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和綿の芽吹き

3週間前に蒔いたコットンが芽吹き始めた。

苗用に使っている鉢は小岩井ヨーグルトのパックだから、上から見ると三角形。全部で40粒の種を蒔き、そのうち芽が出たのは33粒だった。

日に日に大きくなる新芽を見て毎日を過ごしている。たまに寒い日があると心配になって、家の土間に避難させる。暑い日も心配で、水をやりすぎないように水をやる。

新芽が出て最初のうちはみんな同じようなペースで成長しているように見えた。だけれどもしばらくしてバラツキが出てきた。

「弱い子は生き残れそうにないかも……」

ひょろっとした苗は、日に日に弱ってもう死んでしまいそう。力強い苗は、日に日に伸びて心配なく生きそう。改めて植物の命って白黒ハッキリしているなと思う。

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生きるか死ぬか、白黒ハッキリした植物を見ていると「残すために生きてる」感じがする。

何を残すかってことだけど、それはもちろん「種」のこと。

自分らが絶滅しないためにたくさんの種を残して、成長して、また種を作って、そんな繰り返しだ。地球が誕生してからずっとそんなふうに種を残し続けてきたんだろう。

生きる個体、死ぬ個体、いろいろだけど結果的には種が守られて続いていくんだ。

「人はどうだろう?」

人はただ種を残すためだけに生きてる感じはあんまりしない。

みんな人生に意味を見出そうとしている。人生に意味を見出したがるってことは、ただ種を残すためだけに生きているのとは違うと思う。もっと独立した個体の集まりって感じ。

みんな違いたがるし、同じを望まない。人は人なんだけどね。

そういう意味で植物の方が一体感があるのかもしれないなあ、と途方もないことを考えた5月の日。

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写真 2020-05-14 13 47 05

コットンはこれから15cmくらいの大きさになるまでポットの中で育てる。その後は畑に直植えする。先日コットン用の畑も耕したところ。

実際に綿を収穫できるのは今年の秋ごろで、それまで心配な日々は続きそう。まるでペットのように気がかりだ。

そういえば今の季節、コットンだけでなくいろいろな植物が芽吹いている。

キュウリ、ズッキーニ、柿の葉など、数え切れないほどの命を感じられる日々。柿の葉は小さい芽なんだけれども、透き通った緑が文字通り輝いてとても綺麗。柿の葉は天ぷらにしても美味しい。

そのとき必要なことに必要な分だけ、ありがたく使わせていただきます。