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ゼロから英語を始めたいけど何から始めるべき?1に発音、2に発音、3に発音

こんにちは!語学の裏設定のSlovarです!

今日のテーマは発音についてで、これから英語を始める人あるいは英語に伸び悩む人に最も読んで欲しい記事です。

会話力ゼロからの道のり

思い出すだけで顔が真っ赤になるのですが、受験英語に毒されていた大学生の私は「英語は単語力と文法力なり!」という絶大な誤解をしており、皆は「聞き取れない」と首をかしげていました。

特に「Walk」と「Work」は、かしげる首の角度が最大になるポイントだったので、いつか自分の悪い発音のせいで相手の首をポキッと折ってしまうのではないかと心配したものです。

結局、私の心のほうが先に折れたので「発音殺人」には至りませんでしたが、その後、音声学という発音を専門に研究する人と2年シェアハウス生活をする機会があり、ようやく「発音こそが全ての基礎だ」ということが分かり英会話力はグングン伸びていきました。

もっと早く知っていればよかった。

10年間の英語学習が別物になっていたのに。

そんな後悔の気持ちを胸に抱えながら、今英語を教えている私が絶えず学生に言い続けている言葉があります。

1に発音、2に発音、3に発音....10まで発音

いくら高度な単語と文法を知っていても、口に出す時に理解してもらえない発音で話したら結局理解されないのです。いくら「愛している」と思っていても、口から出た言葉が「愛していない」ならばそこで終了です。

だからまず発音から始めよう。

と一口に言っても発音学習は「実に幅が広い」ですよね。英語学習が地球サイズなら、発音学習はアメリカ大陸サイズです。

本記事では、そんな広大な発音学習大陸の歩き方の全体像を「発音記号」と「フォニックス」に分けて示していきます。


1.まず発音記号とフォニックスを学べば基礎完了

発音学習をアメリカ大陸だと言ったのには理由があります。アメリカ大陸は、北アメリカと南アメリカに分かれてるように、発音学習も「発音記号」と「フォニックス」の2つに分かれています。

この2つの内、どちらも欠けてはいけません。

今から違いを簡単に説明していきますね。


発音記号は英語で使われる音の全リストです。よく辞書の単語の横に小さく書いてあるアレです(下の写真参照)。

フォニックスはどんなスペルの時にどんな音で読むかを表したルール集です。こちらは辞書に書いてありません。



分かりやすいように、日本語で例えていきます。

日本語には「あいうえおかきくけこ」という五十音図がありますが、これが英語で言う発音記号に相当します。日本語で使われている全ての音は五十音図にありますよね。

そして、日本語にはひらがな通りに読まない単語が時々あります。例えば「けいざい」。「ケ・イ・ザ・イ」ではなく、「ケーザイ」と読みますよね?これは、「エの音とイの音が」一緒になった時は、長い「エー」と読むルールが暗にあるからなのです。

他にも例を挙げると、

のように枚挙にいとまがありません。

なんとなく感じは掴めたでしょうか?


英語の例を少し挙げていきましょう。

例えば、アルファベットの「a」が、「Au」という塊のスペルで現れる時は「オー」と読みますが、「ay」という塊のスペルで現れる時は「エイ」と読む具合です。それぞれの代表的な単語は、「Australia」、「Pay」でしょうか。

ここまでをまとめてみます。その言語で使われている全ての音リストは、英語では発音記号であり、日本語では五十音図です。その言語に出てくるスペルと音を対応させる暗黙のルール集が、フォニックスなのです。


2.「発音記号」の全体像

学生時代の頃、発音記号が嫌いだった人?

発音記号の存在を知らなかった人?

