マガジンのカバー画像

日々のエッセイ

226
2019年から湖畔暮らし。自然、家族、ヤギ、トリ、仕事、そして考え事の日々。
運営しているクリエイター

#日記

和綿の芽吹き

和綿の芽吹き

3週間前に蒔いたコットンが芽吹き始めた。

苗用に使っている鉢は小岩井ヨーグルトのパックだから、上から見ると三角形。全部で40粒の種を蒔き、そのうち芽が出たのは33粒だった。

日に日に大きくなる新芽を見て毎日を過ごしている。たまに寒い日があると心配になって、家の土間に避難させる。暑い日も心配で、水をやりすぎないように水をやる。

新芽が出て最初のうちはみんな同じようなペースで成長しているように見

もっとみる
昔の好きは今の好き

昔の好きは今の好き

趣味でカヤックを漕ぐ。今年でカヤックを始めて4年目になる。

カヤックは一人乗りのボートで、パドルと呼ばれる一本の棒を左右交互に漕いで進む。

川で楽しむスポーツだから全身が濡れるし、川へ落ちることもある。川に落ちるときはボートごとひっくり返るのが通常で、水の中でわたわた焦る(適切な抜け出し方がある)。

そんなカヤックの最大の魅力は「本物のジャングルクルーズ」ができることだと思っている。

川の

もっとみる
土に還っていくもの

土に還っていくもの

今日は朝早くからうちに、自分たち夫婦を入れて7名の大人が集まっていた。

何の騒ぎかと言うと、水道関係の工事の下見があったのだった。

「おはようございます~」

関係者が続々と集まり、最終的に車6台が庭に収まっていた。うちの庭ってこんなに車入るんだなあとぼんやり考えた。

「じゃあ現場の確認させて頂きますね」よく晴れた朝、うちの敷地をぞろぞろと人が歩いている。

***

湖畔暮らしを始めていろ

もっとみる
自然界と徒競走

自然界と徒競走

「久しぶり、元気?」っていうメッセージをもらっても、趣を感じなくなってしまった。

昔は誰かからこんなふうに連絡をもらうとすごく嬉しかった。最近はそういう感じじゃない。

連絡をもらった手前返さないわけにもいかないし、とりあえず返すんだけど、正直なんて返信したらいいか迷う。

理由は結構単純で、毎日いろんなことが起きていて、話しきれないからだと思う。これに時間を使っていて、これを頑張っていて、こう

もっとみる
芽を出してコットン

芽を出してコットン

最近、母がメルカリに登録したいからやり方を教えて欲しい、と言ってきた。

わたし自身はメルカリの常連だ。自分の不用品を出品したり、母から預かった不用品もたまに代理で販売してあげていた。

でも、こんな世の中だからだろう。暇を持て余しているようで、自宅の断捨離を猛スピードで始めたらしい。

「英語の教材がたくさんあるから自分で売りたいの」

とはいえ、やり方なんて体で覚えていくものだし、説明するのは

もっとみる
私の町の洋菓子店

私の町の洋菓子店

毎月15日は夫から「あるもの」をもらう。

「ロマンチックな赤い薔薇……?」

もったいぶったけど全然違う。答えは普通に「生活費」だ。

結婚して2年半が経つけれど、そのあいだ自分は正社員として働いていない。これは夫の意向だ。

夫は、彼自身が安定した給料をもらえているうちに「私に自分で稼ぐ力を付けて欲しい」と言う。いわば妻への投資期間らしい。

そんなわけで興味分野の予備校に通わせてもらったり、

もっとみる
人との距離感のこと

人との距離感のこと

結構本気で悩んでいることがある。

先に答えを言ってしまうと「人との距離感」についてなんだけれども。

なんでこう思ったかと言えば、昨日夫の親戚と集まる機会があって、すごく苦痛だったからだ。

わたしを除いて6人がいて、全員夫の親戚だった。私から見ればただの他人。

そういった環境で、その人たちとどれくらいの距離感で接したらいいのか本当に分からなくなった。

ニコニコしていればいいのか、黙っていれ

