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「イノベーション統一理論」⑩~「現場戦闘力」を示した「ジョブ」探索におけるALI(Active Listening Interview)とCASの圧倒的パフォーマンス
イノベーション商品の開発に生涯を捧げられた梅澤先生や油谷先生の1つの偉大なところはその方法論としての「インタビュー調査」の理論・手法開発を同時に進行させておられたところにあります。すなわち現場での実現手段を具体化させておられたということです。
両先生ともに、質疑応答ではなく対象者の自由で自発的な発言・ディスカッションがインタビュー調査の本来あるべき姿であるとされておられたのですが、その意味合いを
「イノベーション統一理論」⑩~「ジョブ理論」と「CAS理論」~「ニーズ」から考えると「ジョブ」の理解が圧倒的に高まる
さて、ブルー・オーシャン理論からは離れ、今回からはクリステンセンの「ジョブ理論」について論じていきたいと思います。
以下は「ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム」(2017、クリステンセンら、ハーパーコリンズ・ジャパン)を参考にジョブ理論についての私なりの説明・解釈を生活工学及び梅澤理論(CAS理論)の観点から試みるものです。
ジョブ理論は当初にも触れましたように「生活価
「イノベーション統一理論」⑨~「ブルー・オーシャン理論」と「NOHL理論」のプロ・コン〜NOHLの広大無辺性とダイナミズム
「ブルー・オーシャン理論」と「NOHL理論」のプロ・コン
今をときめくブルー・オーシャン理論に弓を引きたいわけでもなく、また、否定したいわけでもなく、その意思、目的は尊重したいのですが、前回までの検討のように「高度成長は終わった」時期から21世紀初頭までの間に「世界に冠たる」イノベーション国家であった日本で誕生しその後も熟成されてきたイノベーションの理論・手法にはブルー・オーシャン理論の追随を許
【緊急告知】ウェビナー開催について
いつもご高覧いただきありがとうございます。
勤務先にてイノベーションに関するウェビナーを実施することになりました。当noteにては現在理論編が進行中ですが、ウェビナーでは私たちがクライアントと一体となってイノベーションを「開発」している現場の様子や実事例を生々しく紹介する場面があるかと思います。
参加は無料ですのでご興味のある方は是非ご視聴ください。
尚、同業者の方は基本お断りしておりますが
「イノベーション統一理論」⑧~「ブルー・オーシャン理論」と「NOHL理論」の対比及び統合
表裏の関係にあるNOHL理論とCAS理論はすでに統合されており、ブルー・オーシャン理論とCAS理論も前回のように統合できることを示しました。故にこの2つの理論も統合できるはずです。
この2つの理論は共に 「商品価値」観点です。すなわち「表裏」の関係ではなく「類似・同類」の関係となります。今回はその類似性と差異性を検討した上で、相互に補い合えるかという観点でこれらの理論の統合にアプローチしてみたい
「イノベーション統一理論」⑧~「ブルー・オーシャン理論」を「CAS理論」で解き明かす
前回ご説明したイエローテイルの戦略キャンバス・価値曲線です。原典に掲載されているものにビール・カクテルドリンク業界の価値曲線を追加したものです。
「油谷・梅澤統合理論」でこの戦略キャンバス・価値曲線を説明できるかが今回のテーマですが、つまりは、「CAS理論」(梅澤)と「NOHL理論」(油谷)にこの戦略キャンバスが整合しているのか、それぞれの理論でこのイエローテイルが説明できるのか?どう説明される
「イノベーション統一理論」⑦~「ブルー・オーシャン理論」(キム&モボルニュ)とは?
「ジョブ理論」「ブルー・オーシャン理論」のどちらから入ろうかと迷いましたが、まずはより知名度が高いと思われるブルー・オーシャン理論の紹介から入ることにします。以下は「新版 ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する」(2015、W・チャン・キム/レネ・モボルニュ、ダイヤモンド社)からの引用を主として、私なりの理解・解釈も加えたものです。
ブルー・オーシャン理論は当初にも触れましたように「商
「イノベーション統一理論」⑥~「イノベーション」とは何か?「ブルー・オーシャン」はどこにある?
調査目的の「競争力の判断」について前回の記事に多少加筆をしています。
今回は予告通り、この内容で説明をすることにします。
NOHL理論と油谷先生の活動の歴史的経緯を振り返ると、晩年には先生は「生活行動分析」と「生活心理分析」をあざなえる縄のように統合された「内在的生活連関構造分析」(ILRSA)というものに取り組んでおられました。これは簡単に言うと「風が吹けば桶屋が儲かる構造」で何がしかの出来事
「イノベーション統一理論」⑤~「NOHL理論」と「ニーズの系統発生理論」は表裏一体であった!
