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Episode 031 「日本料理における”出汁”を音楽に置き換えると」

さて、Episode 027より開始した「オーストラリアにいた時(1996〜2010年)によく聴いたアーティストおよびバンドの曲」(併せて、「よく聴いた訳では無いが印象が強く残っているアーティスト及び曲」も含む)、という括りで当時を振り返る試み、今回はアルファベットの「E」から始まるアーティストおよびバンド。

尚、日本が誇る、天才ロックンローラー奥田民生のアルバムに「E」というタイトルのアルバムがある。2002年に発売されたそれだが、「Custom」や「The Standard」や「花になる」や「ヘヘヘイ」などなどの名曲中の名曲が揃っているアルバムである。

しかし、アルバム名にアルファベット1文字とは、何と言う、潔さ。何と言う、漢気。つまり、(奥田民生クラスの天才になると)自信の表れなのではないか、と個人的には感じる。「タイトルにこだわるとか、本質は、そういうことじゃないんですよ、つまり」と、言いそうである。きっと、そうだろう。大袈裟に言うのならば、きっとそう言う事なんだろう。

奥田民生のロックンロールな音楽は、或いは、控えめに言っても日本一なのかも知れない。その場合、「はっぴいえんど」や細野晴臣(ソロ)は2番手に回っていただく事になってしまうが、それくらい奥田民生はすごいと個人的には感じている。

Eagles(アメリカ)
Char、山崎まさよし、奥田民生の三人で「三人の侍」というグループを結成しライブを行っている様子をYouTubeで見つけ、その時にHotel Californiaという曲をカバーしていた事からこのバンドを知る事となった。もちろん三人がアコギを弾きながら歌うカバーも良いが、やはりEaglesが歌うオリジナルのHotel California(1976年)は非常に素晴らしい。スラッシュ・メタルバンドの大御所であるSLAYER(スラッシャー四天王の一つ。因みに他の3つのバンドはMetallica、Megadeath、Anthraxとの事)というバンドのギタリストであるKerry King氏が好きなバンド(Judas PriestやIron Maidenなどの他のメタルバンド以外で)の一つとしてEaglesを挙げていたエピソードを(なぜか)鮮明に憶えている。尚、Slayerの1986年発売のサードアルバムである「Reign In Blood」を2022年の7月にAppleのitunesで購入した。そして、Anthraxの1987年発売のアルバムである「Among the Living」というアルバムも2022年7月11日にAppleのiTunesで購入した。また、このバンド(Eagles)の名曲の一つである「Life in the fast lane」(1976年発売)のパロディがファットレコーズのオムニバスである「life in the fat lane」(1999年発売)だと気付いたのは、2021年12月30日の事であった。

Eastern youth(日本)
アデレードハイスクールに短期留学をしていた友達(カズ)からこのバンドの「旅路二季節ガ燃エ落チル」(1998年)というアルバムを貸してもらい、出会う事となったバンド。尚、Hi-standardの横山健とマーシー(The Blue Hearts, High Lows、クロマニヨンズ)の対談で、二人はこのバンドを絶賛していたのも印象に残っている。

Electric Light Orchestra(アメリカ)
「ビートルズよりもビートルズっぽい曲を書く」と言われた程ビートルズを愛した男Jeffrey Lynne率いるELO。ロックとクラシックを融合させた独自の音楽スタイルで70~80年代を圧巻した、との事である。私がこのバンドを知る事になったのは奥田民生のインタビューで彼がELOが好きだ、という内容を読んでから色々と調べて見た、という具合である。尚、井上陽水と奥田民生で組んだユニット「井上陽水奥田民生」が始まったのは1997年の事だが、その前の1996年にPUFFYのプロデュースを行っていた奥田民生が曲を担当し、歌詞を井上陽水が担当した「アジアの純真」という曲は、奥田民生曰く、「派手な曲にしたくて、僕の中での派手な音楽とはELOですので、ELOを意識して作った」との事である。

Elephant Kashimashi(日本)
このバンドも、今では好きな日本のバンドのTop10には入る程好きなバンドである。初めて聴いたタイミングなどは憶えていないが、この人(ボーカルの宮本浩次)の演奏や歌う姿を見て、当時の私は、「本物だ」と思ったに違いない。そうでなければ、2024年の今もこうやって聴き続けてはいないだろう。尚、この人はトークが(特にダウンタウンとのトークは更に)死ぬほど面白い。大好きなHi-StandardのギタリストであるKen Yokoyama氏もこのバンドが(80年代から)好きだった、との事を彼のブログで読んだ事がある。そして、その二人(Ken Yokoyama氏と宮本浩次)が曲の創る事に至った。「Do you remember?」という曲だ。どうやら、パンクロック調の曲を創りたかった、との事で(宮本浩次)がKen Yokoyamaを(この曲の)プロデューサーとして迎え入れた、との事だ。パンクロックの日本一は、Ken Yokoyamaだという見解を持っていたらしい。尚、エレファントカシマシのライブは日本武道館(確か、2014年または2015年あたり)に観に行った事がある。最高だった。

