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ベストセラーとコミック発行部数ランキング

載籍浩瀚(さいせきこうかん)
→ 書物が非常に多いこと。

なぜ、本を買うのか。

いろいろな意見はあると思うが、本を買うことの一部に必ずある心理がある。

それはインテリぶりたいというものだ。

もちろん、そんなことはないという反論もたくさんあるだろうが、たくさん本を並べることに高揚感を覚えるという感覚は決して否定できるものではないと思っている。

そんな本だが、Amazonが本屋業界を変えたことは周知の事実だ。

インターネットの普及とスマホの登場で、紙媒体の本が売れなくなって電子書籍に移行している。

ということで、本の発行部数について調べてみた。

今さら聞けないベストセラーってなぁに?

書店やメディアでよく登場する言葉に、ヒット、大ヒット、ベストセラーといったものがある。

この言葉を聞けば、この本は売れているんだということは理解できるだろうが、実際にどのくらいの部数が売れているのか、いまいちわからないという人は多いのではないだろうか。

実際、このヒット、大ヒット、ベストセラーには定義はなく、なんとなく慣習として使われているのが現状だ。

とはいえ、一般的な書籍である、新書、小説、ビジネス書、健康本などについての発行部数のおおよその基準はあり、その目安は下記のとおりだ。

  • ヒット:数千部以上

  • 大ヒット:20,000部以上

  • ベストセラー:100,000部以上

感覚としては、重版が決まればヒットといったのが最低基準といったところだろうか。

いずれにせよ、発売元の宣伝文句として使われるものなので、出版社の規模によっても全然使われ方が異なることは知っておくといいだろう。

それから、一般的にベストセラーとされる100,000部を超える本は年間300冊程度とされ、1,000,000部以上となると年間に数冊程度しかないということも併せて覚えておくといいだろう。

ちなみに、どういった本がどれくらい売れているのか、参考までに紹介しておこう。

100,000部以上売れた本

  • なぜ、あなたの仕事は終わらないのか?(著者:中島聡)

  • 「すぐやる人」と「やれない人」の習慣(著者:塚本亮)

  • 青くて痛くて脆い(著者:住野よる)

300,000部以上売れた本

  • ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(著者:大森藤ノ)

  • かがみの孤城(著者:辻村深月)

  • 最新「仕組み」仕事術(著者:泉正人)

500,000部以上売れた本

  • ゼロトレ(著者:石村友見)

  • ラプラスの魔女(著者:東野圭吾)

  • 頭に来てもアホとは戦うな(著者:田村耕太郎)

1,000,000部以上売れた本

  • 漫画 君たちはどう生きるか(著者:羽賀翔一)

  • ホームレス中学生(著者:田村裕)

  • 謎解きはディナーのあとで(著者:瀧山麻土香)

3,000,000部以上売れた本(計30冊程度)

  • 五体不満足(著者:乙武洋匡)

  • バカの壁(著者:養老孟司)

  • 脳内革命(著者:春山茂雄)

5,000,000部以上売れた本(計10冊程度)

  • 窓際のトットちゃん(著者:黒柳徹子)

  • 道を開く(著者:松下幸之助)

  • ハリー・ポッターと賢者の石(著者:J・K・ローリング)

日本のベストセラーTOP10

ということで、重複する部分もあるが、2022年現在の気になる日本のベストセラーTOP10も載せておこう。

  1. 窓際のトットちゃん:580.95万部(著者:黒柳徹子、1981年)

  2. 道をひらく:511万部(著者:松下幸之助、1968年)

  3. ハリー・ポッターと賢者の石:509万部(著者:J・K・ローリング、1999年)

  4. 五体不満足:480.8万部(著者:乙武洋匡、1998年)

  5. バカの壁:437.8万部(著者:養老孟子、2003年)

  6. ハリー・ポッターと秘密の部屋:433万部(著者:J・K・ローリング、2000年)

  7. 脳内革命:410万部(著者:春山茂雄、1995年)

  8. ハリー・ポッターとアズカバンの囚人:383万部(著者:J・K・ローリング、2001年)

  9. チーズはどこへ消えた?:373.7万部(著者:スペンサー・ジョンソン、2000年)

  10. 日米会話手帳:360万部(著者:小川菊松、1945年)

