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このまちの大人図鑑 Vol.3 ◀挑戦する勇気が、今を創り・未来をつくる▶

「Humme・OHAUL」      松澤秀邦さん

 こんにちは、高尾野中学校ボランティアクラブ「×α」(プラスアルファ)です。
「このまちの大人図鑑」の活動の3回目として、「Humme・OHAUL」などを経営している、松澤秀邦(まつざわひでくに)さんにインタビューをさせていただきました!

東京から移住されてきた松澤さん。パン屋、フリーランスなど様々な仕事を掛け持ちされています。今回は、その秘密を探るためインタビューをしました!ぜひご覧ください!


◀仕事のこと▶

質問…Humme(ハム)というお店の名前は、食べるという意味なんですか?

回答…そうです。Humme。草をはむとか、そういう感じのところからとって。意識してではなくて、本能的に食べるみたいな、パンもそんなふうに食べてほしいなと思って、そこからHumme。H u m m e 当て字ですね。

質問古民家をリノベーションしたのはご自身でされたんですか?

回答…そうです。妻のお父さんが 大工仕事が趣味で、色々道具とかを持っていたりして、少し教わりながら。もうちょっと簡単かなと思ったんですけど、いざやってみたら破壊し尽くした後に呆然とする。YouTube見ながらやりましたね。

質問OHAULの名前の由来はなんですか?

回答…例えば時計とかを全部分解してメンテナンスして組み立てるっていう意味のoverohaulという単語があって、そういう一個一個一つ一つをばらして見つめ直して1個の新しいものを作り上げることをしたいと思って、OHAULっていうふうに名付けました。

質問仕事のやりがいはなんですか?

回答…パン屋の方は、作って、それを直接お客さんに渡して、おいしいと言ってもらえるのが一番のやりがいで、楽しいことです。大きなパン屋では、自分で作るけどお客さんには直接は渡さないですし、レシピとかも、お店で働いている立場なので自分で考えたものじゃないんですね。でも、全部自分でつくって、できたパンをお客さんに渡すと、その分大変ではあるんですけど、全然面白さとか楽しさとか、何倍も違うなってなる。それが一番のやりがいだと思います。

質問パンづくりで大切にしていることや気をつけてることがありますか?

回答あまり手を入れないことですかね。都市部とかだと豪華なケーキみたいなパンとかありますけど、作ろうと思っているのはできるだけ食材そのままの味を生かすような物です。
 例えば少し乾燥させてパンに混ぜ込んでいたりとか。パンに入れる上で加工はしますけど、何か複雑なことはせずに、その食材の味を感じたり、この食材をこういう風に食べることもできるんだとかを知って、更にこの辺の食材に興味を持ってもらうというか。この辺のものを使うことは大切にしてる

質問大変なこととかありますか?

回答…他の仕事もあって、パンも結構1週間くらいかけて仕込みをするので、暇ではないですけど、大変だなということ、そんなにないですね
 逆に、ずっとパン作っててもしんどいですね。一ヶ月ずっと作ってろとかと言われたら、やっぱり嫌になっちゃうこともあって、気分転換にもなりますし、複数の仕事をするっていうのがメリットの方が多いかなと感じてます


質問複数の仕事を一緒にしようと言うのはいつから考え始めたんですか?

回答…最初エンジニアとして東京の会社で働いててたんですが、色々思うところがあり、パン屋に転職して、最初はパン屋だけをやろうと思ってたんですよね。
パン屋で働いてるとアナログでやってることが多くて。例えばタイムカードとか、世の中では自動で計算されたりするものも沢山あるのに。実際に働いていたときにパン屋とは違うんですけど、こういうのありませんかみたいなことをやって、今まで培ってきた自分の経験が役に立つ部分があるなっていうのをそこでちょこちょこと感じ始ていました。
 実際、自分でパン屋を開いたとき、最初こそパンの仕事をしてたんですけど、この辺の人と関わっていくうちに、あんまりパソコンのことを相談できる人がいないっていう声を聞いたりして、じゃあ、私が少し手伝いますよとかやってこの仕事も始めました。
 パン屋だけに絞らなくてもいいなっていうのを感じていた時に、偶然なんですけど色んな人から声がかかって、自然と増えた感じですかね。なので、パン屋になるときはもう二度とこの業界には関わらないかもなと思ってたんですけど、意外と続いてる(笑)

質問やめたいと思ったことはありますか?

回答…自分のお店じゃないパン屋で働いていたときは、やめたいまでは行かないですけど、しんどいって思いました。その店は、定休日が無かったので一年中開いてるんですよ。すごい長時間働いたり、夜勤があったりして、その時はすごく痩せましたし、しんどいなって思いましたけど、やめたいまでは思わなかったですかね。色々イライラすることとかはありましたけど、パンに触っているときは楽しかったですし。自分で始めたときも、最初のうちは徹夜とかして作ってたので、しんどいとも思いましたけど、それでも実際作り終えて、お客さんに渡すと喜んでくれて。それを見てると、まぁいっかみたいな、次も頑張ろうみたいな気持ちになるので、やめたいとは思わなかったですね

質問….ITと食という全く別物の仕事に、松澤さんが感じた共通点はありますか?

