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80%1RMは何回ですか?15~95%1RMに対応する最大反復回数

📖 文献情報 と 抄録和訳

最大反復回数は1反復最大回数のパーセンテージ: 性別、年齢、トレーニング状況、運動のメタ回帰とモデレーター分析

📕Nuzzo, James L., et al. "Maximal number of repetitions at percentages of the one repetition maximum: A meta-regression and moderator analysis of sex, age, training status, and exercise." Sports Medicine (2023): 1-19. https://doi.org/10.1007/s40279-023-01937-7
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🔑 Key points
🔹我々は、約7000人のデータにメタ回帰を適用し、1反復最大値の様々な割合で完了した最大反復回数の表(REPS~%1RMの関係)を更新した。
🔹性別、年齢、トレーニング状況は、REPS~%1RMの関係を明確に緩和しなかった。
🔹したがって、メインモデルの表における平均反復回数と個人間変動の推定値は、ほとんどの個人とほとんどのエクササイズに適用することができる。
🔹負荷スペクトル全体にわたって完了した反復回数は、ベンチプレスよりもレッグプレスの方が多かったため、これら2つのエクササイズについて別々のREPS~%1RM表を作成した。

[背景・目的] 1RM(1レペティション・マキシマム)の様々なパーセンテージで完遂できる最大反復回数[REPS~%1RMの関係]は、レジスタンス・エクササイズ・プログラミングの基礎知識です。現在のREPS~%1RMの関係は、数少ない研究に基づいており、推定に不確実性を取り入れたり、個人間のばらつきを考慮したりしていません。

[方法] 我々はメタ回帰を行い、1RMの様々なパーセンテージで完遂できる反復回数の平均値と個人間の標準偏差を推定した。また、REPS~%1RMの関係が、性別、年齢、トレーニング状況、および/または運動によって緩和されるかどうかも検討した。

[結果] 269の研究から452のグループ、7289人が完了した合計952のrepetitions-to-failureテストが同定された。研究グループは、主に男性(66%)、健康(97%)、59歳未満(92%)、筋力トレーニング(60%)であった。ベンチプレス(42%)とレッグプレス(14%)が最もよく研究されたエクササイズであった。平均反復回数と反復回数の標準偏差のREPS~%1RMの関係は、それぞれ自然三次スプラインと線形モデルを用いて最もよく記述され、平均反復回数と標準偏差は%1RMが増加するにつれて減少した。

■ %1RMに対応する最大反復回数:全般

■ %1RMに対応する最大反復回数:ベンチプレス

■ %1RMに対応する最大反復回数:レッグプレス

ベンチプレスよりもレッグプレスの方が、負荷スペクトル全体にわたって反復回数が多いことが明らかであったため、これら2つのエクササイズについてREPS~%1RM表を別々に作成した。したがって、一般的なメインモデルのREPS~%1RM表は、すべての個人とベンチプレスとレッグプレス以外のすべてのエクササイズに適用することができる。他のエクササイズについてREPS ~ %1RM表を作成するには、より多くのデータが必要です。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

筋力トレーニングの処方変数のうち、運動強度というのは、いつもトップバッターであり、重要事項だ。
だが、その部分において、ずっと引っかかっていたことがある。
それは、「〇〇%1RMって、実際にスポーツ現場や臨床で行う場合、最大反復の何回ですか?」ということだ。
〇〇%1RMという表記は、あくまで研究において有用な指標であって、臨床において有用な指標ではない。

研究と臨床の橋渡し役である、臨床現場で働く理学療法士としては、この翻訳の術を持ちたい。
今回の抄読研究は、その術の1つを提供してくれた。
ベンチプレスとレッグプレスについて、〇〇%1RMに対応する最大反復回数を示してくれた。
この対応表に照らして、「(80%1RMだから)10回反復できるギリギリの重さを設定しましょう」と言える。

これを活用する際に注意すべき点の1つに被験者の特性がある。
今回の研究で束ねた被験者は、主に男性(66%)、健康(97%)、59歳未満(92%)だ。
つまり、高齢者、傷病後、女性などは全く別の数値になってくる可能性が高い。
この対応表が、被験者の特性によるチューニング可能なウェブアプリケーションと出されたならば、僕は飛びつくだろうと思う。

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