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夫婦にとって例のとあるものとは何なのか!

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異類婚姻譚
本谷有希子
講談社/講談社文庫

●トッパイリスナーとして嬉しい限りです

「ザ・トップ5」第3シーズン(2015年度)の木曜日を担当されていた本谷さんだけに、受賞の一報を聞いたときは、ラジオヲタとして感慨深いモノがあった。そんな受賞作の文庫化にあたり再読をしてみた。

●こんなコトを聞きました


主人公である女性(サンちゃん)は、自分の旦那と顔がそっくりになっていくことに気が付き、ふとしたことで知り合いになった老齢の女性(キタヱ)に相談すると、その女性の知人夫婦もそうなったエピソードを伝えてくれたのであったが、その二人は、とあるモノを媒介したことをきっかけに解消するに至った(このモノに関しては、ネタバレになるため伏せておく)。

●ニコイチとなった2人


 話がクライマックスになり、私も旦那と瓜二つになってしまう。結局は旦那がまた異質なモノに化けるにいたって物語が終わる、イコール夫婦関係が破綻に至る。おそらくは離婚なんだろうけれども。じゃあ、そのニコイチ状態となってしまった、老齢の女性が教えてくださった、そのモノとはいったい何だったんだろうか。老齢の女性ととある不法行為をしに言った際に、女性の旦那から聞いた、そのモノとは私が想定しているモノは、「子ども」であったのだろうと考える。

●おそらく旦那が求めたのは


 おそらく旦那は、休職をして同じメニューを料理し続けることに専念することになったヤバイ状況の中、主人公は安定した生活が続くモノだと思っていた。しかし、安定を求めていたのは旦那もそうだった。じゃあ、お互いが安定して行くには、やはり分身を作ること。つまり、子どもが必要であったのだと。


 「安定こそ一番の不安定要素!」、生きるってそういうことなのかも知れない。

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