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ケイティ・ミッチェルの演出術を参考に戯曲分析をやってみて気づいたこと

ケイティ・ミッチェルの演出術を参考に戯曲分析をやってみて気づいたこと

イギリスを代表する舞台演出家ケイティ・ミッチェルが「演出」をする上で一番大切にしている「登場人物の行動を観客に明確に見せる」ための事前準備、稽古、本番までに使えるツールがたくさん書かれているこの本。

「登場人物の行動を観客に具体的に見せるため」に彼女が事前に行っている準備のツールを参考にわたしもこれをきっかけに「なんとなく」おこなっていた戯曲分析を体系化してみようと思い立ち、岸田國士の「ヂアロオ

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「思考」を読み解く②

「思考」を読み解く②

前回の記事で思考と行動は密接に関係しているということを説明してきました。
「思考」を読み解く|菊池 夏野|note

ここでは、具体的にどう関係しているかについて見ていきます。

行動についてはこちらを参考に。
わたしの演技術②(行動を読み解く)|菊池 夏野|note

エリック・バーンによって提唱されたコミュニケーション理論

人生脚本を提唱したエリックバーンは 「ストローク理論」というコミュニ

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「思考」を読み解く

「思考」を読み解く

演劇研修所時代、役の思考を歩くエクササイズや、
この役はどういう思考をしているのかなど問われることが多かったにも関わらず、わたしとしては思考ってなんだ?とぼんやりしたままだったので、
思考について考えてみました。

思考とは

戯曲には登場人物たちの発する「言葉」で構成されています。
この言葉は、
思考、マインド、思い込み、偏見、価値観、考えていること、信じていること、どんな風に世界を見たり、捉え

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「性格」を読み解く

「性格」を読み解く

人が他人の性格、もしくは戯曲に出てくる登場人物の性格を「おおらか」とか「せっかち」と認識するとき、
それは何をもってそう感じているのでしょうか。

先日、出演した舞台で、もっとおおらかに、と何度もチェックがあり、
自分がもともとせっかちで激しめな性格をしているのでなかなか苦労しました。

思考が言葉になり、言葉が行動になり、それが習慣となり、性格となるのであれば、セリフから登場人物の行動や性格を「

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わたしが読んだ戯曲100選

わたしが読んだ戯曲100選

もうすぐ受験シーズン。
わたしの母校の新国立劇場も、
もうすぐ入所試験だそうで。 

14年前(たぶん)自分が受験生だったころ、
モノローグを1分用意してくださいって記載に、「?」となったのはいい思い出です。

新国立劇場演劇研修所を受験する人はもちろん、演劇始めたいけど何をしたらいいかわからないという人も何かの参考になったらいいなと思って自分が今まで読んできた戯曲を100選、というか思いついたも

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ガラスの仮面から考える演技術

ガラスの仮面から考える演技術

漫画ガラスの仮面の中にこんな場面を見つけてしまいました。

「知ってる?河本先輩恋人がいるんですよ」というセリフを、
「面白そうに」「がっかりしたように」「怒ったように」「いじわるく」言ってみて、
という課題を見事に演じ分けるマヤ。

ガラスの仮面という漫画を読んで女優になったと言っても過言ではないくらい影響を受けているからこそ、
気をつけないといけないな、と思うのですが、

「怒る」「面白がる」

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わたしの演技術③(芝居が上手いはどこで判断する?)

わたしの演技術③(芝居が上手いはどこで判断する?)

あの人は芝居がうまい、あの人は芝居が下手だ、下手だけど存在感がある、うまいけど魅力的じゃないとかって演劇やってるとよく聞くのですが、その判断基準ってめちゃくちゃ曖昧なんじゃないかと思っているのです。

芝居が、演技がうまい下手の判断をわたしはどこでしているのかというのを言語化してみました。

演技をする上での基礎

演技の基礎中の基礎ってなんなんだろう、と考えたときに、
演劇以外でもよく耳にするこ

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わたしの演技術(サブテキストをどう読むか)

わたしの演技術(サブテキストをどう読むか)

新国立劇場演劇研修所を修了して今年で10年になる。
10年、まったく俳優としての仕事がない年もあったけれど、
なんとか演劇からは離れず、やってこれたことは本当にありがたいことで。

10年続けてきたなかで、自分の演じる技術が割と明確化されてきたな、
と感じたので、1度きちんと言語化して人に伝えていくという作業をやったほうがいいかもしれない、と思うようになった。

研修所1年目の時に、栗山民也さんが

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