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顧客LTVを最大化させる「記事LP」でCVRが600%上昇。ブランドの世界観とお客さまの共感をデザインするストーリーテリング /【事例】P.G.C.D. JAPAN

デジタル広告の手法の一つとして、広告をクリックしたあとの遷移先に、顧客とブランドの架け橋の役割として記事LPを使うことがあります。今回インタビューした取り組みでは、一般的に難しいといわれている、ブランディングと顧客獲得の両立を成功させ、今までに見たこともないような獲得率に上昇したそうです。

一体、どのような記事LPを配信し、どのような結果が得られたのでしょうか?そしてその結果みえてきたこととは?

株式会社 ペー・ジェー・セー・デー・ジャパン(P.G.C.D. JAPAN, Inc.)
https://www.pgcd.co.jp/
本社所在地:東京都港区
設立:2010年2月9日
事業内容:スキンケア事業、メイクアップ事業、ヘアケア事業、ボディケア事業、セレクトショップ事業

お客さまを大切にするP.G.C.D. JAPAN

社員のノーファンデ率、100%。シンプルケアで手に入れた美しさは自信を与えてくれる

─── まずはじめに、P.G.C.D. JAPANさまについて教えてください。

脇坂:私たちP.G.C.D. JAPANは、「美しくなる習慣をデザインする」をミッションに事業を展開しています。ブランドは創立から22年ほど、会社は設立から13年が経ちます。事業の大きな柱は、スキンケア事業とスカルプケア事業の二つです。

スキンケア事業では「洗う」と「潤す」のシンプルスキンケアを謳っており、朝用と夜用の石鹸と、美容液を展開しています。

─── 「美しくなる習慣をデザインする」とは、どういった想いが込められていますか?

脇坂:私たちは、日々の積み重ねである「習慣」を変えることで、心豊かな未来に繋がると考えています。

スキンケアにおいて本当の美しさとは、素肌そのものが美しいことだと考えています。多くの化粧品で美を装うのではなく、シンプルケアで手に入れた素肌の美しさは、人に自信を与え、前向きにしてくれます。私たちはそのための「習慣」を提供し、美しく生きるという選択肢を届けていきたいと考えています。

─── P.G.C.D.の皆さんは、全員ノーファンデだと伺いました!

脇坂:そうなんです。全社員、石鹸と美容液を愛用していて、私もジョインした8年前から毎日使っています。新卒採用の方もキャリア採用の方も、年齢に関わらず皆ノーファンデです。

あるキャリア入社の方で、20年以上ファンデーションをしていたそうですが、商品を使いノーファンデになられていました。

社員自らが商品の魅力を体感しているので、お客さまに自信をもっておすすめできるんです。

なんと、ノーファンデ率100%!
P.G.C.D.JAPAN | ESG/SDGs 人も地球も美しく

─── すばらしいですね!石鹸と美容液、たった二つだけのシンプルケアをすすめられていますよね。そこにはどういった想いが込められているのでしょうか?

脇坂:ブランド名の「P.G.C.D.」に込めた想いとも重なります。これはフランス語の「Plus grand commun diviseur」の略で、日本語で最大公約数という意味です。

日本には、「引き算の美学」という、昔から脈々と受け継がれてきた文化があります。私たちは究極の「引き算の美学」であるシンプルケアを通して、本当に必要な最大公約数の価値を提供していきたいと考えているんです。

左手が夜用、右手が朝用の石鹸
詳しくは、P.G.C.D.のスキンケア

長く継続していただけるお客さまを大切に

─── とても素敵です!商品の販売はECのみでしょうか?

脇坂:99%が自社ECで、一部商品のみAmazonで展開しています。大手のECモールを通さないのは、購入してくださるお客さまとできるだけ接点を増やしたいとの考えからです。

また、普段はインターネット上の関わりですが、南青山の本社オフィスでは、「洗顔エステサロン」など対面でイベントを開催し、お客さまとの距離の近さを大切にしていきたいと考えています。

─── 一般的な通販会社ではなかなか取り組まれていないことだと思います。どのような想いで開催されているのでしょうか?

