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松本山雅への想い

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山雅サポをやっていて思ったことを綴っています。 個人のもの、寄稿どちらも纏めています。
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記事一覧

スタジアムの中心で愛を誓って

スタジアムの中心で愛を誓って

どこかで言葉に残そう、と思い続けているうちに次のシーズンが開幕してしまった。

2023年、あっという間に駆け抜けてしまって振り返る暇もなかった。

私がいま立っていられるのはサッカーがあるからだと、噛み締めるように毎年言葉をつづっている。
松本山雅FCが私を社会へ繋ぎとめて、明るい方向へと道をひらいてくれた。
勝手に依存して、勝手に助かって、勝手に感謝しているだけなのだが、それは私が人生を生きる

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わが愛する田舎の、泥くさいサッカークラブへ

わが愛する田舎の、泥くさいサッカークラブへ

「松本って、どんなところ?何があるの?」

愛する松本市。その魅力がわからない。
中信地域に暮らして、ときおり出たり入ったりしながら30年近くになる。それでも、この街の何がいいのか本当にわからない。何を愛しているのかも、わからない。

めぼしいテナントがないので、流行りものは都心まで買いに行く。新宿までは特急あずさで片道約2時間。おなじみアルピコ交通の高速バスなら片道約3時間かかるけど半額で行ける

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愛するクラブへの情熱が冷めるとき

愛するクラブへの情熱が冷めるとき

分からないなりにサッカーを見続けて6年が経った。

沼があれば頭から飛び込んで、息継ぎをする間もなく最深部までたどり着くような愛し方を、サッカーに限らず毎度繰り返している。

文字通り何も分からなかった2017年、狂ったように毎週DAZNにかじり付いていた。
2018年はシーズンパスを契約し、ますます狂ったように毎週ゴール裏へと通っていた。
2019年はJ1のアウェイにたくさん行った。そうそうたる

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「誇り」を失った日

「誇り」を失った日


戦え山雅 この街の誇り 気持ち見せろ勇者たち
ゆけ山雅 どんな時でも 俺たちがついてるぜ

ゆけよ ゆけよ ゆけよ山雅
俺の 俺の 俺の誇り
ゆけよ ゆけよ ゆけよ山雅 俺たちの声を受け

ゆけ ゆけ ゆけ

戦え山雅 この街の誇り 気持ち見せろ勇者たち
ゆけ山雅 どんな時でも 俺たちがついてるぜ


“この街の誇り”とはいったい何だったろう。

蹂躙されたのでもなく、力ずくで奪われたの

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「篠ノ井の合戦」に向けて

「篠ノ井の合戦」に向けて

欲しいのは勝ち点3ーーだけでは済まない。

好きこのんで戦に赴く人間などそうそういない。だが、勝者が往々にして正義であるのは歴史の常だ。

なんのために戦うのか?

それは「義」を守るため。自分自身が信じるものの「正しさ」をつらぬくため。

避けて通れるなら争いなどしたくはない。
嫌いな者が隣に居たとて、「あっち」と「こっち」で明確に線がひかれていれば、睨み合いこそすれ手が出ることはない。それが大

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「パルセイロを好きになりたい」

「パルセイロを好きになりたい」

はじめに。

これはただの一個人の見解を書き殴ったページであり、賛否両論どころか否が大多数かもしれませんが、黙って脳みその中で燻らせるよりは吐き出して可視化してしまったほうが何か得られるものがあるかもしれない、と思って書き残すものです。
ゴール裏で声を張りながらこんなことを考えている奴がいるのかよ、とか、いやいや何も知らないくせに何を言ってんだよ、と叱られることも覚悟のうえで、思い切って言語化しま

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「どんな時でも」と歌いつづけて夢を叶える

「どんな時でも」と歌いつづけて夢を叶える

苦しいときに私は、わざとピッチを見ていない。目を閉じて、ただ歌い、手を叩く。
だから、実を言うと今シーズンの試合内容をほとんど覚えていない。

アルウィンで歌いつづけるために、ストレスを受けそうな内容は直視しないことにした。
サポーターらしくない、と言われてしまえば、反論はできない。

そうしてさえ、気分の乱高下がとても激しいシーズンだった。

それも次節で終幕する。そして、来年もまた私はここに立

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敬愛する田中隼磨選手の現役引退に寄せて

敬愛する田中隼磨選手の現役引退に寄せて

2017年、私が初めて買ったユニフォームの背番号は「3」。

その足でレアルスポーツからかりがねサッカー場に直行し、タグも切らないままのそれを差し出してサインを求めた。いま買ってきたばかりなんです、と口をついていた。

「まじですか。素晴らしい」

いまにも降り出しそうな曇天だった。ファンサの待機列に並んだ記憶がないほど、その日の見学者はまばらだった。嫌な顔ひとつせずに足を止めて、手慣れた様子でま

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ゴール裏の中心で愛を叫ぶ~声出し応援検証で山雅サポが恋心を取り戻す話~