今から6~7年前のことですが、ある自動車メーカーから「5年先に発売予定の自動車のデザイン評価」が可能か?というお題を頂きました。当時検討されていたあるカテゴリーの自動車のデザイン案が5年先の市場で競争力を持つのかを判断するというのがマーケティング課題です。これはとてつもなく高度な調査です。当然ですがこの5年間に市場も消費者も変化するからです。「5年先に買うとして、最も望ましいと思うデザインをお選び
もっとみる「イノベーション統一理論」④~潜在ニーズの「創造」と「生活変化」~「CAS理論」と「ニーズの系統発生理論」
ある生活行動をとるにあたってには必ず何らかの「葛藤」や「問題」が伴います。これはほとんどが意識されていませんが、モノを買うには出費との葛藤があり、カテゴリーやブランド選択の葛藤があります。Doレベルでは「やるかやらないか」の葛藤や、とり得る複数の行動間の選択の葛藤もあります。また、必要となる「手間暇」との葛藤や、「疲れる」といった生理問題との葛藤。あるいは行動に伴って生じる感情的な葛藤や、他者から
もっとみる「イノベーション統一理論」③~応えるべきニーズの特徴=「未充足ニーズ理論」(梅澤)
社内報でNOHL理論に触れてから油谷先生と実際に面識を得るまでの間に、私は梅澤先生と非常に密接な師弟関係になっていました。一言で言うと「私設かばん持ち」で梅澤先生の講演・セミナー、研究会、コンサル先などにほぼ「追っかけ」のようについて回ったのです。今の会社組織では考えられませんが、当時私は上司から「出社に及ばず」、「出張費使い放題」という「特権」を手に入れていました。そのキッカケとなったのは、先生
もっとみる「イノベーション統一理論」②~商品価値の方向性=「NOHL理論」(油谷)
検証プロセスの紹介についてどの理論から入っていこうかと迷いましたが、まずは、私が最初に触れた油谷理論からにしたいと思います。今やこの理論をご存じない方が大半だと思われますのでまずはその説明から始めたいと思います。
油谷先生は大学院で心理学を学ばれた後、外資系の製薬会社などでマーケティング実務に携わられてからインタビュー調査と商品開発の専門家として独立され昭和から平成にかけて活躍された実務家です。
「イノベーション統一理論」①~初めに
実務が忙しかったためにちょっと間が空いてしまい何を書いていたのか忘れてしまったところもありますが、要は「企業側には潜在している意識マトリクスの『生活者の生活領域』(C/S領域)にこそイノベーション(S/S領域)のヒント、潜在ニーズ洞察のヒントがある」ということではなかったかと思います。そして『ブルーオーシャン』とはこのS/S領域における『イノベーション』によってうまれる新市場に他ならないということ
もっとみる当たり前だが、すなわち「イノベーション」のためには「ニーズ」を知ることが不可欠であるということ
前回の記事に対して「潜在ニーズとは何か」というご質問を頂いたのですが、一言で言うとそれは人の心の奥底に生得的にある、あるいは遺伝情報としてあるであろう本能と言ってもよいものです。一般化すると「幸福な人生を送りたい」という欲求は誰しもが形は違えども持っているものだということです。マズローはそれを5段階プラス「自己超越」という観点で説明し、師匠の梅澤は「幸福追求の10大基本ニーズ」という観点で説明しま
もっとみるイノベーション〜実際の成功率と感じるリスクのパラドクス及びその回避法
師匠の梅澤先生は新市場創造型商品(MIP)の成立要件として以下を挙げておられます。
①CPバランスが良い
~買う前に欲しいと思わせる力=C(商品コンセプト=期待感の喚起力)が強く、買った後に買って良かったと思わせる力=P(商品パフォーマンス=満足感の喚起力)も強い。
②未充足の強い「ディファレントニーズ」に応える
~「ディファレントニーズ」とは消費者の「生活上の問題」を解決し「生活変化」を起こ
イノベーションを阻害する組織を意識マトリクスで明らかにする
最近、企業人対象の「イノベーションとマーケティング」に関してのアンケート調査を行いました。その中で企業におけるイノベーションの阻害要因として企業人がもっとも意識している課題は技術でも販売でもなく「組織」と「リーダーシップ」にあることが明らかとなりました。
クリステンセンは「イノベーションのジレンマ」の中で破壊的イノベーション※を生む新事業への取り組み方として、①「買収」②「新組織」③「独立組織の