Ellegarden(日本)
このバンドは、確か(アデレードでの数少ない日本人の友達)予志也君の家に遊びに行った時に教えてもらったバンドである。「日本人なのに、英語の発音悪くないね」という話をしたのを憶えている。

Elton John(イギリス)
特に好きなアーティストとう訳でもないが、この曲は記憶に残っている。

Elvis Costello(イギリス)
恐らくだが、音楽雑誌またはネットで「最も影響力のあるミュージシャン」といった類のランキングなどを見て発見したアーティスト。Alisonは非常に好きな曲である。「She」に関しては非常に好きな曲ではあるのだが、恐らく映画(題名:Notting Hill(1999年))の為に書き下ろされた曲の為、その映画の印象が強すぎて聴く度にその映画を思い出してしまうのは不本意である。

Eminem(アメリカ)
ハイスクールの学生だった当時(2000年頃)エミネムのフィーバー度合いは凄まじかった。テレビの音楽番組では彼の曲が止めどなく流れており、ハイスクールでもエミネムが好きだという人が相当いたと思われる。しかし、私は当時全くヒップホップやラップ、といった「音楽そのもの」というより、こう言った音楽にまつわる「カルチャー(服装や、金(ゴールド)のガチャガチャしたネックレスや、ビキニの女性、ギャング的要素など)」を生理的に受け付ける事ができなかった。あまりにもダサいと思っていた。そして、今でもそう思っている。しかし、音楽の部分だけ(つまりカルチャーの部分を除けば)を見ると、それは実に質の高い曲も非常に多い事に気付いた。エミネムの曲も例外ではなかった。この人の面白いところは、やはり白人でありながら、ヒップホップの領域でここまでの功績を残した事であろう。Beastie Boys同様、ヒップホップ界にてゲームチェンジャーとなった数少ないヒップホップミュージシャンである。比較的最近(2013年)の曲であると「Berzerk」(尚、Suicidal Tendenciesというバンドの曲に「Berserk」という曲があるが、この曲名のオマージュか)や「Rap God」が良いと思った。

Everclear(アメリカ)
Hi-Standardのギタリストである横山健の雑誌のインタビューで、彼ら(Hi-Standard)が1999年に発売したMaking The Roadというアルバムを作成していた時期に、このバンド(Everclear)を聴いていたという内容を読み、知る事になったバンド。尚、「Loser」(2000年)という映画にも(映画内で登場する)バンドとしてEverclearは出演していた。尚、2021年の下旬、このバンドのアルバム(ファースト、セカンド、サード)を三枚購入した。

Every Little Thing(日本)
日本から送られてきたビデオの中での音楽番組で知る事となったグループ。王道J-POPという印象。因みに、このグループ名である「Every Little Thing」はビートルズの「Beatles For Sale」(1964年)というアルバム(CD)の11曲目収録されている曲名である。

Eric Clapton(アメリカ)
どのタイミングで知ることになったのかは憶えていないが、この曲のイントロは実に美しい。このミュージシャンは「世界3大ギタリスト」(1970年代に日本の音楽関係のマスコミが勝手に言い始めた、との事である)の一人、という事になっている。ジミー・ペイジ、ジェフ・ベック、そしてこの人、エリック・クラプトン。なぜこの三人なのか、については、どうやら次の理由が挙げられる、との事。①三人ともヤード・バーズ(Led Zeppelin結成の母体ともなったグループ。1962年にロンドンで結成される)というバンド出身、②日本での人気が高い、③各自の実力や個性、当時の活動状況などで比較しやすい。との事である。尚、エリック・クラプトンは、Robert Johnson(アメリカ出身の伝説的なブルース歌手。同時代の多くのブルースのみならず、その後のロックなどに多大な影響を与えた)の「Cross Road Blues」(1936年)もカバーしており、非常にかっこいい仕上がりとなっている。エリック・クラプトン曰く「Robert Johnson以降の音楽は、全てのミュージシャンは、多かれ少なかれ、なんらかの形でこの人の音楽の要素を取り入れている」と語った(併せて、Public Enemyのフロントマンである ”Chuck D”も、ブルース(即ちRobert Johnsonが奏でていた音楽のジャンルである、ブルース)の重要性について「ヒップホップ、ラップ、ロック、メタルと音楽には様々なジャンルがあるが、我々が忘れてはならないのは、全てのジャンルのルーツはブルースである、と言うことだ」と発言していた)。つまり、Robert Johnsonの重要さを、我々の身近なものに例えるなら、日本料理に置ける「出汁」とでも言うとことだろうか。もちろん、魚の出汁だったり、昆布の出汁だったり、いろいろ存在するが、この、「出汁をつかう」という行為そのものが無い日本料理を想像してみてほしい。おそらく、我々が今日(こんにち)口にする料理は存在しなかったかもしれない。そう、つまり、Robert Johnsonが音楽業界に残した業績は、日本料理に置ける、「出汁」の存在に匹敵するほどの影響があったのだ。たぶん。きっと、そういう事なんだろう。(大袈裟に言うのならば)

おまけ:ブルースの伝説、ロバートジョンソンの故郷であるミシシッピを山崎まさよしが尋ねる。



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