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【図解】敵はリズムにあり!英語が聞けない・伝わらない理由。日本語はさざ波リズム、英語は津波リズム!?

こんにちは!語学の裏設定のSlovarです!

今日は日本語と英語のリズムのお話で、知ればぐいぐい話せるし聞けるようになります。日本語は「さざ波リズム」英語は「津波リズム」ということを知れば、会話だろうが、洋楽だろうが、映画だろうが英語の波に乗ることができ、「英語がわかる」「英語ができる」という新感触を味わうことができるのです。

「敵を知り己を知る」とは言い古された言葉ですが、英語を知り日本語を知ることで、苦手意識の霧が晴れます。恐怖や不安の正体は「知らない」こと、この1点に尽きるので、今日でそんな苦手意識から卒業しませんか?


1.英語が聞けない・伝わらない原因の半分は音に関する理由

前回の英語入門記事では、これから英語を始めようという方はまず発音から始めることが大切だと書きました。


その真の理由は、英語が聞けない・伝わらない理由の11個のうち、「音」によるものがその半分を占めるからなのです。

上の11個ある理由のうち、5つですよ!?


発音の学習無き英語学習は、1階部分がない5階建てのビルを作ろうとしているようなものだということが分かると思います。どういうわけか発音学習というと、発音記号とフォニックスだけだと思っている人が多いですが、リズムの学習が視界から外れていた人は黄色信号です。

なぜかと言うと、英会話は1単語だけのキャッチボールではなく、1つ1つの単語が集まった「文」のキャッチボールで行われるからです。

それゆえ、文章単位で英語らしく発音できることが欠かせないですし、そのためにはまず日本語と英語のリズムは全く違い、英語独特のリズムについての理解が必要です。

そんなわけで今回は、5つの音の要素のなかで最重要事項である「リズムのずれ」と、リズムを作っている「アクセントのつけ方」について理解を深めていきましょう。というわけで先に「アクセントの差」について一緒に調べていきましょう。

ポイントは、「アクセントの差がリズムとなって現れる」ということです!!!

幸い私は英語の講師兼日本語の先生ですので、日本語と比較していきますね。きっと目からウロコだと思います。



2.ひと目で分かる!日本語と英語のアクセントの差

日本語と英語のリズムとアクセントの違いをピアノに例えて的確に表す図があります。普段私の英語塾の体験授業で使用している図で、光栄なことに分かりやすいとの評判をいただいております。

この図の中で、オレンジの丸は強い音で、灰色の丸は弱い音を表しています。

このことを頭の片隅にいれながら、日本語と英語の違いを理科の実験のように観察していくのですが、先に実例を1つ挙げておきましょう。



 ・英語は音の強弱でアクセントを表す

まず気づくのは日本語には強い音しか無く、英語には強い音と弱い音の両方がある点です。それぞれの言語をメーカーの違うピアノに例えてみます。

 ・日本語ピアノは強弱をつけることができない
 ・英語ピアノは強弱をつけることができる

同じピアノでも、メーカーが違うと性能が違うということを考えたら、腑に落ちませんか?ちなみに、強弱のつけられないピアノがこの世に存在するかといえば「チェンバロ」という形で存在します。バッハなどのバロック音楽の時代では大活躍していました。だんだんピアノを作る技術が発達し、今日のような弱く弾けば弱い音が、強く弾けば強い音が出るピアノができました。

興味のある方向けにチェンバロで演奏されている曲の動画を用意してみました。


というわけで、日本語はチェンバロ言語で、英語はピアノ言語だと言うことができると思います。


・日本語は音の高低でアクセントを表す

そして、図にはもう1つ差があります。

日本語は丸が2段にわたって配置されていますが、英語は1段しかありません。つまり、高さが違うのです。これをピアノに例えると下のようになります。

 ・日本語ピアノは高低をつけることができる
 ・英語ピアノは高低をつけることがでない

つまり、

【日本語ピアノ】
ドレミファソラシド+ドレミファソラシド
と2音階あります。

【英語ピアノ】
ドレミファソラシド
と1音階しかありません。

子供の頃、おもちゃのピアノで遊んでいたことがあるかもしれません。ここまでの話を踏まえると、

・日本語は、2音階あるチェンバロ
・英語は、1音階しかないピアノ

だと結論付けることができます。

ダメ押しで、図でまとめてみます。

さて、アクセントの違いについての理解が深まったところで、いよいよリズムの違いについてメスを入れていきましょう。


3.日本語はさざ波の言語、英語は津波の言語

皆さんの中には、「日本人の話す英語は平たく聞こえる」と耳にしたことがあるかもしれません。実はその通りで、英語は音の強弱の差がハッキリしているため図のように日本語と比べてしまうと日本語が平たく聞こえてしまうのです。さざ波のように。

この裏の意味は、日本語を英語のアクセントで話してはダメ、そして英語を日本語のアクセントで話してはダメという点です。なぜなら、アクセントの違いがリズムの違いを生むからです。

英語は強弱の濃淡をハッキリさせて話す言語なのです。津波のように、盛り上がっている部分とそうでない部分に差があるのです。英語はうねるのです。ゆえに、それぞれの母音と子音がたとえ英語の音であっても、強弱の濃淡がついていなければ日本語のように聞こえてしまうというわけでこれが発音学習の落とし穴です。


