ワトソン・ザ・リッパー 四章(5)
「アルバート…ヴィクター……誰だ、それは……?」
「知らんか? まぁ、異国人ならしかたないな。うん、王族だよ。今の女王の孫だ」
「なんだと……彼が……!?」
英国女王ヴィクトリア――大英帝国を象徴する女王であり、彼女の治世において、英国は全盛期を迎えたことから、後世では「ヴィクトリア朝」とさえ讃えられた。
その息子は、後にイギリス王となるエドワード七世こと、アルバート・エドワード。
アルバート・ヴィクターとは、その息子である。
「まさか……本当に……王族……?」
モモ