ピピのつばさ・1ページ絵本「オシャレなみの虫」
ピピのつばさ
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どこか
遠い 遠い 世界の
広い 広い 海の上に
小さな かわいい 島がありました。
その島には
心やさしい 果物の妖精たちが
住んでいたのです・・・。
「オシャレなみの虫」
クモのクロニエルは、大空にあがる凧のように空中を風に乗って、丘の上の木にやってきました。
しかしその木には、先客の、みの虫たちが住んでいたのでした。
この木で、いちばん年の若い、みの虫が言いました。
「去年作った、このお洋服は。なんだか、ゴワゴワして着心地が悪くなったわ」
次に、にばんめに年の若い、みの虫が言いました。
「そうね、そろそろ、新しくキレイなお洋服をつくらなくちゃね」
すると、ほかのみの虫たちも、その意見に賛成しました。
しかし、いちばんでっぷりと太った、みの虫が
「でも、新しいお洋服を作るのは好いけれど。材料を集めるのが大変なのよね」
と言いました。
それを聞いた、にばんめに太った、みの虫が
「そうだ、こんどこの木にやって来た、クモのクロニエルさんに相談してみましょうよ」
と言いました。
いちばん年をとった、みの虫が、うなずきながら
「そうね、クモのクロニエルなら、この木のどんなに高い所からでも、糸を出したり引っ込めたりして、自由に早く行ったり来たり出来るのですものね」
と、言いました。
そんな訳で、クモのクロニエルは、みの虫たちのお手伝いをする事になったのでした・・・。
いちばん太った、みの虫が
「クモのクロニエルさん、私は、そこに咲いている黄色いお花が好いわ」
と言うと。
クロニエルは、スルスルと長いクモの糸を伸ばして、黄色い花の花びらを取ってきました。
にばんめに年の若い、みの虫が
「私は、そのピンクのお花が好いわ」
と言うと。
クロニエルは、またスルスルと糸を伸ばしてピンクの花びらを取ってきました。
なんども、なんども、そんな事を繰り返して、やっと、みの虫たちの材料集めは終りました。
すると、いちばん年をとった、みの虫が
「クロニエルさん、どうもありがとう。 あなたのおかげで、素敵なお洋服が出来そうよ。」
と言いました。
それからしばらくして。
みの虫たちの、色とりどりの、新しいお洋服が出来あがりました。
にばんめに太った、みの虫が
「クロニエルさん、さあ、私たちのファッションショーを楽しんでくださいね」
と言うと。
オシャレな、みの虫たちは、クロニエルの為に、木の上で素敵なファッションショーを始めたのでした・・・。
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使用画像 Pixabay daisy-3199178_640 ACイラスト22366203
2022.8.6 8.7加筆 8.8加筆 8.11加筆 8.21加筆
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