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アジャイルにコスト管理は必要か?

今回は、アジャイルプロジェクトにおけるコスト管理についての記事になります。

皆さんは、アジャイルのプロジェクトにおけるコスト管理はどのようにお考えですか?私自身、セミナー等で質問をいただくことが多いテーマの1つです。

意外とアジャイルのプロジェクトにおけるコスト管理について疑問のお持ちの方は多いのかもしれません。

今回は、アジャイルのプロジェクトにおけるコスト管理の必要性について解説していきたいと思います。

アジャイルにおけるコスト管理の必要性

アジャイルにおけるコスト管理の必要性

ここで指すコスト管理とは、予算と実績のコントロールになります。

予算がなく、コストをいくらでも費やしてよいプロジェクトであれば、バックログをスケジュール内でやり切れるかどうかを意識し、ストーリーポイントから逆算する程度の管理でアジャイルは成立すると思います。

しかし、殆どのプロジェクトは予算がついて回ると思います。予算がある限り、アジャイルでもコスト管理は必要だと考えています。

これを読まれる方によっては、「そんなの当たり前だ」と思われるかもしれません。アジャイルに関係なくプロジェクトにおいてQCDを意識することは当然だからです。

しかし、このような質問を実際に受けるのも事実です。なぜこのような質問や議論が生まれるのでしょうか。

それは、自社で内製する場合にアジャイルを採用することが多い点にあると思います。

受託開発でアジャイルを行う場合は、コスト管理を自然と行います。なぜなら、「赤字」として端的に悪い状態が現れるからです。

自社開発の場合は、発生したコストがそのまま資産として計上されるため、受託開発のように売上に対する比較ができません。

とはいえ、予算はあります。実績と比較すれば予算とのブレ幅を把握できます。しかし、投資的な意味からコストの融通が良くも悪くも効きやすいということが多いです。

これらが結果としてコスト管理の意識低下を招いているように思います。そして「アジャイルプロジェクトにおいてコスト管理は不要なのではないか」という疑問を生んでいるのかもしれません。

アジャイルにおけるコスト管理の具体例

アジャイルにおけるコスト管理の必要性

自社開発のプロジェクトは、コスト管理の意識が低いこともあり、当初のバックログを期限内に完了することが優先され、コストは青天井、残業は常態化なんていうことが往々にしてあります。

これは健全なアジャイルとは言えません。本来であれば限られた予算とスケジュールの範囲内で対応できるバックログアイテムを実施するべきです。また、残業が常態化してしまうとメンバが疲弊し、パフォーマンスの低下、負のスパイラルに陥ります。

これを回避するためには、常に残りのイテレーション(チームのベロシティ含む)とコストを考慮してバックログの優先順位付けを行い、今後の見通しを立てる(対応可能なアイテムを判断する)必要があります。

これで期限内の対応が難しいと早めに気がつくことができます。また、コストを把握することで残業の常態化を回避できます。

最終イテレーションで対応できないアイテムは、諦める or コスト/スケジュールを追加(※1)し、第2フェーズとして対応するかの2択になります。

POに予算等の決済権限があれば追加自体は簡単な話です。しかし、多くの場合は有していません。上の方に承諾いただく必要があります。

この際、前述のことができていれば、これまでの実績から追加で必要なコストとスケジュールの目安をきちんと上の方にむけて説明することができます。

(※1)部分の補足
コストとスケジュールを必ず2つ追加するという意味ではありません。1つだけの場合もあります。例えばコストに余裕はあるが、スケジュールに余裕がない場合などです。また、スケジュールを追加したくても、追加できない場合があります(残りのスケジュールでやり切らないといけない場合)。この場合、不健全ですが残業前提でコストのみを追加することになります。コストに余裕があるのであれば、残業がどれだけ発生するかを見積もる必要があります(いずれにしても、上の方に状況を分かってもらう意味でコストを管理して把握しておくことは必要です)

コスト管理の必要性まとめ

今回はアジャイルにおけるコスト管理の必要性についての記事になりました。

自社開発は、受託開発に比べてコストに融通が効くという点からコスト管理の意識が低くなりがちです。

しかし、自社開発であっても予算があるのであればコスト管理は必要になります。

なぜなら、スコープとスケジュールの調整が可能になるからです。健全なアジャイルにも繋がります。

きちんとコスト管理を行い、健全なアジャイルを目指しましょう。

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