かなり多いと思います。私の英語塾の学生さんですと、どちらかに当てはまる人が全体の9割を超えます。その多くの理由は、発音記号の見慣れない外見でしょう。宇宙人語にみえてしまうという人も居ます。

しかし、宇宙人であっても、話していることが分かり敵意がないと分かれば、それなりに話が進みます。ということで、まず発音記号の全体像をおさえていきましょう。

それは音の理解から始まります。

英語で使われている音には、母音(a i u e o)と子音(k s t n m ....etc)がありますよね。母音は全部で13個。子音は全部で29個あります。


そして、全ての発音記号は、この2つの内どちらかに属します。ちょうどアメリカが、アメリカの本体とアラスカに分かれるように。

母音と子音の細かい区別は別記事に譲るとしましょう。今日の目的は「全体像」を掴むことですから。な~んだ、母音と子音はアメリカの本体とアラスカのような関係なんだなと思ってもらえたら今日のところは大丈夫です。



3.「フォニックス」の全体像

フォニックスが初めてという人も、母音のルールと子音のルールに分けて考えたら全体像が早く掴めます。

こうしたルールを1つ1つ覚えていくにつれて、正確な発音をすることができるようになるでしょう。


今日はフォニックス初回ということで、フォニックスを学ぶ意義についても触れておきたいと思います。カギを握るのは「ローマ字読み」です。

日本語は全ての単語をローマ字読みします。つまり読み方が常に1通りなのです。書いたとおりに読んだら良いと。
対して、英語の単語はローマ字読みする場合としない場合 (フォニックス読み)があります。同じ「a」でも「Mac」のようにローマ字読みしたり、「Make」のようにフォニックス読みをしたりします。

この際、今までフォニックスに触れたことがない日本人は、ローマ字読みしか知らないので、全ての単語をローマ字読みしてしまい、結果それが伝わらない英語を生み出しているのです。

他にもローマ字読み一択の言語は、スペイン語、ポルトガル語、中国語などがあり、これらの言語を話す人はフォニックスの救済がないと伝わる英語は話せるようにならないのです。

(逆を言えば、日本人は英語なんかよりもこれらの言語を学んだほうがラクなのですが)

ということで、フォニックスの重要性がなんとなく掴めたでしょうか?


4.実際に起きた「発音殺人」の例

最後に発音学習に対する気を引き締めることができる、悲しいニュースを紹介しようと思います。

事故が起きたのは2017年。スペインのとある橋でバンジージャンプが行われていた時のことでした。その日、オランダからやってきた17歳の少女に安全帯を付けていたのはスペイン人のインストラクターでした。

少女は飛ぶのが楽しみでソワソワしており、それを見かねたインストラクターは「ローマ字訛りのある英語で」

No Jump !と言いました。

スペイン語訛りを理解できなかったその少女は彼の指示を

Now Jump !と聞き違え、

安全帯が付け終わっていない彼女は命を落としたという事故です。


この事件に込められた教訓はあまりにも大きいです。「下手な発音は相手の脳に負担をかけてしまう」という次元を超え、「下手な発音は人を殺しかねない」ということを示しています。

それゆえ、発音学習は大切なのです。

特に、ローマ字が標準装備である日本人は。


この話は、私が発音記号の授業をする時に学生に伝えている話ですが、ブログという不特定多数の皆さんとコミュニケーションができるツールで是非とも発信したいと前から思っていた話でした。

もし「英語の発音なんてどうでもいいや!」と発音学習を軽視していたり、無視していたりする人が周りに居ましたら、どうか本記事のシェアを心からお願いしたい次第です。


まとめ

1に発音、2に発音、3に発音...10まで発音。英語を始めようと思ったらまず発音からはじめよう。理由は、どんなに語彙と文法が揃っていても、発音がダメなら通じないか、最悪の場合、人から嫌われる・傷つける・死なせる、といった事態に発展するからだ。

発音学習はアメリカ大陸のようなもので、アメリカ本国(発音記号)とアラスカ(フォニックス)に分かれる。どちらも欠けてはならないので、両方勉強しよう。

(ちなみに、発音記号とフォニックスと同時並行で進めていかないとならない音の学習がありますが、これは後日別記事にて解説します。)


PS

発音と言ったら音、音と言ったらリスニングです。英語のリスニング能力を飛躍的に上げる方法について以前記事にしました。もしよかったらどうぞ。


いつも記事を読んでいただきありがとうございます。英語学習に苦しんでいる方、つまらなそうに嫌々語学を学んでいる方が周りに居ましたら、シェアしていただければと思います。楽しく、深く、語学に取り組める人が1人でも増えたら幸いです。