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#6 色あせない19世紀の名作『高慢と偏見』(著:J・オースティン)を読んだ感想

今年読書を通じてやりたいことの1つが「色んなジャンルの本を読む」

早速、僕にとって新たなジャンルである海外文学の本を読みました。

今回読んだのは、イギリスの人気女性作家ジェーン・オースティンの代表作『高慢と偏見』

「色あせない名作」でした。

あらすじ

溌剌とした知性を持つエリザベスと温和な姉ジェインは、近所に越してきた裕福で朗らかな青年紳士ビングリーとその友人ダーシーと知り合いになる。エリザベスは、ダーシーの高慢な態度に反感を抱き、彼が幼なじみにひどい仕打ちをしたと聞き及び、彼への嫌悪感を募らせるが…。

『高慢と偏見』(光文社古典新訳文庫) amazon商品紹介ページより 

感想

面白かったー!!(語彙力)
良い読了感で余韻に浸っています。
約200年前の作品ではありますが、現代にも通じる部分が多く、まさに色あせない名作だと思いました。
会話が多く、読みにくさは感じませんでした。

面白く、考えさせられる部分が多かった『高慢と偏見』
その中で重要となると思ったワードが「結婚」「偏見」「個性的な登場人物たち」の3つです。

「結婚」

『高慢と偏見』は結婚にまつわる物語。
特に、作中の舞台となる18世紀のイギリスは女性が自立できる職業はほとんどなく、現在よりも結婚に関しては切実な問題でした。

そんな中で本書を通じて思ったのは、

結婚するという人生において重要な決断をするためには、自分や相手と向き合い後悔しない選択をする必要があることです。

人それぞれの考えはありますが、結婚する人は誰でもいいわけではないと思います。(僕はまだ独身なので偉そうなことは言えませんが)

本書のヒロイン、エリザベスは何度か求婚を断り、紆余曲折がありながらも結婚について考え選択していきます。

そして、後悔しない選択をするためには、周囲の声に惑わされず自らの意思で選択することが大事だと思いました。

「偏見」

エリザベスは知性があり観察眼がありますが、冷静に見るがゆえに偏見を持ってしまう面があります。

人づての噂話もあり、ダーシーに対する印象は高慢そのものといった感じで最悪でした。
しかし、物語が進む中でダーシーのことを誤解していたことが分かってきます(これはダーシーも自らの振る舞いを改めたことで成長した部分が大きいです)。

このような相手に対する「偏見」は、まさに現代にも通じること。
でも、客観的に見るのってなかなか難しい。

せめてなら、良い部分をしっかり見る「偏見」は失わないようにしたいと思いました。
このように思ったのは、エリザベスがダーシーが所有する豪邸のペンバリー館の庭園を見て、その趣味の良さに好意的になったシーンの影響が大きいです。

これもある意味偏見?ですが、相手の悪い部分ではなく良い部分をしっかり見ることは大事にしたいと思いました。

「個性的な登場人物」

本書が面白い大きな要因は、個性的な登場人物たちによるユーモアあふれる会話やエリザベスを翻弄させる行動でしょう。

エリザベスとダーシー以外の脇役のキャラクターも濃いです。
特に、ベネット夫人とリディアは強烈でした。

ベネット夫人はおせっかいでおしゃべり好き、とにかく余計なことをする。現代にもこういった方っていますよね(僕の母もあるかもしれない(笑))
ベネット家の娘たちが苦笑いしている姿が想像できました。

リディアは天真爛漫で行動力がありますが、分別がありません。そして、若い男には目がないといった感じです。
この性格ゆえにあるやらかしをしてしまいます。

上下巻ある長編でしたが、このような個性的な登場人物によって飽きずに読めて、むしろ愛着がわくような作品でした。

印象的なフレーズ

「わたくしはただ、奥方さまの、あるいはわたくしにはなんの関わりもないひとのお指図など仰がずに、自分の意志で自分の幸せを選びたいと思っているだけです」

『高慢と偏見』(下巻、光文社古典新訳文庫)


様々なことに翻弄されながらも、自分の幸せについて考えた中で出た言葉のような感じがして、感銘を受けました。

参考になった動画

『高慢と偏見』を読む中で、登場人物の相関図や当時の時代背景については「文学YouTuberベル」さんの書評動画が参考になりました。

動画の終盤に、

  • 辻村深月ファンにおすすめ

  • エリザベスが『凍りのくじら』の主人公、芦沢理帆子に似ている

とおっしゃっていますが、辻村深月ファンの僕は「確かに!」と思いました。

そして辻村さんは『高慢と偏見』から着想を得た『傲慢と善良』という作品を出しています。

こちらは、近いうちに読もうと思っています。

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