ゴール裏の中心で愛を叫ぶ~声出し応援検証で山雅サポが恋心を取り戻す話~

なぜ私は、歌えないゴール裏に通い続けているのだろう。

かつては毎週おとずれるその時間にすべてをささげ、私は松本山雅FCに狂っていた。
現地から帰ってはDAZNをつけて、余韻が冷めないうちに観てきたばかりの試合を再生した。選手ひとりひとりのプレーに何度も胸を焦がし、実況を聴くだけでどの試合か分かるほどだった。
寝ても覚めても山雅のことを考えて暮らしていた。

それが今はどうだ。
選手の背番号はちっ

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山雅が観たくて生きている。いちサポーターの私が、松本山雅FCで救われた話

山雅が観たくて生きている。いちサポーターの私が、松本山雅FCで救われた話

まずはお知らせをいたします。

信州のフットボールを追いかけて、OWL magazineの皆が旅をした本が、いよいよ発売されました。

「埼玉編」に続くのは「長野編」ではなく、「信州編」。
そんなところにも、こだわっています。

他県の方々からは United States of 信州 などと揶揄され、地域で全く文化の異なる、我らが長野県。
その魅力が、どこか一ヶ所に偏ることなく伝わるように、OW

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知識は無くとも恋には落ちる。松本山雅FCサポーターの情熱、サッカー知識ゼロの私を狂乱させた夢の世界

知識は無くとも恋には落ちる。松本山雅FCサポーターの情熱、サッカー知識ゼロの私を狂乱させた夢の世界

この背中を越えて、更なる頂を目指せ!!

初めましての方も、そうでない方も、こんにちは。薄荷(はっか)と申します。
サッカー知識ほぼ無し。ただ愛と勢いで、地元である信州松本のフットボールを追い求めていたところ、この度なんと憧れのOWL magazineにて書かせていただけるという運びとなりました。

当記事は所信表明ということで、自己紹介を兼ねた内容になっております。

読みたいのはサッカーのこと

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ともに頂を目指したい

ともに頂を目指したい

こんなに強く思うのは初めてだ。

来年もまた、いわきFCと戦いたい。あたたかくて逞しいサポーターたちに、緑色のユニフォームを着てまた会いに来たい。

赤は、強い色だ。美しく深いKINGレッドは、燃えたぎる心を秘めつつ優しさを湛えた、人々の情熱を映したようだ。このクラブにとても似合っていると思った。

昇格争いとは、負けられない戦いだ。
たった二つしかない椅子を巡って、今年のJ3では18のクラブがし

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さあ往こうぜ緑の友よ

さあ往こうぜ緑の友よ

いつもは黒いサマーユニフォームを着るのだが、明日は絶対に緑だ。タオルマフラーはどれにしようか。『山雅が好きだから』のフレーズは、もっと違う日に出したい。『雷鳥は頂を目指す』の文言も、今じゃない感じがする。やっぱり緑に白文字で「yamaga」のロゴが目立つ、今年のものが良さそうだ。

というわけで、北アルプスの稜線がデザインされたタオマフを丁寧に筒状にしてバッグにしまう。これを巻くのは篠ノ井駅で電車

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『教えてやれ、俺らが信州』

『教えてやれ、俺らが信州』

私はこのチャントをまだ歌ったことがない。

5/8(日) 14:00〜 長野県サッカー選手権決勝戦 
松本山雅FC vs AC長野パルセイロ

私にとって初めての“信州ダービー”は、否応なしに雌雄を決する戦いとなる。

その詳しい歴史については、シンさんの記事を御一読いただきたい。

こういう歴史を教えてくださる大先輩の存在を、本当にありがたく思う。

浅学なままで知ったような口をきくのが嫌だった

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