探究型キャリアデザインを実践しよう 人生の針路に悩んでいるみなさんへ(2) 〜 SDGs・探究への招待 #049 ~
3 未来に向けて針路を取るための、大切な概念。
「針路」を考える上で最も大切なことは、まず自分自身の「価値観」を言葉にできるようになることです。この
A「価値観」
B「人生観」
C「社会観」
を言語化することが、「自分を見つめる」ことになります。
この3つの「観念」が、植物にたとえると地下茎(Rhizome)にあたります。一番大切な根っこです。たくさんの経験や勉強や他者との関わりが養分となって、「職業観」や「大学観」、それから「結婚観」といったさまざまなものやことに対する「ものの見方」となって大きく広がって大樹へと育ちます(Tree)。
受験のときも、将来の就活のときも、一番大切なものを見失わないようにしてください。テクニックやスキルはあなたを手助けするものではあっても、あなたをひとつも語らない。あなたが何者かを語ることができるのは、あなたのRhizomeだけです。
これから3つの概念について解説します。実際に作業に入るのはその後です。まずはしっかり読んでください。
A 価値観
未来図を現実のものにしていくためには、まず「自分を見つめる」ことから始めます。
「自分を見つめる」際に、一番重要なポイントは、「自分の価値観をはっきり知る」ことです。「自分の価値観をはっきり知る」ことで、自分と他者とのつなぎ方や社会とのつなぎ方が見えてきます。自分がどんな価値観を持っているのか、日ごろめったに考えることがないので、私たちは無自覚ですが、「自己の価値観」を知ることで、適性や好みも見えてきます。
どうすれば「価値観」を持てるか?
誰もが持っているので、あとは「気づくこと」です。
B 人生観
次に「自分の人生観」を言語化します。
人生観なんて知らないよ、自分は特に考えたことないよ、という人も、気づいていないだけで、本当はしっかり人生観を身につけているものです。ただ、今までそれを言葉にしたり、人生観とはっきり意識して人に話す機会がなかっただけです。だれもが人生観を持っています。
「人生観」は、その人の過去から今にいたるまでの生きざまに直結しています。ですから、自分の過去から現在までをふりかえることで、自分がどんな「人生観」の持ち主なのかを知ってもらいます。
どうすれば「人生観」を持てるか?
「自身の過去から現在をふりかえり、そこを出発点に未来の在り方を考えること」です。
C 社会観
それから「社会観」を持ちます。
ここからは「価値観」や「人生観」のように、みんなが既に持っている、とは言い切れないものです。
みなさんの中にはまだはっきりと「社会観」を持っていない人もいるかもしれません。ですからいくつかの質問に丁寧に答えてもらうことで「社会観」を持つきっかけをつくろうと思います。
「社会観」は固定的なものではなく、日々変化していくものです。今日まである価値観に賛成だったとしても、明日には反対!と思ったりします。
ただ、表面的には右から左に、左から右に変わったとしても、本人の根っこにある「社会観」は変わらないものです。そこにたどりつくかどうかは、どれほど自分で考え抜くか次第です。
どうすれば「社会観」を持てるか?
もちろん「社会経験すること」ですが、いますぐにできることは「毎日新聞を2紙以上読み比べする」か、「新書をたくさん読むこと」か、「大学入試過去問の評論文を読むこと」です。
以上の3つの「観念」をしっかりと持つことで、初めて「職業観」や「学問観(学部学科観)」「大学観」など、自分の外にあることを自分自身の問題としてひきつけて考えることができるようになります。
次回からワークに入りますので、いよいよノートを準備しておいてください。
そこんとこよろしくお願いします!