#73『アルジャーノンに花束を』(著:ダニエル・キイス、訳:小尾芙佐)を読んだ感想【読書日記】
ダニエル・キイスさん(小尾芙佐さん訳)の『アルジャーノンに花束を』
ドラマや舞台化もされたSF小説の名作です。
丸善ジュンク堂書店スタッフが選ぶ「夏の文庫50冊フェア2023」の対象文庫でもあります。
読んだきっかけ
名作だけあって書店でもよく見かけるため、タイトルは知っていました。
そんな中で、以前『高慢と偏見』を読んだ時の訳者が小尾芙佐さんで、その小尾さんの代表作の1つが本作であったことから気になり手に取りました。
このような方にオススメの本です
生きるうえで大切なことは何か考えさせられる本が読みたい
SF小説の名作を読みたい
普段とは違う読書体験をしたい
あらすじ
感想
相手に対する思いやりは、いかなる時も忘れてはならない
文体で主人公の変化が感じ取れる今までない読書体験
生きるうえで、知能が備わっていることは大事なことの1つではあると思います。でも、知能だけがあればいいわけではない。本当に大切なものは相手に対する思いやりで、いかなる時も忘れてはならない。それを物語を通じて痛切に感じさせてくれました。
特に印象的な場面は、中盤の食堂におけるチャーリイの発言、ラストのアリスのチャーリイへの接し方です。僕もチャーリイとアリスのように、誰かに心を寄り添えるような人になりたいです。
ラストにかけては色んな感情が揺れ動きました。ただみんなと仲良くなりたいために賢くなりたかったチャーリイの視点に立って読んでいたこともあり、だんだんと辛くなってきました。
文体で主人公の変化が感じ取れるのは今までない読書体験でした。
ひらがなや誤字だらけで読みにくい序盤から次第に通常の文体になり、序盤では信じられないくらい専門的な内容についても触れるようになります。
しかし、物語が進むにつれてチャーリイは果たして幸せだったのだろうかと考えていました。
また、本作の文体の変化をどう訳したのかを考えると、訳者の小尾さんも凄いと思いました。
印象的なフレーズ
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