脇坂:私たちが存在できているのはお客さまがいらっしゃるからだと思っています。お客さまへの感謝を伝え、ノーファンデの肌および美しくなる習慣づくりに少しでも役に立ちたいと思い、開催しています。

ほかにも、お客さまのお声から事業を行なっているという考えから、商品を愛用してくださっているお客さまへのインタビューを定期的に実施しています。管理部門なども含め、全社員がインタビューを行なっています。

*「洗顔エステサロン」の様子

─── 脇坂さんの職務内容について教えてください。

脇坂:F02顧客創造部の部長を務めています。RFM分析というフレームワークを用いて、お客さまを購入回数(Frequency)ごとに「F0」「F1」「F2」と3つにセグメントし、私たちの部署は「F0」から「F2」の段階までをみています。

F0は、まだ弊社の商品を知らない段階。F1は、初めて商品を購入していただいた段階。F2は、定期便会員になっていただいた段階のお客さまのことをいいます。

私たちの部署は、F0やF1の段階の、新しいお客さまの数を増やしていくことだけを求めているわけではありません。P.G.C.D.の商品は決して安価ではないですが、習慣化していただくためにも、より長く継続していただきたいと考えています。その一つの考えとして定期便会員さまになっていただくまでが、私たちの部署のミッションです。

*RFM分析:Recency(最新購入日)、Frequency(購入頻度)、Monetary(購入金額)の3つの指標で顧客を分類する方法

売上アップに重要な「顧客分析」6種の方法と最新トレンドを解説 | LISKUL

両社にとって新たなチャレンジに挑む

信頼関係があったからこそできた新たな取り組み

─── では、2021年3月頃から始まったソウルドアウトとの取り組みについて伺っていきたいと思います。それ以前はどのようなプロモーションを行なっていたのでしょうか?

脇坂:スキンケア事業でいいますと、雑誌や同梱チラシなどのマス広告、デジタル広告ですと、Yahoo!やGoogleのリスティング広告やディスプレイ広告はやっていました。

世の中にSNSが普及してきた頃、会社としてSNS広告にも力を入れようとして、実は、ソウルドアウトさんの前に何社かと一緒に取り組んでいました。ですが、私たちの思うような成果がなかなか得られなくて。

私がF02顧客創造部に異動してきたとき、現場ではFacebook広告やInstagram広告は、P.G.C.D.のスキンケア商品には合わないのではないか、と社内では考えられていたんです。私は、「そんなはずはないのでは」と思っていた記憶があります。

─── 脇坂さんが今の部署に異動されて取り組みがスタートしたんですね。どのような経緯でソウルドアウトと出会ったのでしょうか?

脇坂:デジタルマーケティングのパートナーさんを探していたとき、当時一緒に働いていたメンバーが別の会社で勤務していた際にソウルドアウトさんとお取り組みをしていたそうで、とてもよかったと言っていたんです。神にすがる思いでご相談しました(笑)。

─── そういった経緯があったんですね。最初はどのような印象をもちましたか?

脇坂:「正直、とてもいい会社に出会えたな」と思いました。

これまでやり取りをしてきたパートナーさんは、「デジタル広告はこうすべき」という定石を私たちにも当てはめて施策を行なっていたんです。しかしソウルドアウトさんは、私たちのこだわりや、これまで失敗してきたポイントなどすべてを親身になって聞いてくださいました。私たちが無理して合わせにいくのではなく、私たちに合った方法を模索してくださったんです。

─── 最初は、Facebook広告やInstagram広告から始められたのでしょうか?

脇坂:そうですね。私たち自身、商品LPにこだわりをもっていたこともあり、前の広告代理店さんとも内容をあまり変えず広告配信をしていました。会社としては、御社との取り組みで着実に成果を上げることを意識して運用をお願いしていました。

それから1年ほどが経ち、現在も配信している、世界観やブランディングを重視した記事LPを配信するようになり、目に見えて成果が上がっていきました。

世界観やブランディングを重視した記事LPにチャレンジ

実際の記事LP

─── 遷移先を変えるのは大きなチャレンジだったと思います。どのような試行錯誤があったのでしょうか?

