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2021年9月の記事一覧
第145話:一語の違い
愚話である。
だいぶ前のこと、新聞を見ていたら「テストの想い出」というタイトルでいくつかの投書が載せられていて珍答の実話がおもしろかった。
例えば、「ミジンコの脈拍はどう計るか」という問題が出たそうなのだが、その授業をちょうど休んでいてわからず、「ミジンコの胸に手を当てて数える」と書いたそうである。なかなかユーモアのある解答だが、先生が堅物だったのだろう。✖を食らって点はもらえなかったらしい。
日本一周一筆書きの旅②
前回の続きです。よろしければこちらをお読みきださい。
皆さんは財布が落ちていたら、それを届けるだろうか?
僕は激しくそれを問いかけてみたい。当然?でも、もし財布の中に17万円入っていたら?以前書いたことがあるが、僕は17万円が入った財布を拾い、それを正直に届けたのであって、そんな素晴らしい僕にとってこの「出来事」は悲しすぎるものであった。
ズタズタになった財布の記憶を思い出しながら、でもそん
第162話:日本一周一筆書きの旅
毎年夏には5日ほどの休みを取ってツーリングに出かけていた。
しばらく東北地方を気ままに走ることが多かったのだが、数年前、糸魚川を上って日本海を西し、能登半島を回って金沢から木曽へ下りてきた。
意図してはいなかったのだが、今まで走ったルートが日本海側を青森から金沢までつながったので、ならば日本列島の一筆書きに挑戦しようとふと思い立った。
そこで翌年は京都から丹後に上がり、山陰を走って下関で折り返
17万円入った財布を拾った②
前回の続きです。よろしければ、こちらをご覧ください。
帰り道、交番に寄る。財布を拾った経緯を説明するが、出てきたのは初老のなんとなくヨボヨボした警官で、何だか面倒臭さそうな応対である。こんなに悩んでやってきたのに褒めてもくれない。
一緒に中身を確認してくれと言って、財布の中身を全部出して並べていく。金種ごとにいくらあるか、カードは何が何枚、免許証、レシート・・メモを取っていくが、エラク手際が悪
第152話:17万円入った財布を拾った
上をむいて歩こうという坂本九の歌があったが、人間は基本的に上を向いては歩けない。上を向いて歩けば、きっと側溝にでも嵌って大怪我をするに違いない。同じように、右を向いても、左を向いても、後ろを向いても人間は歩けないわけで、必然的に人間が歩くときの視線は「前」か「下」になる。
前を向いて歩くのと下を向いて歩くでは、ずいぶん雰囲気が違っていて、前者は優秀な人間がイメージされるのに対し、後者は落ちこぼれ