 ・(補足説明)アクセントの違いがリズムの違いになる

さて、さきほどからアクセントの違いがリズムを生むと度々述べてきましたが、まだピンと来ていない方のために補足説明をしておきます。

リズムとは差の産物なのです。

高低の差であれ、強弱の差であれ、そこに濃淡の差があればリズムが出来るのです。つまり、強弱アクセント・高低アクセントとは「濃淡の種類」についてで、リズムとは「その差の程度」のことなのです。

そして、英語の強弱アクセントのほうがより顕著なリズムを作るのに適している、、という話なのです。

だから強弱の濃淡差がついていない日本人英語はどうしても日本語として聞こえてしまうのです。

こんな風に説明したら、アクセントとリズムの関係性がよりハッキリと腑に落ちたでしょうか?


4.英語独特のリズムを作っている真犯人

結論から言うと、この濃淡差です。

さて、強弱の濃淡がはっきりした英単語たちが集まって文を形成すると、英語特有のおもしろい現象が起きるのです。

・一定間隔で強い音が繰り返され
・その隙間を埋めるように弱い音が詰められる

図にすると下のようになります。

さて、図では前半の間隔には弱い音が1つだけ、後半の間隔には弱い音が3つ入っていますよよね。

じつは弱い音が詰まっていれば詰まっているほど、その部分は速く聞こえるのです。これが英語のリスニングが大変な理由です。また、会話をする時にこのように英語を話せないと強弱の濃淡がつかないので日本人英語に聞こえてしまいます。

ピアノを引く時、1秒間に1つの音を弾く場合と、1秒間に5つの音を弾かないといけない場合を想像してみてください。どちらのほうが速いでしょうか?そしてどちらの方を、より弱く弾かなければならないでしょうか?

ゆえに英語はこのように聞こえます。
(ついでに日本語の場合も書いておきました)

以前別記事でこの図に見覚えがある方もいるかも知れません。

英語のリスニング能力を開花させる具体的な方法について書きましたが、ここで紹介されているリズムの差を活かした形です。

さて、英語と日本語のリズムの差が濃淡差だと十分すぎるくらいわかったところで、もうちょっと踏み込んだ話をしていきます。

 ・内容語と機能語とは

上の記事を読んだことがある人にとっては繰り返し (復習)になる内容ですが、どんな単語が強い音を持つか、どんな単語が弱い音を持つかには一定のパターンがあります。

強い音を持ちやすいのがメッセージ性の高い内容語で、弱い音を持ちやすいのがメッセージ性の低い機能語です。

   それでは実際の例を挙げて解説していきます。

・内容語と機能語の例

「あとでオフィスに寄りますね」という文章を例に考えます。英語なら「I'll drop in on at your office later」となります。

内容語とは、それ単体で意味をもつ単語です。

それゆえ、

「あとで オフィス 寄る」

と言ったら、文法的に不完全な文章ですが意味は分かりますよね。それはこれらが内容語だからです。

一方で、

「に     ね」

と言われても何のことだかわからないと思います。それはこれらが機能語だからです。

ということで、I'll drop in on at your office laterの文章の中で

・内容語→drop, office , later 
・機能語→ in, on, at, your, (I'll)

英語の機能語は爆速で通り過ぎていく単語なので、in on at yourは耳にも止まらぬ速さで発音され、それゆえリスニングができないという問題が起きるわけです。

実はまだ内容語と機能語について語りたいことがあるのですが、流石に長くなってきたので別記事に譲ろうと思います。


ここまでの内容がもし今日腑に落ちたのなら、だいぶ英語に対しての抵抗が減るはずです。


まとめ

日本語と英語のアクセント・リズムの差が、リスニングとスピーキングを難しくしている。それは、日本語が高低アクセントによるもので、英語が強弱アクセントによるものだからだ。

日本語の英語のアクセント・リズム差を理解していない人は、どうしても日本人英語から抜け出せず、また、英語ネイティブの英語に対して恐怖を抱き続けなければならないのである。それゆえ、今回の記事に書いてあることは、英語の学習をしている人は全てマスターしておきたい内容だといえる。


以上が今日の記事の内容です、盛りだくさんでしたね!英語への苦手意識ができるかも!という期待に変わったのなら、筆者この上ない幸せです。もし皆さんの周りで英語に困っている方がいたら、是非記事をシェアしてみてくださいね^^

この記事が皆さんの英語学習の糧になったことを祈って。

それでは!


PS

リズムを掴んだら音読に挑戦してみませんか?やってみれば実感できると思いますが、実は音読が確実に、速く英語力を上げる正攻法なのです。やってみなくても下の記事を読めばなんとなく納得できるかも!?


もしも英語ができるようになったら?老後に2000万必要なこの時代に、あなたを守ってくれるのは年金ではなく英語力かも。


また私の運営する英語塾Logical Bone Englishでは、この部分について更に掘り下げ、本質的に英語をマスターできるカリキュラムを提供していますので、もし興味がある方はこのページをご覧になって頂けたらと思います。



いつも記事を読んでいただきありがとうございます。英語学習に苦しんでいる方、つまらなそうに嫌々語学を学んでいる方が周りに居ましたら、シェアしていただければと思います。楽しく、深く、語学に取り組める人が1人でも増えたら幸いです。