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【循環の形】♯3 AMARI ゲストハウスは人の港町


ゲストハウスは人が目的地

前回のラジオ「Dual Life Journey」を聞いていただいたとおり、地域で衝撃的な熱量を放つ菊池勇太との出会いのキッカケは、まさに「地域活動をするのであれば彼に会ったほうが良い」という仲間からの助言であった。門司港にある歴史的な遺産、観光地、特産品には目もくれず、まっすぐ「PORTO」に向かったあの日、私の旅の目的地は「人=菊池勇太」であった。これはとてもおもしろいことで、一般的に今「旅行」とは「観光」「リゾート」「地域の特産物」=「消費」が主流になっていて、「出会い」が旅の動機になることはなかなかない。しかし、この地域課題を解決するという人間にとってはゲストハウス自身が目的地、つまり「その人=目的地」になっている場合があるのかもしれない。

人はなぜ、旅をするのか?

旅行とはどこからきたのか。なぜ、人は移動をするのか?なぜ、移動したくなるのか?気分転換?リフレッシュ?傷心旅行?卒業旅行?さまざまな理由がある。しかし起源をたどれば「食糧採集」(生存のため)「納税奉公」(納税のため)「巡礼参詣」(宗教的慣習)「新規開拓」(営業的)などが主流だったのではないか。そう、その旅には明確な目的があった。一方今の時代の旅の目的はリフレッシュ/リセット/新しい経験/新しい価値観に触れ合うなど、多忙な日常の「リカバー/リトリート/リスタート」という「消費」「自分の心身の点検」という位置付けが多くなってきていると感じる。しかし私が思う旅の醍醐味は“出会い”であり「町をよく知る人に出会う」「町の現状を感じる」「町の課題を論じる」。これこそが現代の地方創生の中の新しい目的ではないだろうか。これこそが「関係人口」の原点ではないだろうか。と考えるのである。

今、ただの消費ではない旅へ

AMARIから車ですぐの草野川

さて、滋賀の長浜に話を戻そう。私が買った土地、田畑山林、古民家を、「どんなゲストハウス」にしようかと考えた。門司港のように観光地や観光コンテンツがなく滋賀の戦国時代の城跡、寺社仏閣が多く残る長浜市内からも少し遠く、浅井(あざい)地域・里山にあるもの…。そんな環境で確信的に感じていたもの。それは「余白・余韻」というキーワード。「我々の暮らしの姿=旅の目的地」にできないだろうか?そう考えたのである。地域の方と一緒に営む「田んぼ」、家族2〜3世代で育む「畑」、地域の「山林」から生み出される薪を使った暮らし、そんな「古来日本が営んでいた地域循環の暮らし」をもう一度、見直して、感じてもらおう。このコンセプトこそが「AMARI」誕生の瞬間である。

高級旅館でも、ホテルでもない

AMARI

ゲストハウスは「高級なサービスや最高級な食事の提供」をすることができない。それは、地域の古民家を活用していて、地域の人にもそれができる人材がいない。また、その建物の大きさや設備の仕様にもよるためだ。ホテルや旅館ほど高くなくちょうどいい大きさだが、そこには「どこかホッコリする環境やコミュニティがある」。そんな空間や時間が過ごせる場所がいい。そして、おもしろい人に出会える。AMARIをそんな場所にしていきたい。それは高級ホテルや高級旅館にはできない、ちょうどいい場所。それがここ長浜でゲストハウスを営む意味。そして、ゲストとホストの関係が曖昧で垣根がなく、気兼ねなく、日常の延長線上で忘れていた何かを取り戻してくれる場所、新たな価値観を感じさせてくれる場所。そんな宿にしていきたい。そう、思っている。

ゲストハウスは人の港町

旅をする。そこには、新たな人との出会いがある。その出会いは、あなた自身の考え方や価値観を広げてくれる。ゲストハウスAMARIでは、その体験のお手伝いができればと思っている。AMARIの「ふれて、感じて、広げて」のコンセプトは、そんな想いから出てきた言葉。このゲストハウスでの出会いを楽しんでいただけること、こんな暮らしもあるんだ!と都市にも地域にも良いところがあるんだよという、新しい発見をしてもらえたら嬉しい。そして原点回帰し、また新しい居場所に出かけていく「いってらっしゃい」「おかえりなさい」といえる場所として、ゲストハウスAMARIはいられたら良いなと。そう、ゲストハウスは人の港町。

次回は、杉本の自己紹介その2。ちょっとずつ自分を深掘りしてみようと思います。

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