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本当の救いとは何なのか『流浪の月』by凪良ゆう

本当の救いとは何なのか『流浪の月』by凪良ゆう

普通に装丁が素敵なので、映画化されるのを知らなくて買った本でした。
今まさに上映中で、少しだけ一人で見に行ってこようかな?って思うくらい、とても素敵なストーリーでした。
基本的に、1人称視点で小説は進んでいきます。
内容はネタバレなしで明かしますが、未成年を誘拐し逮捕された大学生文(ふみ)、そして誘拐された被害者である更紗(さらさ)、二人はある日偶然再会し惹かれあっていくというストーリーです。

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白黒割り切れない『あなたの愛人の名前は』by島本理生

白黒割り切れない『あなたの愛人の名前は』by島本理生

単行本になったので、衝動買いしました。
結論として、とてもいい物語だった。
短編集なんだけど、各話いろんな人間模様が織りなされていて、個人的にとても読んでて理解できた。
ので各話の感想をしたためてみます。

1.足跡
セックスレスの夫婦関係に、ものすごい不満を感じているわけではないけど、なんとなくこのままでいいかなという千尋。学生時代の澤井に、とある治療院を紹介されるというあらすじ。
不倫をしたい

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謎々多すぎた『熱帯』by森見登見彦

謎々多すぎた『熱帯』by森見登見彦

書店に並んでた森見先生の文庫の新刊という事で読んでみた。

結論から言うと、ちょっと私には合わなかったかな…、という印象。

いつも森見先生の作品は大好きなのだけれど、前に読んだ夜行と比べるとちょっとあまりにもファンタジー過ぎたのかもしれないという印象だった。

ネタバレしちゃうと半減しちゃうので、自分なりの感想をしたためておこうとおもう。

1.物語の視点が移り変わりすぎる基本、森見先生の小説は

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ガリレオの秘密『透明な螺旋』by東野圭吾

ガリレオの秘密『透明な螺旋』by東野圭吾

待ちにまったガリレオシリーズの最新作。

どうしてもどうしても読みたくて、ついつい買ってしまった…書籍衝動買いしちゃうのやめられない…

ってことで、ネタバレはなく感想を書き綴っていきたいと思う。

1.やはり読みやすい文章だなぁと再認識東野圭吾先生の文章は、人物視点がコロコロ変わるけれど、それを混乱せず普通に読めるところが素晴らしいと感じる。

やはり解りやすい、そして読みやすい、さくさく読める

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強い女我儘女『ジョゼと虎と魚たち』by田辺聖子

強い女我儘女『ジョゼと虎と魚たち』by田辺聖子

1987年に出版された名作の短編集、ジョゼと虎と魚たちを読んでみようと思い今回手に取った。

何度も映画化されたりアニメ化されたりする名作だと思ったら、表題のジョゼと虎と魚たち自体は非常に短い短編のひとつでしかないのが意外すぎた。

そして関西弁で、時代のせいなのか私にはとても読みにくい文章に思えたけど、この1987年は男女雇用均等法とかバブルとかそういう時期に出された恋愛物だと思うので、よくよく

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嘘は罪なのか『嘘~Love Lies~』by村山由佳

嘘は罪なのか『嘘~Love Lies~』by村山由佳

20歳の頃に読んだ「BAD KIDS」を読んでから、もうずっとファンな村山由佳先生の作品をそういえば最近読んでないな…と思い購入してみた。

電子書籍でいいじゃない、って意見もあるんですが…装丁とか集中できるとか含めやっぱり本持ちたくなるんですよね。

紙の本いいですよね…場所をとるけど。

美味しいコーヒーの飲み方とかでピュアな村山先生の印象がある一方、BAD KIDSとかこの作品の様に綺麗じゃ

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男と女の呪縛『Red』by島本理生

男と女の呪縛『Red』by島本理生

映画化される「ファーストラヴ」を昨年読んで、大ファンになった島本理生先生。

私は映画も好きなので、ファーストラヴも映像化されるんだけどそれ以前に映画化された「Red」も気になっていたので、とりあえず小説を読んでみることに。

一度読み始めたら止まらなくなってしまい、気が付いたら読み終えると朝4時になってしまっていた。

そのくらい引き込まれた作品「Red」をぜひ読んでほしくて、noteに書き綴る

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