山口:記事LPの広告配信は、単品通販業界におけるデジタルマーケティングの王道の施策で、P.G.C.D.さんでもやるべきだと思っていました。

しかし、記事LPというと、効果効能を語ったり、読者の不安を過度に煽ったりするものが多いのも現状です。P.G.C.D.さんの魅力はそういった記事LPでは表現できないですし、読んで購入してくれた方がいたとしても、定期便会員にはなり得ません。何より、広告によってP.G.C.D.さんのもつ世界観を壊してしまうようなことはしたくありませんでした。

悩んでいたところある社員から、世界観を表現して、共感してくれる方に購入してもらえるような記事LPの提案がありました。P.G.C.D.さんの世界観を守りながら、ブランドストーリーや環境への取り組み、お客さまの声などを書いた記事LPをご提案しました。

脇坂:1年ほど丁寧な運用をしていただいていたときの提案だったので、ソウルドアウトさんにはかなり信頼を寄せていました。新しい記事LPをご提案いただき、「そんなに言ってくれるんだったらやってみよう」と思ったんです。

ソウルドアウトさんも私たちも、お互いにより成果を上げられれば嬉しいですし、時期的に投資をしやすい土壌もあったので、挑戦してみようと思いました。

─── 実際に新しい記事LPの運用を始めた永田さんは、当初どのような感触をもちましたか?

永田:商品LPを配信していた時期は、目標の獲得単価を達成できていない苦しい状況が続いていました。一方、社内の単品通販の案件では記事LPの配信が主流だったので、配信したいとずっと思っていたんですよね。

ただ、いざ配信を始める段階になって、世界観を重視した記事LPは私自身初めての運用だったので、少し不安がありました。ですが始めてみると、すぐに獲得率が上がり、獲得単価が下がっていったんです。

記事LPに遷移する前の広告バナーのクリエイティブも、いただいた綺麗な素材で制作したものを使っており、記事LPとうまくマッチしていたんだと思います。

山口:永田さんのおっしゃる通り、広告をクリックして記事LP、商品LPに遷移、という導線に違和感を抱くことのないように意識して設計しました。

─── 世界観やブランディングを重視した記事LPの配信で、成果が上がりはじめたんですね。

脇坂:山口さんからは毎日結果の報告をいただいていたので、安心してお任せすることができました。「こんなに変わるんだ!」と社内でも驚くほどの変化でしたね。

山口:脇坂さん自身初めてのことなので、心配だったと思います。ですので、こまめな報告を意識していました。二人三脚で取り組めたので成功できたと思っています。

脇坂:弊社としては「あとはよろしく」と言ってしまうほうが簡単ですし、楽です。ですがそれでは、ここまでの結果は出なかったと思いますね。

獲得率が6倍以上に伸長。新しいお客さまとの出会いが広がった

─── 記事LPの配信によってどのような成果が得られましたか?

山口獲得率は6倍以上になりました。現在では、Facebook以外にもLINEやSmartNewsといった媒体にも出稿しています。

脇坂:私たちP.G.C.D.は夏が一番注目の集まる時期です。時期によってはかなり広告出稿を強化しているため、本当に助かっています。

─── 定期便会員さまの数はいかがでしょうか?

脇坂:新規でトライアル購入してくださるお客さまだけではなく、定期便会員さまも着実に増えました。継続率でみても、維持または微増しています。私たちの部署が掲げる目標数字にも大きく貢献いただいています。

完全にソウルドアウトさんの施策が合っていたんだと感じています。

─── ありがとうございます。記事LPによって、世界観に共感してくれるお客さまとの出会いが広がったということですね。制作の際は、どのようなことに気を付けていたのでしょうか?

