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運動スナック。心血管代謝のみならず, がんにも有効かも


📖 文献情報 と 抄録和訳

心代謝系の健康だけでない利点:がん患者およびがん患者以外の人々の転帰を改善する頻繁な高強度「運動スナック」の可能性

📕Jenkins, David G., et al. "Benefits beyond cardiometabolic health: the potential of frequent high intensity ‘exercise snacks’ to improve outcomes for those living with and beyond cancer." The Journal of Physiology (2023). https://doi.org/10.1113/JP284985
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✅ 前提知識:運動スナックとは?
・1日を通して定期的に行われる1分以下の激しい運動
  (≧64%VO2peak, ≧77%HRmax, ≧Borg14)
・例. 階段昇降を1~4時間間隔で行うなど

📕Islam et al. Exercise and sport sciences reviews 50.1 (2022): 31-37.  >>> doi.

[レビュー概要] 高強度インターバルトレーニング(HIIT)は、様々な健康な集団や臨床集団において、多くの生理学的システムにおいて一貫して迅速かつ有意な適応を引き起こすことが示されている。さらに、高強度運動による急性で一過性の反応が、特定の疾患のリスクを軽減する可能性があることについても関心が高まっている。最近の研究では、個別の短時間の高強度運動(「運動スナック」と呼ばれる)がグルコースコントロールと血管の健康を改善し、長時間の運動不足がもたらす心代謝系への悪影響に対抗できることが示されている。この簡単な総説では、運動腫瘍学の文献における前臨床試験から得られたエビデンスを用いて、個人の1日および1週間の身体活動スケジュール全体に組み込まれた、短時間で頻繁に行われる高強度運動が、腫瘍微小環境に一時的な影響を与え、がんと診断され治療を受けている人の健康転帰を改善する可能性があることを述べる。

- Contents -
🔹「運動スナック」が心代謝系の健康マーカーに及ぼす急性影響
🔹がん集団における運動トレーニングとHIIT
🔹運動の急性抗腫瘍効果

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

(以前のSo What?より引用)
名前がいい、これに尽きる。
ずっと、短時間運動の有効性には注目してきた。
だが、知識がぼやっとして散逸していたように思う。
このワードによって、凝集した、結晶化した。

気軽さ(短時間)、美味しさ(効果性)、病みつきさ(中毒性)。
いろんな要素を「運動スナック」の一語で示しうる。
元定義では「激しい運動」に限定されているが、個人内では強度の枠を外して使ってみたい。

✅ 運動スナックの強み
・短時間でできる
・ワークアウト可能性が高い
・習慣レバレッジ(参考note)など他の習慣との組み合わせが容易

今回の論文で、がん患者に対する運動スナックの効果の可能性が言及されていた。
がん患者は、健常者と比較すれば体力が低下しており、長時間の運動には耐え難いだろう。
しかし、運動スナックならば1分間の運動で効果が出せる。
がん患者にとって、画期的な生活への運動の取り入れ方になるかもしれない。

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