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変かなわたし

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2019年12月の記事一覧

嫌い

何万回もの「好き」と云う文字の中に

たった一回の「嫌い」の文字が
何時までも 心のざるの目にひっ掛かり

幸せだとか 喜びだとか
感じる事も出来そうな

桃色 ピンクに 膨らみかけた
光の世界を 押し潰してしまう

「一体何が嫌いなんだろ」
「私の何が癇に障るんだろ」と

思い巡らしてみたって
返事が返って来る訳じゃない

からかっているだけなのか
冗談なのか

憎しみだとか 嫌悪感

傷付けら

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過ぎ越し

バタバタと慌ただしくなって来ると
いつもなら 冗談と
笑って済ませる事でも
無性にイラッとしたり
傷付いたりしてしまいます。

そんな時でも
笑い飛ばせるほどの機転がきけば

私の人生
きっと 違ったものになって行くのです。

悪気があって言ったのじゃない
わざと 何か魂胆がある訳じゃない

そんな分かり切ったことに
凹んでしまうのは

私の 度量が小さすぎる為なのだ と
いつも 行き着く処は同じ

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年越し

年越し祭り事も最高潮に達そうとしているのか
街中浮足立って
そわそわと 落ち着かない雰囲気に
包み込まれています

年中行事だから とか
恒例の儀礼的に とかではなく

心から
無事年を越し

新しい年を迎える事が出来る
と云う 恵みを

感謝して 受け取る事が
出来そうな気がしています

本当に
今年はいろんな事があり

心底 大変だった。

そう思う年が
ひょっとすると
毎年やって来ていて

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勢いついで

火事場の馬鹿力と云うけれど

勢いがあれば 意外と
重いものさえ持ててしまったりする

勢いで片付ける事が出来たり

勢いで 何か創り上げたり

勢いは 思い掛けない
その人の力を
生み出すエネルギーを持っているのかも知れない

朝起きて
今日一日を生き抜ける

‟よっしゃ!”と云う様な気合が
お腹の底に溜まる様な

そんな 自分の 効き薬を
見つけておきたいと思っている。

空は晴れて
お日様の

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ローソクに

クリスマスツリーに灯りを燈す

柊を飾り

ローソクを灯し

ケーキに 料理に
グラスにワイン

それでも何処からか隙間風が吹いてきて
心の中を通り抜けていく

しんしんと冷えていく
この漆黒のカーテンの中で

幾つもの灯りや火を焚いても

心が凍えて震えている

けれどもじっと耳を澄まし

ゆらゆら揺れるローソクの炎を見ていると

心の奥の其の奥に

くるくる回るメリーゴーランドに乗って

駆け

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出来るの かも

頭の中が 殺風景になっていく

何から 何を 
どう考え し始めれば良いのか

どんな配置になっていて
どんな風に組み立てていたのか

断片的に思い出し
組み立ててはみるけれど

一度壊れた積み木細工は
決して元通りには戻らない

ガラガラと 崩れてしまった積み木の城を
作り直そうとする 元気も無い

だけど 今ひとつ

積み木を 世界の真ん中に

置いてみる事は出来るかも

そして 新たな世界を

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ふわふわと羽が飛ぶ

羽がふわふわ舞い上がり

私は 陽の光に包まれていく

今も 何時の時も

私は独りではないのだ

自分を許すと言う
大きな課題を抱えて

自分を認め 愛すると言う

最も苦手で 

在る事すら忘れ

置き去りにしていた
大切な宝の箱を

開けてみる時が 来ていると

リンゴンと 鐘が鳴る

どれ程もっと恐ろしく
醜く凍てつく世界でも

どれ程 罵倒
嘲笑されようとも

そんな自分を否定はしない

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生暖かな 風が吹き

この世界に折り重なった
ひとコマひとコマのかけらの中に

散りばめられた 宝石のような
幾千 幾千億の愛と真実が

きらきらと
きらきらと

輝いていて

今も尚
人々は 泣き笑い

肩を抱き合い
手をつなぎ

顔を上げて 生きていこうと

顔を上げて 生きていようと

立ち上がり

倒れても また倒れても

また 立って 歩いて行こうと

している
幾万億の魂の声が

耳元で ざわざわと音を立て

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私への

笑わないサンタが
ネオンサインの端っこの

ビルの角の暗がりに

私を待って 立っている

手を繋いで歩いて行くよ

街の外れの 川辺の草に

座って 空を見上げたら

ああ 満天の星が降る

笑えないサンタはぎこちなく

こわばった口を開いて
何か話そうとするのだけれど

言葉は 音となって
伝わっては来ないんだね

夜が明けると消えている

私独り朝もやの
霧の毛布を掛けてるんだね

笑顔見せ

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ラストダンス

もう泣く元気も無くなって

振り切れそうだった感情の振り子も

止まりかける時が来るんだ

風も吹かないと
そのままに

錆びついて
風化して

いつか 飛ばされて行くような

そんなおぼろなもやの中

日常と言う 魔法の時が
チクタク 時を刻み始める

住み慣れた
慣れ親しんだ 私の時が

また チクタクと秒をよみ
時を刻んで行き始める

感情の外側で

音もなく
回り続ける風景の中に

私も 

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記憶のキルト

母の思考回路の中で

貴方の記憶は止まったまま

「元気にしてるか~」
「大丈夫か~」 を繰り返している

それでも いいと思う

事実が事実として呑み込めなくても

事実が空回りしてきこきこと音を立てても

突然散りじりに降って来た断片を

繋ぎ合わせ 縫い合わせ

母の事実のキルトの布を
しまい込んでも

いいと思う

私も 自分のキルトを紡いでいるのだ

私にとっての貴方の影を

拾い合わせ

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無意味なものが

ただの風景が
額の向こうで 活劇を演じている

もう 私にとって
意味ある事なんて無い気がする

もう 私にとって
関係あるものなんて
無い気がする。

貴方以外に
子供たち以外に

私に意味あるものなんて
何もなかった

私に関係あるものなんて
何もなかった

ただ繰り返す毎日が
空気の様に
其処にあるだけで

私は ただ
機械的に動いているだけで

そして 終わると云う奇跡が
変わると云う慰め

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切符を

賢治さん

貴方は銀河鉄道の

夜鷹の星への切符を手に入れ

乗り込む前の ほんの僅か

悲しみの骨を脇に置いて

最期の炎を燃えつくし

灰となってしまったね

私には
切符を手にする
方法が分からない

何処に行って
どの窓を叩けば良いのか

駅員も
案内のアナウンスも聞こえない

誰もいないプラットホームで
骨を抱えて立ち続けているだけ

もうすぐ
夜行列車は来るだろか

もうすぐ
点滅信号

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黒煙が 渦巻いて ね

なんだ 何も変わってないじゃないの

身体とか
有り様が変わっただけで

いることに
変わりないじゃないの

小さくなった分だけ
何処にだって
いつだって
一緒に行ける。

何も無かったみたいに
住み慣れた 日常の中に

少し変わった
悪魔のような
冷たい目をした
黒い煙が

渦を巻いて
立ち昇っていく

知らない振りして

無いものになったらいいのに

いつまでも
大きくなったり
小さくなったり

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