もっとみる
種まきの工夫

種まきの工夫

昨日の夜、夫と喧嘩した。

喧嘩といっても激しく口論するようなものではなくて、冷戦みたいな感じ。

理由はわからないけれど、時々こうなる。特にきっかけとなる事件(?)はないんだけど、なんとなく雰囲気が悪くなって冷戦に突入する。

理由はたぶん、私が一方的にイライラしているからなんだろう。

普段はラブラブ(←)なのに、昨日は珍しく冷戦のまま寝たから寝起きの気分が悪くて、反省を込めて考えてみた。

もっとみる
どこまでの手間を選ぼうか

どこまでの手間を選ぼうか

おととい自宅で甘酒を作った。

炊飯器で手軽にできるレシピがあって、重宝している。失敗もなく簡単だから、頻繁に作っている。

甘酒は、ちょっと小腹が空いたときや、食後のデザートとして食べる。「食べる」と書いたのは、手作りの甘酒はドロドロした半固体状に仕上がるからだ。甘糀(あまこうじ)とも呼ばれる。

砂糖不使用で健康にもいいし、何より美味しいのがよい。大変よい。

ただ、ひとつデメリットもある。

もっとみる
靴は思い出

靴は思い出

先日新しい靴を買った。

正確には「買った」というより、溜まったポイントを「消費した」の方が近い。というのは、年始に夫婦で買った喪服一式が結構な高額だったから、靴一足分くらいのポイントが付いてしまったのだ。

「ぼくは特に欲しいものがないから何でも買っていいよ」

夫がそう言うものだから、わたしの靴を新調することになった。

大学生のとき就職活動のために買った黒のパンプスを未だに履いていた。もう古

もっとみる
田舎移住エッセイ集が30本になりました

田舎移住エッセイ集が30本になりました

今日は年度末ということで、noteで書いている「田舎移住エッセイ」を振り返ろうと思います。

昨年10月末に湖畔へ引越してきてから、約5か月が経ちました。

毎日新しいこと尽くめで、もう1年くらい住んでいるような感覚になっています。今は時間の流れの早さよりも、事の多さの方がまさっている状態で、日々何かしらぎゅうぎゅうに作業しています。

そんな様子を少しずつnoteに記録してきました。

***

もっとみる
特別そうに見えても特別じゃないことがある

特別そうに見えても特別じゃないことがある

最近の自分は「タケノコ女」だ。

なにそれ……?

詳しく説明しよう。3月中旬頃から庭の竹やぶの中で、タケノコが勢いよく成長している。毎朝竹やぶを練り歩き、「今日はどこにツノが出ているかな」とタケノコを探す。

昨日は最高記録で、収穫量は8本。夕食はタケノコの炊き込みご飯、タケノコの煮物、チンジャオロース(中華料理)など、連日そんな感じだ。

驚いたのは夢の中でもタケノコの皮を剥いていた時だった。

もっとみる
私の幸せは誰かの幸せにならない

私の幸せは誰かの幸せにならない

三連休で庭仕事がぐんと進んだ。

暖かくなってきて植物の成長スピードが倍増、いや、何十倍増しになっている。とめどなく伸びてくる雑草を刈ったり、タケノコを掘る必要がある。

気温が高くなれば私たちの生活も活気づいてくるような気がするけれど、それは植物も同じらしい。

そんなわけで春になると庭仕事が忙しくなる。忙しいんだけれども、なんだかとても楽しくて幸せだ。

「連休中、庭仕事ができて幸せだったね」

もっとみる
一番長かった待ち時間

一番長かった待ち時間

地方の湖畔へ引っ越してきて5か月目を迎えている。だんだんこの町の暮らしにも慣れてきた。

どこのスーパーが安くて品揃えがいいとか、公共施設の営業時間とか、どの道を通れば近道になるとか、ささいなことが分かるようになってきた。最近ようやく町の住人っぽくなれているような気がする。

改めて感じることと言えば、田舎は人が少ないということだ。

都内での生活を経てから地方へやってくると、人口の少なさに驚く。

もっとみる