テストの練習」「最小限の遠心性筋力トレーニング」が含まれている。

①週末戦士:週に一度、週末に複数のエクササイズを行う戦略である。週合計運動時間は45~60分である。
②シングルセット:毎週三回、単一のエクササイズを行う戦略である。週合計運動時間は60~90分である。
③運動スナック:毎週五日間、複数の短時間エクササイズ(数分)を行う戦略である。週合計運動時間は約70分である。
④筋力テストの練習:毎週三回、単一のエクササイズを行い、反復回数とセッション時間を最小限にする戦略。週合計運動時間は10~15分である。
⑤最小限の遠心性筋力トレーニング:毎週三回、単一の遠心性筋トレ運動を行う戦略(求心性相の筋動作をなくすか最小にするもの)である。週合計運動時間は1~20分である。

すべてのアプローチは筋力を増加させ、いくつかのアプローチは健康とフィットネスの他の結果を改善する。「週末戦士」とシングルセットのレジスタンス運動は、現在の研究で最も強く支持されているアプローチであり、一方、運動スナックと遠心性最小量は、有望な結果をもたらす新しいコンセプトである。

[結論] 公衆衛生プログラムでは、レジスタンス運動をまったくしないよりも、少量のレジスタンス運動のほうが筋力向上によいとして、推進することができます。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

人間というのは、不思議だ。

「筋トレをした方が健康にいいですから、筋トレをしてください」

そう言われると、全然筋力トレーニングをするイメージができないのに、

筋トレをした方が健康にいいですから、筋トレをしてください。
あなたは忙しい中での筋トレは大変でしょうが、以下の5つの戦略があります。
①週末戦士・・・(上記の説明)
②シングルセット・・・
③運動スナック・・・
④筋力テストの練習・・・
⑤最小限の遠心性筋力トレーニング・・・
この中で、あなたの生活に合った筋トレ戦略を選んでください。

そう言われると、自分の生活の中で筋力トレーニングをしているビジョンが浮かぶのだ。
創造より、選択。
あまりに広い自由度の中で自分で創り出すのは苦手でも、提案されたいくつかの選択肢の中での最善を選ぶのは得意だ。
そういった意味で、今回抄読した論文は、5つの筋トレ最小量戦略を提案してくれた。
この選択肢は、忙しいビジネスマンが日常の中で筋トレをどのように組み込むことに役立つだろう。
とにかく、忙しいのだ、創るより、選びたいであろう。

われわれを人間にするのは、選択する能力である。
マデレイン・レングル (作家)

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