山口記事LPの制作を担当した貝瀬さんは、P.G.C.D.さんから商品をいただき、同梱物やDMもすべて確認した上で制作しています。記事LPの中に嘘は一切ありません。

脇坂:貝瀬さんは本当にプロの仕事をしてくださいました。私たちが表現したいことを形にしてくださいましたね。貝瀬さんなりの視点も組み込まれていて、「こういう表現もできるのか」と新しい発見もありました。部内でもかなり好評です。

脇坂:執筆をお願いする私たちには、情報をしっかり伝える義務があると思っています。

ソウルドアウトさんには、私たちのブランドに込める想いの説明はもちろん、初回購入時にお届けする商品やブックレット、様々な関連情報を記載しているWebページのリンクをお渡ししました。そのあと、ストーリーラインはすべて貝瀬さんたちにお願いしましたね。

お互いを尊重し合う良きパートナーとして

─── いい関係を築けていたからこそ、良い成果に結びついたんですね。お互いの印象を伺いたいです!

脇坂:ソウルドアウトの皆さんは、全員が同じ熱量をもっていらっしゃるのがすばらしいと思います。会社の文化や、社員の皆さんの人柄や取り組み姿勢など、しっかりされているなと感じます。

山口:P.G.C.D.の皆さんは、私たちのことを尊重してくださるパートナーです。広告屋さんという接し方ではなく、同じ目標に向かってともに挑んでいくパートナーという感じですね。

また、私たちソウルドアウトは、媒体審査に依拠せず、社内での審査ポリシー・ガイドラインを遵守した上で広告を出稿しており、そういった点でもP.G.C.D.さんと同じ想いをもっています。時間と手間はかかりますが、お客さまに商品の魅力を誠実に伝えていくために、今後も二人三脚で取り組んでいきたいです。

脇坂:「Trust and Respect. (信頼と敬意)」という会社の行動規範や、「配慮はするが遠慮はしない」という私の考えもあり、お互いに敬意を払うことで、今後もいいチームであり続けたいです。

写真左:脇坂 和親氏、右:山口 歩
(※永田さん、みやたけはオンラインで参加)

これからも一つひとつ積み重ねていきたい

─── 最後に、ソウルドアウトと取り組んでいきたいことを教えてください!

脇坂:今までは「この指止まれ」という感じで、お客さまにメッセージを発信していたことが多かったと思います。今回、1月に行なったリブランディングやWebサイトのリニューアルを機に、私たちのほうからまだ出会えていないお客さまに、より向かっていく動きをしたいと思っています。

今は、特に40代から60代以上の方に多く利用していただいていますが、20代、30代の方でも、私たちの思いに共感していただける方はいらっしゃると思います。TikTokなど新しい媒体にもチャレンジ中です。まだまだ可能性を探っていきたいと思っています。

まずはこれまで積み重ねてきたことを、より高いレベルで実行していき、結果を残していきたいです。

─── 山口さんはどのようなことに取り組みたいと考えていますか?

山口:私もP.G.C.D.さんの思いを、より多くの方へ伝えていきたいと考えています。今は、新しい記事LPを制作中です。

私が商品に同梱されているブックレットを読んだときに感じたのが、化粧品はあくまでも杖だということです。人は本来、2本の足でしっかりと立つことが目指したい姿であり、それを支えているのがP.G.C.D.さんだと思っています。

お肌の悩みは年齢で切り分けられるものではありません。若い世代でも、悩みを抱えている方はいらっしゃいます。新しい切り口の記事LPや広告バナーを配信することで、共感の輪を広げていきたいです。

脇坂:出会いのきっかけをつくり、私たちの商品にご納得・ご愛用していただけるお客さまを増やしていきたいです。私個人としては、もっと多くの方に弊社を知っていただきたいと思っています。これからもよろしくお願いします!


編集後記
ブランドの想いへの心からの共感によって、二人三脚で進むことができ、ここまでの成果に繋がったんだと思います。インタビュー中も何度も心が揺さぶられました。ありがとうございました!

【インタビュー・執筆:みやたけ(@udon_miyatake)】


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