sugashi-kararine

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イラストレーター&エッセイスト。そして夢幻語りlandの住人 Copyright © 2018- sugashi_kararine All Rights Reserved.

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最近の記事

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僕 愛だったんだ

    • 彼とわたしのー17ー

      私は伝えただろうか。 「愛している」と言葉にしただろうか。 私は嘘偽りなく、子供の頃の気持ちになって 「大好きだよ」と、「愛してるよ」と 心軽やかに謳うように、伝える事が出来ただろうか。 責めて責めて 渦巻く問いに、 何を見ても泣き暮らし、何処にいても涙が流れ、 何を聞いても、言われても、彼を感じる事ばかり。 ほとほと涙も枯れ果てて、日々自分を誤魔化して、 毎日目覚めて、今日も息してる自分を何とか大丈夫に見せかけながら、 1年が過ぎ2年が過ぎた頃、もう一度彼と私がこの土

      • 彼とわたしのー16ー

        ”愛しているよ” それが 彼の遺言だった ”愛しているよ” ただ それだけが 残された言葉だった 他に言葉が見つからない どれ程言葉の海を泳いでも 辿り着くのは同じ岸 他に言葉が見つからない ”愛しているよ”それだけが 君への 僕の全てだった 私は 気が狂っていました。

        • +3

          彼とわたしのー14ー

        僕 愛だったんだ

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        マガジン

        • 彼とわたしの
          19本
        • 変かなわたし
          573本
        • 23本

        記事

          彼とわたしのー15ー

          「よく我慢できるね」と誰もが言います。 「何も言えないのか」と憐みの目線で問いかけます。 彼と私の両親は、開いた口をふさぐのに懸命でした。言いたい事は山ほどあるのにぐっとこらえて援助してくれたのです。 私は鈍感なのかノー天気過ぎるのか、立ち止まって考える隙も無さ過ぎたのか、「我慢している」感はあまりなかったのです。 確かにつらかったり、いつもぎりぎりで、安定などとは程遠い生活の連続に振り回されてはいたのです。 でも、私は彼と出会った初めからスッピンのままでいられたのです。

          彼とわたしのー15ー

          彼とわたしのー13ー

          そうして始まった新たな生活パターンは、サラリーマン家庭に育った私には異質なもので、 四六時中パートナーが同じ時間帯の中にいると云った閉塞感に暫く馴染む事は出来ませんでした。 それでも兎に角始めたからには、何とか生活出来る様にならなければならない。 彼は言い出した責任感もあってか、「売れる作品」を研究し始め、手探りで造りながら、 私も一緒に店を探し回り、話をつけては店に卸す。と云ったサイクルを作り、また新たに店を探すと云った、次々とやって来る課題をこなして行くことに、やっとの

          彼とわたしのー13ー

          彼とわたしのー12ー

          「捨てる神あれば拾う神あり。」 幸いにも庭付きの平屋一軒家を見つける事ができ、 喜び勇んで早速のお引越し。 仕事も派遣社員ではあるけれど、一応定期的に”お給料”が入って来る様になりました。 何とは無く、「家族ってこんなものかな」と思い始めた頃、 またしてもの爆発宣言が、「陶芸で生活を立てる」と言うのです。 それまで土に触った事も無く、商売など”焼き芋”以外した事も無い彼と私です。 しばらく陶芸教室に通い、自立することを前提にノウハウを教えてもらうと言うのです。 彼はサ

          彼とわたしのー12ー

          彼とわたしのー11ー

          兎に角会社を辞めたからには社宅を出なければならない。 急遽実家近くの叔父の家の一角にある、倉庫に転がり込むことになりました。 驚いたのは双方の両親達で、彼の親が飛んできました。 けれどももう後の祭り。しっかりお叱りを受けた後、 一刻も早く落ち着ける家と職を探すと云う事で、 開いた口の塞がらぬまま帰って行きました。 叔父は別に本家を持っていて、 ここは住まいと、すでに閉じてしまった喫茶店、 それに付随する倉庫がありました。 料理は元喫茶店部分に出張し、喫茶店気分を楽しんで

          彼とわたしのー11ー

          彼とわたしのー10ー

          私は12時間もの陣痛の痛みにうめき叫び、 看護師に飽きられながら分娩室に引きずられ、何と云う壮絶な痛みに、頭の血管が切れてしまいそうになった後、 生まれて来た小さな小さな命でした。 私の中からもう一つ、手もあり足もあり動きさえする生き物が 生まれ出て来た奇跡。 私の腕の中で、温かみさえ感じる人間の形あるものとして存在していたのです。 これ程の不思議な体験は 一気に私を変える力があった様で、 その後、私の中に鉄骨の様なしたたかさが育っていってしまったのでした。 出産後は「

          彼とわたしのー10ー

          彼とわたしのー9ー

          彼と私は結婚する事に決めました。 慣れ親しんだ家を出て、親、姉妹の元を去って行く。 望んでいた事なのに、私はマリッジブルーなるものに とらわれていました。 「これでいいのか?後戻りできないぞ!  後悔しないのか?決めていいのか?」・・・ 彼の両親は喜んで、「早く結婚しなさい」の一言。 私の両親はと云えば、不安要素一杯の渋々の承諾でした。 そんな中で、ばたばたと確実に日は経ち、結婚式当日となり、 彼と私は「結婚の契約」にめでたく印を押したのでした。 そうして始まった新生

          彼とわたしのー9ー

          彼とわたしのー8ー

          彼は職探しが日課となっていました。 少し条件の良い仕事があれば 転々と、ほぼ1週間単位で職を変えていました。 配達業から始まり、部品の組み立て、 加工食品の製造・梱包、中古家電の清掃に 漬物・惣菜作り補助、弁当屋にスーパーの荷入れ等々数知れず、 そしてその合間に内職を始めてみたり 自らアクセサリーを作り、カバンに詰めて売りに出たり、 もちろん私も同伴である場合が多く 多種多様な”アッ!”と驚く裏舞台を 垣間見たりしたのでした。 その後何処で目にしたのか”焼き芋バイト

          彼とわたしのー8ー

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          彼とわたしのー7ー

          彼とわたしのー7ー

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          彼とわたしのー6ー

          彼とわたしのー6ー

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          彼とわたしのー5ー

          彼とわたしのー5ー

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          彼とわたしのー4ー

          彼とわたしのー4ー

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          彼とわたしのー3ー

          彼とわたしのー3ー