回答…作業に向き合うっていうところは、結構一緒かもしれないですね。パンは、こねるところからですけど、パソコンとかは考える時間が多くて。考えながら、パソコンカタカタして、どういうふうにしようかなっていうのをずっと考えてるので。パンもこねて、発酵させて、焼いてるってだけに見えるんですけど、色んな種類のいろんな具材を使って、発酵のスピートも違って、焼くタイミングとか、そういうのをずっと、一つの作業しながら、ずっと考えてるんですね。次はこれをやって、これをやって、パズルみたいに組み合わせて、やってくっていう、そこは共通点かもしれないですね。考えながら工夫して、そして自分なりに納得行くものを作る

◀松澤さんのこと▶

質問中学生のころ、将来の夢はありましたか?

回答…中学生の時は、なりたいものってなんだろうみたいな感じでしたね。就職してから5年後どうなってたいですかとか、キャリアプランみたいなので書かされるんですよ。何書いたらいいのかわからない、みたいな感じでやっていたんですけど、そこから、趣味で始めたパン作りにのめり込んでいって今パン屋をやってます。

質問なぜ東京での生活から出水での生活を選ばれたんですか?

回答家族との時間とかですかね。やっぱりいちばん大切な人と一緒にいる時間を犠牲にしてまで得るものはないかなって、色んな人の生き方を見て思って、共感するところがあったりしたので、自分もそこは一番大切にしているつもりです。なかなか難しかったりはするんですけど。

質問….今の目標、憧れとかがあったら教えてください。

回答…目標は、もっと地域に根ざしたいっていう感じですかね。今は、不定期で私一人でやってるので、作れる量にも結構限界があるんですけど、将来的には、事業を大きくしたいとか、パンをもっと売りたいとかではなくて、もっと食材を使いたい。 
例えば、知り合いの農家さんとかから、いろんな野菜とか果物とかを買ったりしてるんですけど、自分一人で作って、不定期だと、ほんとにちょっとしか使えないんですよね。そうすると、その農家さんがつくったものを活かしきれない。ある程度、量が作れたら、農家さんも使ってくれるお店があるって感じてもらえる。そしたら農業としてもやりたい人が増えるかもしれない。そして、従業員も雇って、ここで働きたいっていうお店ができれば、地元の出水の方とか働いてくれるかもしれないし、もっと遠くからうちのお店でで働きたいみたいな人が出水に来てくれるかもしれない。 
そういう思いで、もっと地域として、パン屋っていうのを軸にもっと広げてみたい。どうしても人口は減っちゃいますけど、まあその中でも、やっぱりここで暮らしていて良かったとか、いつか戻ってきてもいいかなって思えるような場所にできるかなと思ってるので、今後力を入れていきたいなとって思います。

◀地域のこと▶

質問この高尾野の町の魅力ってどんなところだと思いますか?

回答…多分皆さんはずっとここらへんで育ってこられたので、あまり感じないとは思うんですけど、遠くから来ると、ほんとに景色も綺麗ですし、食材も美味しいですし、皆さんが思っているよりも、色々ある。
 東京ほど、娯楽みたいな楽しさはないですけど、暮らしていく上での楽しさみたいなのは、ここではいくらでも手に入る、そういうところが魅力ですね。

質問高尾野で好きな場所ってありますか?

回答…気持ちいいなって思うのは、鹿児島方面に行くところの長いトンネルです。あそこの手前に、畑と鳥居みたいなのがあって、そこが気持ちいなと思ってたまに行きます。

質問この町の良くなって欲しいところはありますか?

回答…良くなって欲しいところは商店街ですかね。どの街でも課題だと思うのですが、シャッターが目立つので、お店をやる人がもっと増えたらいいなと思いますね。昔はもっとあの辺賑わってたっていうのをたまに聞いたりするので・・・やっぱり、年配の方もいますし、課題は多いと思うんですけど、個人店が充実してる方が、暮らしていていいなって感じると思う。

質問30年後のこの町にどういう風景が広がっていてほしいですか?

回答…さっきも言ったように、個人店がイキイキしていて欲しいです。どうしても人口が減ると、いろんなものが不便になっていくので、個人が色んなことをして、その中でちゃんとお金が回って、生きていけるような形になってくれたらいい。
30年後だと自分もぱっと遠出ができない年齢だと思うので、この町のパン屋として、みんなと一緒に盛り上げていくために頑張っていけたらいいなって思っています。

◀中学生にメッセージ▶

回答地元に興味を持って欲しい。自分の住んでる町なんて、なんにも考えてなかったけど、大人になってみてると、こんな町で、こんな人たちがいたんだなって思いましたし、踏み込めば、いろんな面白いことをしている人がいるので。
 若い頃って都会に憧れたり、早く東京に行きたいとか、そういうふうに思うのは仕方ないかなって思うんです。だからこそ少し地域に興味を持って欲しいなと。いずれいつか出ていったり、一時的に離れたりはすると思うんですけど、その後、たまに帰ってきたり、戻りたいなって思ったときに、あの町がどうなったんだろう、あの人は今何をしてるんだろうとか、変化を感じ取れる面白さもあると思うので、地元に目を向けてほしいですね。意外と面白いですよ。

◀まとめ▶

 今回インタビューをして感じたことは「自分の好きを貫くことの大切さ」です。
 私は、これからの進路を考える上で、自分の好きから夢を見つけたいと思う。でも、それと同時に「自分の好きとはなんだろう」「好きを仕事にできるのか」など、立ち止まってしまうことが多い。今回のインタビューで、自分の好きなことを大切にし、やりたいことを仕事にしている松澤さんの言葉から、何回でも挑戦していいという事を学びました

おいしいパン屋さんです。ぜひ食べてみてください。
インスタグラムに毎回情報があがるので、見てもらえるとうれしいです。

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