記録をつける意味でも、2022年現在という書き方をしたが、TOP10を見てもらえたら多くの人が気づくところがあるだろう。

あえて最後に発行年を書いたが、最新の著書でも2003年という10年近く前のものだ。

Amazon(アマゾン)によって変えられた本屋や出版業界から、今後このTOP10に食い込む紙媒体の本が出ることはないといってもいいだろう。

世界一売れている本

となると、気になるのが世界一売れている本はどのくらいの発行部数なのだろうか。

実はその発行部数は、驚きの60億部とも4000億部ともいわれている本がある。

発行部数のバッファが大きすぎる理由は、発売開始が紀元前とあまりにも古いため実態の販売部数は未詳だからである。

ここまで書くと勘のいい人はピンときたかもしれないが、その本とは聖書だ。

このあたりを本として捉えることに賛否両論があることも事実だが、宗教関連の本は億単位で売れているという事実も知っておくといいだろう。

日本のファッション雑誌ランキング

ということで、目線を日本の本屋および出版業界に戻そう。

2022年5月20日に一般社団法人日本ABC協会より、2021年下半期(7~12月)の雑誌販売部数が発表された。

月刊男性・女性ファッション雑誌の販売部数の第1位に輝いたのは、宝島社が発行するリンネルだ。

その月間平均販売部数は、自社ECサイト販売分も含む132,815部ということである。

TOP10のうち、7つの雑誌が宝島社ということで、雑誌業界では宝島社が圧倒的な存在感を示している。

ちなみに、宝島社から発行されているTOP10入りしている雑誌は下記のとおりだ。

  • 第2位:sweet(スウィート、118,594部)

  • 第4位:otona MUSE(オトナミューズ、103,708部)

  • 第5位:大人のおしゃれ手帖(101,512部)

  • 第6位:GLOW(グロー、98,154部)

  • 第7位:InRed(インレッド、84,229部

  • 第10位: mini(ミニ、78,914部)

宝島社のファッション誌の市場占有率は37%となり、12年連続でトップシェアを獲得している。

また、モノ雑誌のMonoMax(モノマックス)が105,621部と伸長率121%を達成、美容誌の& ROSY(アンド ロージー)が58,890部で伸長率186%と絶好調だ。

日本のコミック市場

雑誌の次は漫画、つまりコミックについても気になるところだろう。

出版業界の調査研究機関である公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所の発表によると、日本のコミックの2021年の推定販売額は、紙媒体と電子媒体を合わせて、6,759億円となったという。

これは、前年比10.3%増ということで、2年連続で過去最高を更新した。

これで出版市場におけるコミックのシェアは40.4%で、初めて4割を超えたという結果になっている。

2020年に新型コロナウイルスの感染拡大による巣ごもり需要に加え、鬼滅の刃が大ブームとなり、販売額が初めて6,000億円を突破した。

2021年はその反動があるとの見方もあったが、結果は10%を超える高い伸びを記録した。

媒体別でみると、下記のとおりだ。

  • 電子コミック:4,114億円(前年比20.3%増)

  • 単行本(紙のコミックス):2,087億円(前年比0.4%増)

  • コミック誌:558億円(前年比11%減)

紙媒体のコミックが単行本、雑誌合わせて市場規模が2,500億円前後と横ばい傾向にあり、これに対し電子コミックは5年間で2倍以上も市場規模が拡大しているというのが現状だ。

コミック市場は順調に拡大をしており、引き続き注目していきたいと思う。

コミック累計発行部数TOP10

せっかくなので、2022年11月時点のコミックの累計発行部数のTOP10も紹介しておこう。

  1. ワンピース:5億1,000万部

  2. ドラえもん:3億部

  3. ゴルゴ13:3億部

  4. ドラゴンボール:2億6,000万部

  5. NARUTO:2億5,000万部

  6. 名探偵コナン:2億5,000万部

  7. ブラック・ジャック:1億7,600万部

  8. こちら葛飾区亀有公園前派出所:1億5,650万部

  9. 鬼滅の刃:1億5,000万部

  10. 美味しんぼ:1億3,500万部

1億部の累計発行部数のあるコミックは、20作弱あるというのが現状で、ベスト10に間違いなく入るであろう作品がキングダムだろう。

そのキングダムは、現在20位で9,200万部というポジションにいる。

まとめ

紙媒体の本や雑誌が売れなくなっているという話は少なからず聞いたことがあるだろう。

聞いたことがなくても、スマホやタブレットで本や漫画を読むようになったという人は多いはずだ。

ここで間違ってはいけないのは、コンテンツとしてのニーズがなくなったわけではなく、あくまで読む媒体に変化が起きているということだ。

特に漫画、つまりコミックの市場は右肩上がりで、世界中で読まれるようになり、まだまだ伸びしろがあるところである。

ということで、引き続き、この業界にも注目していきたいと思う。


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