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そもそも魔王って倒さなきゃ駄目なのか?【第2章 謎のシスター少女編 5】
前話はこちら
ーフィールド リベール街道ー
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マサアキ
HP 76
MP 0
LV.8
「マサアキさん…ゴホ…!このリベール街道はっすね…ゲホ…!モンバルの他にも様々な町や村に繋がって…うぐ…ゴファア…!」
体力無いのに無理して解説しなくてもいいよ…
俺なら大丈夫だから
「そうはいかないっす…これでも自分は今仕事中なんすから…お客さまを飽きさせるような半端な仕事はしたくないんす」
プライド持つのは結構だがな、あんたの一番優先すべき仕事は運転手だろ
別に安全運転さえ約束してくれれば、俺を楽しませようとか考えなくてもいいって
「お気遣いありがたいっす…でもいいんすよ…自分が好きでしてることなんで」
「それに…自分はその道のプロっす…今まで色んな人を乗せて数えきれない程の道を走ってきました…客を楽しませるガイドならお手のもんなんす…」
へぇ~…
「例えば右手に見えますのは…え~………」
「………とてもとても見晴らしのいい野原っす…」
何もないなら言うなよ
モンバルとかいう町、まだ随分かかるんだろ?
俺それまで寝ていくわ。着いたら起こしてくれよ
「わかったっす…じゃあ横になってお休み下さい。この荷車そこそこ広いのでそれぐらいのスペースはあると思うっす」
そうか、んじゃお言葉に甘えて
ゴロン
【マサアキは横になった!】
お、枕もあんじゃん。案外気が利くじゃねぇか
「むっぎゅ…!」
は?むっぎゅ?
「………ZZZ……マサアキらんぼう…反対…ZZZ…」
カチン…
【マサアキは石になった!】
「どうっすか?…寝心地のほうは?」
……いいみたいだな
「え、何すかその客観的な意見」
おい…起きろグリル
メキメキ…!!
【マサアキはグリルの頭を掴んだ!】
「痛い痛い痛い…!?取れちゃう取れちゃう!」
何でお前がここに居やがる。誰の差し金だこれは
「あ…マサアキ?おはよ♪」
おはよ♪じゃねぇよ!
「どうしたんすかマサアキさん?何か問題でも?」
悪いがあんた…え~…ウマオさん?
「いや、誰が馬男っすか。自分の名前はマオです。ウーア・マオ。以後お見知りおきください」
ほぼウマオじゃねぇか。いいよもう何だって
とにかくだ!今すぐドミリアに戻ってくれ!
「えぇ!?何でっすか?忘れ物でもしたんすか?」
逆だ、不要なものがある
「無理っすよ。もう大分進んでしまってるんで、今引き返したら今日中に着くのは厳しいっす。夜になってしまっては危険で進むこともできませんし」
それでも構わないから頼む!
「いいえ駄目っす。安全第一の職業っすから、リスクの伴う運行を認めることはできません。諦めてください」
ちぃっ…!
「マサアキさん、旅とは常に死と隣り合わせ、何が起こるか分からないっす。いくら要らないものであっても、もし過酷な状況に陥った場合それが必要となる時が来るかもしれないっす」
「どんな物でも一応持っておいて損はないと思うっすよ」
「おぉ~?なんだなんだここ?うははは!ガタガタゆれて楽しいぞマサアキ!もしかしてこれが"あとらくしょん”ってやつか!?」
「うわ!?何すかこのちっこいの!?」
いや確実に邪魔だと断言できる。損が具現化したような奴だぞ
──昼寝してただと?
「うん、寝やすそうな場所だな~と思って、食べものもいっぱいあるだろ?だから今日のおいらの寝るとこにしようとここに…」
「え"…食べ物もいっぱいあるしって、まさか…!」
グチャア…
【積み荷はグリルに荒らされている!】
「ひぃィィィィィ!!隣町に届けようと思ってた食料がァァァァ!!」
相変わらずの好き勝手っぷりだな
だが今はそんなことどうでもいい
「どうでもよくないっすよ!!自分の給料が!」
「きゅーりょー?うまいのかそれ!?」
「既にあんたが食ったようなもんすよ!」
話がまとまらないからお互い少し黙れ
とにかくグリル
仕方ないからお前は町に着くまで大人しくしてろ
「え、町にいくのか!?おでかけ!?」
あぁ
本当はこのままUターンして田舎に帰れと言いたい所だが、流石にこのだだっ広いフィールドを一人で帰すのは不安だ
モンバルに着いたらウマオさんに押し付けてドミリアに帰還して貰おう
「おでかけ~♪マサアキとおでかけ~♪うはは!おいら町に行くのはじめてだぞ!楽しみだなマサアキ!」
はぁ…呑気な奴…
「ふ~ん♪ふふ~ん♪ふんふん♪」
完全に浮かれてやがるよこの子
しかし、成り行きとは言え厄介な事になってしまったな
奴の構成材料に素直という単語は存在しない。バカ正直に帰れと言ってもおそらく奴はついてくる
その上、ガキってのは妙な所で勘が鋭い。下手な嘘は墓穴を掘るだけだ
モンバルに着くまでに何かそれっぽい理由を考えておかなきゃな
面倒くせぇ…
「マサアキ~あれなんだ~?」
ん?
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〜To be continued〜
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